柏木家の暴走 SUPERX『正義の味方ってどこから資金出てるんだ?』 投稿者: へーのき=つかさ

 このSSは大変危険です。
 お読みの際は、精神科医の指導の下、斜めにお読み下さい。
 このSSを読んで精神的、肉体的異常を起こした際は、直ちに使用をやめ、速やかに最寄りの精神科医で診察を受けてください。

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                今までのハイライト

楓「…あなたが悪いのよ。気付いていながら踏みにじったあなたが」

足立「耕一君、君には全て分かっているはずだ…そうだろう?」

初音「いいよ、私は大丈夫だから…お願い、私に気を使わないで…」

耕一「犠牲の上に成り立つ平穏に何の意味があるって言うんだよ!」

かおり「梓先輩には幸せになって欲しかった…本当よ、本当にそれだけだったのよ!」

鶴来屋社員「何かが変なんだ、ここは」

響子「雨月山…そこに鬼はいる!」

千鶴「私はあなたを殺さなければならない…みんなの為に、私達の為に!」

梓「あたし達はもう戻れないの…? 気軽に笑い合えた、あの頃に…」

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                   登場人物

◎柏木耕一
 初音を愛する神聖ロリコン男にして鶴来屋現会長。鬼の伝説を護るべく戦う。
◎柏木千鶴
 名誉会長という立場を利用し未だに鶴来屋に出入りしている、2○才偽善不器用貧乳。
◎柏木梓
 鶴来屋にシェフ見習いとして就職。唯一まともな人生を送っていたはずなのだが…
◎柏木楓
 耕一を狙う鬼畜毒舌猫娘。現在は仕方なく初音、千鶴と手を組んでいる。
◎柏木初音
 耕一の専属秘書。ラブラブエッチ(爆)な愛欲に爛れた日々を過ごす(死)
◎足立
 鶴来屋社長にして伝説の暗殺拳、長瀬神拳の伝承者。熊殺しの称号も持つ。
◎相田響子
 雑誌の記事を書くために鬼の伝説を調べている。耕一達の最大の敵。
◎ダリエリ
 生き埋めにされてちょっぴりおセンチなエルクゥ達の王。
◎北沢
 さおりん属するバレー部の顧問。「実は彼が今回の戦いの影の首領」という噂は全くの志保ちゃん情報。

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 耕一達は響子を追跡していた。
 響子は自分が付けられている事に気付いていないようで、全く後ろを振り返らずにすたすたと歩いている。
「耕一さん…」
 千鶴が小声で耕一に話しかける。
「分かってる」
 耕一は唇を噛んだ。
 響子の足は、どういうわけかあのヨークの洞穴にまっすぐ向かっているのだ。
「どうして少しも迷わずに行けるんだ?」
「…千鶴姉さんが、自分が通りやすいように草刈って木引っこ抜いて道を作ったからだと思う」
 楓が耕一の疑問に答えた。
「何故あんなに堂々と歩いて行けるんだ? 先に何があるのか分からないのに…不安じゃないのか?」
「…千鶴姉さんが、自分が迷わないように立て札をいくつも立てたからだと思う」
 再び楓が答えた。
「お、おい…俺達が塞いだ穴を掘ってるぞ! 始めからそこに洞窟があるのを知っていたというのか!?」
「…千鶴姉さんが、自分が場所を忘れないようにでっかい電光掲示板を洞穴の上に掛けたからだと思う」
 またまた楓が答えた。
「楓ちゃんは物知りなんだなあ」
「はい、一部始終見てましたから」
 耕一は楓を誉めた。
 ぽっと頬を染める楓。
 そして、その横では首輪を付けられ引きずられてきた梓が、何故か頭を抱えてしゃがみ込んでいた。
「とにかくだ、俺達はすぐに響子さんを止めなければならない」
 うんうんと頷く一同。
「しかし俺達の面はすでに割れている。だから………変身だ!」
「「「おお──────────────────────────っっっ!!!」」」
「はあ?」
 元気良く握りこぶしを挙げる千鶴、楓、初音。
 どういうわけか梓だけは頭にハテナマークを浮かべているが。
「変身っ!」
 耕一がくるくると宙返りをしながら草むらを飛び出す。
 それに続いて姉妹達も飛び出す。

 カッ!

