カウボーイリーフ 第1回(中編) 〜駄人形のストラット 投稿者: ほえ〜る
浩之のソードベアー飛び立ったころ、坂下は居酒屋でくつろいでいた。
店にいた客が物珍しそうに坂下の顔を見ている..正確には坂下の持っている
アタッシュケースに興味があるようだ、一息ついた坂下が店を出ようとしたその時
客の一人がわざと坂下にぶつかった。「わりぃなねぇちゃん」客がわざとらしく謝る。
坂下は無言でその客を睨む、「謝ってるじゃねえかよ、おいなんとか言えよ!」
客は坂下に絡んでくる坂下は答えるかわりに客の顔面に蹴りを放った。
うめき声をあげ、倒れている客を後目に足元を見るとあったはずのケースが無くなっている
坂下はあわてて店の窓を見るとケースを持った男が一目散に逃げている
「くそっ」坂下はドアを蹴破り男の後を追う..男は商店街の裏道に身を潜め
坂下が通りすぎるのを確認しケースの中を調べる「へへっお宝、お宝っとどれどれ..なっなんだこりゃ?」
中身を調べた男が首を傾げながらケースを閉じとりあえずといった雰囲気で歩き出した。
              同時刻
奇妙なアンテナが乗ってあるワゴン車の中、運転してる白衣の男が助手席の男に愚痴っている
「3人ともやられたのか?」「そのようで」「坂下はこのあたりにいるんだな」
「..そのようで」「ったくあれの本当の価値も知らんくせに」「そのようで」
ワゴン車は商店街を走っていった...
浩之はとあるウェポンショップにいた。
「質屋ねぇ〜」「そうだそれも非合法の」「なあ兄ちゃん、この火星じゃ金さえあればなんだって買えるんだ
鉄砲でも人の命もな、情報がほしければ出すもんだしな」浩之は飾られている銃を眺めている
「グリップが木製だな..しかもこの紋章はBIO2モデルだな」
それを聞いた店員は目を輝かせ「あっわかる30年前の超レア物だよ」
「そいつは骨董品だな」と大事そうに銃を手にした。
「裏通りの所にトレジャーハントっていう店があるそこなら何か解るかもしれないぜ」
と気をよくした店員が浩之に伝える「ありがと、恩にきるぜ」浩之は早速その場所に向かった。
そのころ坂下から盗み出したケースを持って男が質屋の店主と交渉していた。
「見るだけは見るけど買い取るかどうか解らないわよ」男はケースを机に載せ店内を歩く
男は何気なくガラスケースを見るするとケースの向こう側で浩之が愛想笑いを浮かべ指を上に向ける
男はそれにつられ立ち上がった、浩之は男に銃を突きつけた。
「整形だけでなくついに性転換しちまったのか坂下」「ちょっと〜いざこざごめんよ〜」「あんたが開けろ!」
と愚痴る店主に命令する浩之、「どうして〜」と店主「なにか、勘違いしてんじゃ」と男
「早くしろ!」と怒鳴る浩之、店主は不満そうに浩之を睨み仕方なくアタッシュケースを開く
「あ〜ら可愛い」と店主がケース中身を見せる、「おっ女の子..?」中身はメイド服を着た女の子であった
しかし耳がセンサーになっていた、「昔出回っていたHMっていうメイドロボね、かわいいけど今じゃ有り触れすぎてるから」
「でそのロボットの値段は?」と銃で頭をかきながら浩之が言うすると店主が三本指を出して「アタッシュケース込みでこんな所ね」
すると男が「30万?」「馬鹿言わないで300よ300」「ちょっちょっと」「それが嫌なら自分で処分する事ね、マスターにでもなれば」と
店主が無責任な事を言う「メイドだしな」と浩之「邪魔したな続けてくれ」と疲れた顔で店を出る。
一人の女とすれ違い別に気にもせず歩きながら愚痴る浩之「ステーキはふかしすぎたな」
坂下は、愚痴る男を後目に近くの質屋に向かった。その質屋では店主相手に男がまだねばっていた
「なぁたのむよせめて380くらい」「だめ」「370で、いや350」「零よ!」坂下は男に銃を突きつけ言う
店主はうんざりした顔で「ちょっと〜またなにかあるの〜」と坂下を見る、坂下は気にも止めずHMに手を伸ばす、
とその時機能を停止していたHMが突然目を開き坂下に向かってきた。
突然の出来事に坂下は倒れながら銃を発砲してしまう、HMはその銃声から逃げるように走り出した。
「なっなんだ」突然の銃声を聞き辺りを見回す、するとその時浩之の横をさっきのHMが走り抜ける
あっけにとられた浩之の横をまた一人の女が走り抜ける、その女の顔を見て浩之が叫ぶ「坂下!っくしょう、どうなってんだ?」
おもむろに坂下を追いかける浩之、HMは商店街を出て交差点を通り過ぎていったその姿を見た白衣の男が叫ぶ。
「いました!マルチです」「なに、よーし」運転席の男がスピードを上げ進んでいく
HMの後ろには、坂下、ワゴン車、そして浩之が後を追っていた。HMは、住宅街の裏路地へと入っていく
