夏の暑い日、勇希お姉様に”大事”なお腹に「蹴り」を入れられました。 笛音さんのおかげで、心の傷痕も消えようとしていました。 しかし、時間の為、叶わぬ願いとなってしまいました‥‥ そんな次の日、私はまた柏木家の門をくぐろうとしていました‥‥ 「あ!」 そんな声が聞こえてきた‥‥と、思ったら、私は楓お姉様と正面から、ぶつかっていました。 軽い衝突。 通常だったらよろめくほどの衝撃でした。 しかし、その時、私は肉体的にも精神的にも通常ではありませんでした。 そのまま崩れ落ち、気を失ってしまった、と後程伺いました。 その時、もちろん楓お姉様はその事を知りませんでした。 ですから、狼狽し罪悪感に苛まれ、結局耕一さんが運んでくれたそうです。 楓お姉様のベッドへ‥‥‥‥ 私が目を覚ました時、楓お姉様は、私の顔を心配そうに覗き込んでいました。 (楓お姉様の顔がすぐそばに!) 私は、最初夢かと思いました。 このような夢は、幼稚園のころから良く見たものです。 保母のお姉様方(‥‥)、他の子供たちのお母様方(おい)、そして、同級の女の方達(こら!)‥‥ しかし、今度は夢ではありません。 その眼差し、さらさらとした髪の毛、そして、心地よい楓お姉様の香り‥‥‥ 私は喜びました。 そして、何故かと思いました。 彼女は、私の為に話してくれました。 わかりやすく、丁寧に。 私はすべてを悟りました。 そして、なんでもすると言ってくれた楓お姉様‥‥‥ 私は、楓お姉様の所為ではない事を知っています。 そして、心はその楓お姉様の優しさを利用しよう、と言ってきます。 反対に、すべてを話そうとも言ってきます。 ‥‥ ‥‥ ‥‥ 「楓さん、私の事を好きになってくれますか?」 気が付くと、私はそう言ってしまいました‥‥ 楓お姉様は、首をかしげて、「わからない」という顔をしました。 楓お姉様の世界では、このような事は非日常に違いありません。 ‥‥ ‥‥ ‥‥ 私は言いました‥‥ 「何でもありません。忘れてください」 楓お姉様は、まだ良く分からない顔をしていましたが、やがてこくりと頷きました。 私の恋は、また、心の中にしまわれました‥‥ 帰ったら、ロリコン変態(フィン)がTVを見て笑っていたので、出刃包丁で刺しました。 彼は、きっと明日も笑ってTVを見ている事でしょう‥‥‥ 次は初音お姉様‥‥‥ そう思いながら、夜はふけていきました‥‥‥