エルクゥの科学は宇宙一ぃぃぃぃぃぃぃぃ 投稿者:パルティア


「くそーーーーーーーなんでそんなに強いんだ!」
そう叫んだ梓は、パッドを投げ捨てた。
「絶対に、いかさましてるだろ耕一!」
それでも梓はパッドを拾うと、再びテレビに目を向ける。

そこに映ってるのは球場と選手。そう、俺と梓は某野球ゲームで戦っていた。
スコアは1回裏で20対0・・・・・・むろん俺の圧勝だ。いつもは五分五分ぐらいの
結果に終わるのが、今日は俺の圧勝。梓が不思議に思うのも無理はない。

「・・・・・・・また打たれた・・・・・・・・・・・」
テレビにはホームランを打って、喜び走る選手が映り出されている。

「いいかげんにしろ!どんな汚い手を使ってるんだ耕一!」
また、梓は激情する。見てて飽きないなこいつも・・・・・・・

「おい、何の証拠が在ってそんな事言ってるんだ。お前が下手なだけだろ」
「なんだと!!!耕一もう一回言ってみな!」
「何度でも言ってやるよ。お前が下手なだけだろ」
「このやろーーーーーー」
そう言いながら梓は右で・・・・・・・

「え?」
次の瞬間、梓の右ストレートは、俺の右手で完璧に防がれていた。

「それなら!」
今度は左足で・・・・・・・・・

「あれ?」
梓の蹴りが入る瞬間、俺は後ろに軽く飛び、完全に回避していた。

「どういう事?あたしの攻撃を・・・・・・・・・・・・・・・・??????」

「ふっふっふっ、そんな攻撃が俺に当たるとでも思ったのか!」
「な・・・・・・・・・・・」
さしもの梓も呆然としている。

わずかな間の後、俺から口を開いた。
「知りたいか?なんで分かったか」
「聞きたい!聞きたい!どういう事?」
ふふふかなり動揺してるな。

「いいだろう、教えてやる!」
「態度でか過ぎないか?耕一・・・・・・・・」
「黙って聞く!」
「はい・・・・・・」
だいぶ聞き分けが良くなった。

「これに気が付いたのは今日の朝だ。俺はなんと!他人が考えてる事が分かるように
なったのだ!」
「!!!!!!!!!!」
梓は目を丸くしている。

「具体的には?全部分かるの?じゃああたしの考えてる事も全部?」
「いや、おそらくエルクゥの血を継ぐものだけだろう。エルクゥは思考を信号化して
送る事が出来る。その力が発展したんだろう。」
「どうなの?全部分かるの?」
・・・・・・聞いてるのかコイツ・・・・・・・・・
「いや、全部じゃない。全てYESかNOかという事だけだ。だが、それだけ分かれば
大抵の事は分かる。」
ん?梓は何か考えている様だ。

「どうした?そんなに考え込んで?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つまり」
「何?」
「全部いかさまか!!!!!!!!!!!!!」
「いかさまはばれなきゃいかさまでは無い!」

そう俺が叫んだ時、梓の足元の床が音を立てて沈んだ!

俺は梓の心を読む!
鬼の力か?YESYESYESYESYES
俺を攻撃する気か?YESYESYESYES
何!やばい!いくら俺でも鬼の力相手では!
梓は右手を上げる!

俺を右手で殴る気か?NONONONO
何?では左手か?NONONONO
蹴りか?NONONONO

・・・・・・・両手か?NONONONO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・両手でオラオラですか?
YESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYESYES

次の瞬間・・・・・世界は色を失っていった・・・・・・・・・・・・・・・・・

柏木家の食卓外伝  アズサの奇妙な冒険      完