「な、何なのいったい!?」
 突如視界が光に包まれ、響子は後ろを振り返った。
「カシワギ、レッド!」
「カシワギ、ブラック!」
「カシワギ、ブルー!」
「カシワギ、ピンク!」
 ぴっちりしたボディースーツに身を包んだ4人の人間がキメポーズを取った。
「隆山の平和は俺達が護る!」
「「隆山戦隊カシワギレンジャー!!!」」
 ぱぁぁぁぁ…
 4人の後ろにライジングサンが輝いた。
「あなた達…理由は分からないけど4人がかりで私を襲うつもりなの…?」
 響子はざっと後ろに引いた。
「え? 4人…?」
 レッドが後ろを向くと、そこには確かにブラックとブルーとピンクしかいない。
「イエローはどこ行った?」
「あそこに…」
 ブルーの指し示す先には、変身もせず四つん這いになって逃げようとしているイエローがいた。
「どこに行くのかしら? イエローちゃん」
「ひぃぃ」
 ブラックはイエローの首根っこを引っ掴んだ。
 ヘルメットのため見えないが、恐らくその顔には満面の偽善者スマイルが浮かべられている事だろう。
「イエローって言うな!」
 なぜか名前の事で怒るイエロー。
「何を言ってるんだイエロー、お前はどこからどう見てもイエローじゃないか」
「あたしの名前は柏木梓! 高校卒業後鶴来屋にシェフ見習いとして就職したごく普通の社会人だ!」
 イエローは本気で怒っている。
「まあ、そんな事はどうでもいい」
「どうでもよくない!」
 レッドの言葉はイエローをさらに怒らせてしまったようだ。
「とりあえず変身しろ。そのままじゃ戦えない」
「やだ!」
「我が侭言うんじゃありません! もう大人なんだから」
「…出る杭は背後から撃たれても文句を言えないのよ? 姉さん」
「イエローお姉ちゃん…私達が嫌いになっちゃったの?」
 4人は言う事を聞かないイエローを取り囲んだ。
「強制変身!」
「「「それぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
 あっ、ちょっとそこは…あんっ☆ 初音やめ…あぅぅぅ、楓ぇぇぇぇ…」


「待たせたな」
「待ったわ」
 響子はカシワギレンジャーを前にしても少しも物怖じしていない。
「俺達はあんたを倒さなければならない…でも俺達も外道じゃない。好きな選択肢を選ばせてやろう」
「期待はしないけど一応聞いておくわ」
「選択肢は全部で三つだ。ひとつ、抵抗して俺達に殺される。ふたつ、何もせずに俺達に殺される。みっつ、服従して俺達に殺される」
「結局殺すんかいっ!」
 イエローがキレた、これにはちょっとびっくりかも。
「何を言っているイエロー。俺達は誇り高き『狩猟戦隊エルクゥガー』じゃないか」
「名前変わってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
「そんな事いちいち気にするな。所詮名前なぞ人が勝手に付けたかりそめの物…大切なのは、その本質だ」
「言ってる事はとても正しいけど使い方が激烈に違うんだよ!」

                    ☆★☆

「あなた達が何を企んでいるのかは知らないけど…とにかく私は記事を書かないといけないのよ」
「俺達に勝てるとでも思っているのか?」
「思うわ………出でよ!」

 ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 突如、上空に巨大な影が現れた。
「上からくるぞ気おつけろぉぅ」
「なんだこのかいだんはぁ?」
「とにかくおりてみようぜ」
「せっかくだから俺は、この赤い扉を選ぶぜっ」
 エルクゥガーの面々は少し動揺したようだったが、流石は歴戦の勇者達、すぐに自分を取り戻した。

 ズゥゥゥゥン………

 なんとそれは、全長15メートルはあろうかという鋼鉄製のロボットだった。
「こいつは一体…」
「これこそ日本マスコミ界が総力を挙げて開発した究極強制最終報道人型兵器…マスコミ28号!」
 響子は誇らしげにバッグからラジコンのプロポのような物を取り出した。
「もしかして…それはコントローラーか?」
「そうよ」
「そんなちゃちな物でこのロボットを操縦するつもり?」
 ブラックが鼻で笑った。
 しかし響子は動じない。
「レバー2本でロボットを操縦できる事はバーチャ○ンで証明されているのよ」
「おのれセ○ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 今度はブラックがキレた、これにもちょっとびっくりかも。


                                   続く…
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次回予告!
 マスコミ28号の前になすすべも無く倒れるエルクゥガー達。
 しかし彼らの仲間を思う気持ちが奇跡を呼んだ。
 次回、狩猟戦隊エルクゥガー『ああ、カシワギよ永遠なれ』
 俺達の故郷は俺達が護る!