ある日、私(Fin)はあのお姉様に会った‥‥ 真っ黒でつややかなストレート、どことなくボーッとした目、そして、近寄りがたい雰囲気‥‥ 琴音お姉様の事(8参照)で疲れていた私は彼女がいなくなってしまっても、そこに立っていた‥‥ いつしか、帰りにそこへ寄るようになった‥‥ 彼女の通う高校‥‥ 彼女の通う古本屋‥‥ そう、一度でも彼女を見かけたところを‥‥ 彼女と話してみたい‥‥ この心は積もるばかり‥‥ しかし出来なかった‥‥ ・ ・ ・ ・ ・ 「そこを通してください!」 私が頼みますと 「なりません!ここを通す訳にはまいりません!」 彼が言い返してきます。 「どうしてなんですか!」 「どうしてもです!」 「はっきりと理由を言ってください!」 「失礼ですが、あなた様は、藤田浩之様と同じ気配がします」 「あんな、(極悪非道)浩之さんと一緒にしないで下さい!」 「同じだとは、言っておりません」 「言っているじゃあありませんの!」 「誤解です。気配がすると言っただけでございます」 「どうしても、通せないと言うのね!」 「はい、通せません!」 「なら!力ずくで!」 「望むところです、かかってきなさい!」 ・ ・ ・ (そして、今日もストリートファイトが始まる) ・ ・ ・ 「今日のところは、これくらいで勘弁してあげるわ‥」 (ぼろぼろのFin) 「なんの、それはこちらの台詞です‥」 (ほろぼろの長瀬) 「セバスチャンでございまする‥」 (そう、ぼろぼろのセバスチャン) (ちなみに今はもう深夜‥‥) (もちろん芹香はもういない‥‥) 「お姉様ー!一体いつになったら話しが出来るのー!」 (Finは芹香の名前も知らなかった‥‥) (そして今日も、炭化したロリコン変態(フィン)の屍が転がる‥‥)