ちぇりー・ぶろっさむ 第六話 投稿者:ヒトシ


放課後、葵と琴音は神社でクラブの用意をしていた。用意と行っても縁の下から、道具
を出すだけのことだが。
「んっ、んっ、んんっ。」
琴音はサンドバックを引っぱり出そうと息んでいた。
「あ、姫川さん、それは私が・・・」
「いえっ、私が・・・」
そう言うと琴音は葵の申し出を断り、自分一人でどうにかしようとがんばっていた。ズ
ルッ、ズルッとと音を立てながら少しずつサンドバックが顔を出してきた。
「ふんっ、んんっ、んんっ・・・」
琴音が息むたび少しずつサンドバックが顔を出す。
「あのぅ、姫川さん、やっぱり私が・・・」
葵がそう言ったとき、
「・・・きゃっ!!」
「姫川さん!!」
琴音は尻餅をついて転んでしまった。
「だっ、大丈夫ですか?」
葵はしゃがみ込むと琴音を抱き上げた。
「ええ、大丈夫です・・・」
琴音はニコッと笑った。サンドバックの方はと言うと縁の下から、完全に顔を出し琴音
の足下転がっていた。
「いったい、どうしたんですか?」
「わかりません・・・、ただ・・・」
「ただ?何ですか?」
「サンドバックが、急に軽くなったような・・・」
琴音は何だかわからないような、難しい顔をした。
「おーい、二人とも何してるんだ?」
そこへ浩之がやってきた。

 「サンドバックが急に軽くなった、ねぇ・・・」
浩之はそう言うと神社の境内に腰を下ろし考え込んだ。
「本当、なんです・・・」
琴音は伏し目がちに言った。
「いや、琴音ちゃんを疑ってる訳じゃないよ。うーん・・・」
葵は二人のそんなやりとりを見て、自分は何をしたものかと困った。
「まあ、とりあえず練習すっか。」
浩之はそう言うと立ち上がり葵の肩に手をおいた。
「はい!」
葵はやっと自分に話が振られてホッとした。
「・・・」
琴音はずっと何かを考えているようだった。

 一通りの練習が終わり、浩之と葵は一息つくことにした。
「・・・?」
その時、浩之は一つの異変に気づいた。いつもであれば琴音がタオルを渡しに来るはず
である。しかし今日はそれがないのだ。琴音の方を見るとうつむいてピクリとも動かな
い。何か考え込んでいるのだろうか?浩之がそんなことを考えている内に葵はさっさと
琴音の方へと歩いていってしまった。葵は琴音の横に置いてあるタオルをとるとうつむ
いている琴音の顔をのぞき込んだ。
「?」
葵は不思議そうな顔をすると浩之の所へ戻ってきた。
「・・・、どうしたんだ、葵ちゃん・・・」
「姫川さん、寝ちゃってるみたいです。」
葵は浩之の問いに答えた。
「はぁ?」
「とっても、かわいい顔して寝てましたよ。きっと疲れてるんですね。」
葵は微笑むとそう言った。
(眠ってる?・・・サンドバックのことと言い、まさか?)
浩之の頭で一つの考えがまとまりつつあった。


☆反省会☆
 ぬううん、ヒトシです。風邪を引きました。今年二回目。
 いやぁ、しかし、先読みが可能な展開ですね。つまらないなぁ。
 話がだんだん収拾不可能な方向へと進んでいます。自分でわかります。
 かなりヤバイです。ホントどうしよう。
 ToHeart本編を侮辱しないようにだけはしたいのですが・・・。
 え?もうしてるって?それを言うなよ、ブラザー。頼むぜ。