その後を追う坂下、裏路地の真横に車を止めドアからとびだす白衣の男2人、その後を追う浩之
HMは、信じられないような早さで裏路地を駆け抜けていく、住宅広場では老人達が将棋を楽しんでいる
その横を通り過ぎていくHM、将棋盤を飛び越えていく坂下、いつの間にか坂下に追いつこうとしていた浩之が将棋盤を倒して追いかけていく
白衣の男達は、走り疲れたらしく壁にもたれたまま肩で息をしていた。
大きな橋の上で突然HMが倒れ込んだ、どうやらバッテリーが切れたらしい、追いついた坂下がHMに手をかけようとした時
浩之もまた坂下に追いついた。「あなたは、賞金稼ぎ?それとも人形マニアかしら?」と坂下
「泣かせる話じゃねえかたかが300のロボットのために命がけとは」と浩之
「なんですって」「こっちが興味あるのは、あんたの首にぶら下がった800万さ」言い終わるか終わらない内に
けしかける浩之それを迎え撃つ坂下、その時HMは「内部電源切り替え完了」とつぶやき橋の下を見る
すると一隻の船がちょうど橋の下を通っていた。そのころの二人は、間合いを取りお互いの出方をうかがっていた。
「へっやるじゃねえか」と嬉しそうに構えをとる浩之、そのとき坂下はHMの異変に気づいた
「なにっ!」浩之もHMの異変に気づく、HMは下の船に飛び込んだのだ。
「しまった」浩之と坂下は同時に船に飛び込んだ、先に飛び込んでいたHMが浩之を見る、彼女のカメラアイに命が宿る
「なにぃ」HMは突然浩之に抱きつきバランスを崩した浩之とともに川へと落ちた、坂下は、船の上で二人を捜すが見つからず地団駄をふんでいた。
川の中から浩之は、HMを抱えながら堤防の上に上がった。
「なんだってんだったく」と愚痴りながらHMの頬をたたく「おいっ生きてるか?おいっおいっ」
するとHMはゆっくりと目を開きにっこりと微笑みながら答える。
「はいっありがとうございますぅマスター」浩之はあっけにとられた顔で言う「ちょっちょっとまて、なんだそのマスターってのは」
HMは不思議そうな顔で浩之を見つめはっとした顔で答える「ご挨拶がまだでした。私はメイドロボ、マルチ、あなたのメイドですぅ」
浩之は冗談じゃないというような顔でマルチに言った「あなたのメイドって誰が決めたんだよ」「わたしですぅ」
「かってにきめるな!だいたいだな俺はお節介焼きがきら..」浩之の叫びを無視して橋の下へと行くマルチ。
「ちょっとまて人の話は最後まで..」と言おうとする浩之の前に子犬を抱いているマルチが立っていた。
「なんだよ」と不機嫌な顔でマルチを見る浩之「あの〜なんだか不機嫌そうですねぇ〜」と上目使いに言うマルチ
「不機嫌なんだよ」と愚痴る浩之「でっなんなんだおまえが抱えているそのけだものは」
「えっえ〜と橋の下に捨てられていた犬さんです〜」とマルチ「んなことは解っている問題はなんでおまえがそのけだものを抱きかかえているんだ?」
と捲し立てる浩之「だってかわいそうじゃないですかぁこの子おなかを空かせて震えていたんですよ〜」といつものペースのマルチ
「かんべんしてくれよ、人間の俺達でさえ明日食えるかどうか解らないんだぜそんなときに犬が飼えるわけねぇじゃねえか」
と疲れた顔で浩之が説明する、するとするとマルチは、泣きそうな顔で
「...そうですよね、本当はマスターも飼いたいはずなのに飼えない事情があるんですよね」「..をい、ちょっとまて俺は犬を飼いたいとは..」
と浩之はマルチに反論しようとしたのだが泣いているマルチを見て口をつぐんだ。
「ごめんなさい犬さん、一人でもしっかり生きて下さいね。」とマルチが抱きかかえた犬を降ろしたとき。
「ったくしょうがねえなぁ、お前が面倒見るってんなら飼ってもいいぜ」とマルチに根負けした浩之がマルチに話す。
それを聞いたマルチは笑顔で浩之を見て犬を抱きかかえ「ありがとうございますぅマスター、犬さんよかったですねぇ」と犬とともにはしゃいでいた。
浩之はその光景を見て、困ったようなでも満更でもない顔でつぶやいた。
「やれやれ、訳のわからん家族ができちまったな」その後びしょぬれになったままの浩之は、大きなくしゃみをした。

                後編へ続く

どうもほえ〜るです。どうしても短くまとめられず困っています。
さて読み返してみるとこの中編は、「カウボーイビバップ」とかなり内容が違います。
ついでにリーフキャラクターも原作とかなり違います。ファンの皆様許して下さいね。
最後にどんな形でも良いので感想をくださいあつかましいかもしれませんが
自分のSSが他の人にはどのように写っているのか知りたいので..
どうぞ今後ともよろしくお願いします。