Finの物語3‥‥楓 投稿者:フィン
夏の暑い日、勇希お姉様に”大事”なお腹に「蹴り」を入れられました。
笛音さんのおかげで、心の傷痕も消えようとしていました。
しかし、時間の為、叶わぬ願いとなってしまいました‥‥
そんな次の日、私はまた柏木家の門をくぐろうとしていました‥‥

「あ!」
そんな声が聞こえてきた‥‥と、思ったら、私は楓お姉様と正面から、ぶつかっていました。
軽い衝突。
通常だったらよろめくほどの衝撃でした。
しかし、その時、私は肉体的にも精神的にも通常ではありませんでした。
そのまま崩れ落ち、気を失ってしまった、と後程伺いました。
その時、もちろん楓お姉様はその事を知りませんでした。
ですから、狼狽し罪悪感に苛まれ、結局耕一さんが運んでくれたそうです。

楓お姉様のベッドへ‥‥‥‥

私が目を覚ました時、楓お姉様は、私の顔を心配そうに覗き込んでいました。
(楓お姉様の顔がすぐそばに!)
私は、最初夢かと思いました。
このような夢は、幼稚園のころから良く見たものです。
保母のお姉様方(‥‥)、他の子供たちのお母様方(おい)、そして、同級の女の方達(こら!)‥‥
しかし、今度は夢ではありません。
その眼差し、さらさらとした髪の毛、そして、心地よい楓お姉様の香り‥‥‥
私は喜びました。
そして、何故かと思いました。
彼女は、私の為に話してくれました。
わかりやすく、丁寧に。
私はすべてを悟りました。
そして、なんでもすると言ってくれた楓お姉様‥‥‥

私は、楓お姉様の所為ではない事を知っています。
そして、心はその楓お姉様の優しさを利用しよう、と言ってきます。
反対に、すべてを話そうとも言ってきます。
‥‥
‥‥
‥‥
「楓さん、私の事を好きになってくれますか?」
気が付くと、私はそう言ってしまいました‥‥
楓お姉様は、首をかしげて、「わからない」という顔をしました。
楓お姉様の世界では、このような事は非日常に違いありません。
‥‥
‥‥
‥‥
私は言いました‥‥
「何でもありません。忘れてください」
楓お姉様は、まだ良く分からない顔をしていましたが、やがてこくりと頷きました。

私の恋は、また、心の中にしまわれました‥‥
帰ったら、ロリコン変態(フィン)がTVを見て笑っていたので、出刃包丁で刺しました。
彼は、きっと明日も笑ってTVを見ている事でしょう‥‥‥

次は初音お姉様‥‥‥
そう思いながら、夜はふけていきました‥‥‥