るろうに耕一−リーフ剣客浪漫譚−第九十五幕「命を捨てても・・・」Bパート 投稿者:パルティア


そんな・・・・・・・・俺では・・・・九頭鬼閃は使いこなせない・・・・・・・

「もし、私の九頭鬼閃を破る技があるとすれば、その技はただ一つ・・・・・・・
それこそが鬼天御剣流奥義・・・・・・・天翔鬼閃(あまかけるおにのひらめき)」
「な!・・・・・・・」
「何を今更驚かれてるんですか?私は一言も九頭鬼閃が奥義なんて、言ってませんよ」

・・・・・・・・・・はかられた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「九頭鬼閃はもともと実戦や修行の中で生まれた技ではなく、奥義伝授の過程で
生まれた、いわば試練としての技。奥義伝授は代々、まず九頭鬼閃の伝授から始まり
ます。そして、師の放つ九頭鬼閃を破る事が出来れば、奥義の伝授は完了します」
そんな事言われても、困る。
「そうは言っても千鶴さん・・・・・・・・・」
「耕一さん。伝授した九頭鬼閃の性質をよく考えて下さい。そうすれば天翔鬼閃の
輪郭は自ずと見えてくるはずです」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!
そうか・・・・・・・・分かった!         九頭鬼閃は防御も回避も不可能の技。
破るのは抜刀術で技の発生よりも速く斬り込む他は無い・・・・・・!!

「正解です、耕一さん。神速を越える鬼速の抜刀術、それが奥義天翔鬼閃の正体です」
「ですが・・・・・・・・ですが、問題は抜刀術に不利なその逆刃刀で、果たして
神速を越える事が出来るかです・・・・・・」

だが俺はやらなければいけない・・・・・命を捨てても・・・・・・・・・・・・・

「・・・納刀したままでの無形の位・・・・・背水の陣のおつもりですか?・・・・
無謀です・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・しかし、それでも命を捨ててでも俺はここで奥義を会得しなくては
いけないんです!」
「俺を殺してよ・・・・・・・・・千鶴さん・・・・・俺は死んででも!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
耕一さん、何もお分かりではないようですね。」
「え?千鶴さん?」
「一晩、時間をあげます。朝までに心の中をさぐって、自分に欠けているものを
見つけ出してください。・・・・・・・・それが出来なければ奥義の会得はおろか
あなたは本当にここで命を捨てる事になります・・・・・・・・」
「ち・・・・・・・千鶴さん・・・・・・・・・・・」
だが、声をかけるより先に千鶴さんはその場を去っていった・・・・・。

・・・・・・・夜・・・・・・・・・・

・・・自分が人より優れてるなんて思った事はない。俺はただの大学生だ・・・・
俺に欠けているもの・・・・・・・・・・・・・・


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれから10年・・・・・・・・・・・・・
奥義の伝授が成ってもと成らなくても、明日が今生の別れ・・・・・・・・・・・・
今晩は私、泣きながら寝ます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


次回九十六幕「生と死の間で・・・」はたして奥義伝授は?今生の別れとは?体重は?

漫画を文にするって思ったより難しい・・・・・感想など頂けたら幸いです。