この話は、にわか書店WWW支店というホームページに置かせてもらっている 『これがオレらの生きる道』という作品の続編にあたりますが、前作を知らなくても 全然オッケーです。無理して読みに行く必要ありません(笑) 前作を読んだ事のない人のための 登場人物紹介 藤田浩之 あかりと婚約していながらマルチを買ってしまったうえ、転がり込んできたセリオと もラブラブになってしまった超優柔不断男。 現在三人と甘い新婚生活を送っている。 藤田あかり はれて浩之と結ばれた、浩之の幼馴染み。 ちゃん付けで呼ぶのは直らなかったようだ。 そして今回、ついに出産するらしい。 藤田マルチ 法的には浩之に仕えるメイドロボだが、実質は浩之の妻その2。 今でもミートせんべいなどを作ってしまう。 藤田セリオ 浩之の妻その3 ひそかに浩之に恋心を抱いており、嫁いでいったマルチがうらやましくなって、文字 どおり力ずくで来栖川電工から転がり込んできたという過激なメイドロボ。 中途半端に心を持っており、しっかりしてるのかボケてるのかよくわからない。 MISSION 1 名前を付けよ うろうろうろ・・・ オレとマルチは廊下をせわしなく行ったり来たりしている 「まだかぁ〜〜〜」 「あうあうあう・・・」 うろうろうろ・・・ 「だいじょうぶなのかぁ〜〜〜」 「あううううっ」 「──少し落ち着いてください。浩之さん、マルチさん」 落ち着きのないオレらとは違い、セリオは行儀よくベンチに腰掛けている。 「──わたし達がいくら気を揉んだところで状況が変わるわけではありません。ここは 病院です。静かに待ちましょう」 「セリオ・・・」 「セリオさん・・・」 オレとマルチは、急に立ち止まるとセリオの顔をじっと見詰めた。 「──?」 「その・・・貧乏揺すりやめた方がいいと思うぜ」 「──えっ!? え、え・・・」 セリオは自分の足を見る。 そして、貧乏揺すりを確認すると黙り込んでしまった。 「─────」 「ははは、セリオも心配なんだな」 「わたし達といっしょですぅ」 「─────」(真っ赤) さっきまでの緊迫した雰囲気も薄れ、和気あいあいとした空気が三人を包んだときだ った。 「おぎゃあ」 「──!?」 「今のは・・・」 「やった、産まれたのか!」 「よかったですー」 「でかしたぞあかり! よくやった!!」 「──おめでとうございます」 手を取り合って喜ぶオレ達三人。 しかし・・・ 「「おぎゃあ」」 「はれ?」 「いま・・・ふたりぶんの泣き声が・・・」 「「「おぎゃあ」」」 「・・・・・・・・・」 「──三人の赤ちゃんの声が聞こえますね」 「おめでとうございます! かわいい三つ子の女の子ですよ」 ここは藤田家、つまりオレ達の家、あかりと三人の娘はすでに退院している。 しかし・・・ 「名前が浮かばん・・・」 三人の娘には、まだ名前が無かった。 んでもって、オレは一日中名前を考えては溜息をついていたりする。 「浩之ちゃん・・・そんなに考えてたら知恵熱がでるよ」 「あかり・・・・・・それが『あかりギャグ』か?」 「うん」 ぺちっ 「あっ」 「なんかいいのねえかなぁ〜〜〜」 食事中(とは言っても、マルチとセリオは食べないが)も、その事で頭がいっぱいだ った。 「でも、三つ子でよかったよね」 ふいにあかりが言った。 「なんでだ?」 「だって、わたしとマルチちゃんとセリオちゃんで三人、赤ちゃんも三人、ちょうどい いじゃない」 ぴーん 「そうだ! 三人の名前をもじってつければいいんだ」 「え?」 「わたしたちの名前をですか?」 「そう! そうだなぁ、まずはあかりをもじって・・・・・・・・・『ひかり』ってのはどう だ?」 「あっ、いいね」 「じゃあ、セリオをもじって・・・・・・・・・『せりか』はまずいよなぁ・・・・・・よし、『芹 菜』だ!」 「──いい名前だと思います」 「んで、マルチをもじって・・・・・・・・・う〜ん・・・・・・・・・ん〜・・・・・・浮かばねーなぁ・・・・・ ・・・・・・・・・・よし、『真瑠』だ!」 「はい〜、すてきな名前ですぅ」 「──なにか投げやりのような・・・」 「それ以上言うなよ、セリオ」 「─────」 「よかったね、みんな名前がついて」 あかりは、ひかりを抱いて頭を優しく撫でている。 「うふふ、まるちゃん。マルチままですよぉ〜」 マルチは、ソファーに寝かせた真瑠に話しかけている。 「─────」 セリオは、芹菜を抱いて幸せそうにぼーっとしている。 そんなほのぼのとした光景を眺めていて、なんか三人がそれぞれ子供産んだみたいだ な、と思った。 ほんとうに幸せそうな顔しやがって・・・ 幸せに超した事はないけど。 ま、ちょっとクサイけど・・・この子達といつまでも幸せに暮らせますように・・・ 藤田家の夜は平和に更けてゆく・・・・・・役所への届け出を忘れて・・・ MISSION 2 ミルクを与えよ 「えっと、赤ちゃん達のミルクの時間は分かった?」 「ああ、オレ達にどーんと任せておけ」 ちゅっ 「えへへ、じゃあ行ってくるね」 「おう、気を付けて行って来いよ」 「あかりさんも大変ですねー」 マルチがエプロンで手を拭きながら話しかけてきた。 「ああ、お料理教室が大盛況で義母さんだけじゃ手が足りないんだってよ・・・・・・・・・ ん?」 視線を感じふと廊下に目を向けると、指をくわえて物欲しそうな目でこっちを見てい るセリオがいた。 ・・・こいつ欲求不満なのか? そういえばここんとこ、ご無沙汰だし・・・ 「どうしたんですか? 浩之さん」 「い、いや、なんでもない」 「?」 ピピピピピピ・・・ 時計が鳴った、ミルクの時間だ。 「おーいマルチ、ミルク作ってくれ」 「はいですぅー」 ぱたぱたぱた・・・ ややあって 「できましたぁー」 マルチが三本の哺乳瓶を持って来た。 「いまあげますからねー」 「──待ってください。先にミルクの温度を計らなければいけません」 セリオはおもむろに哺乳瓶を一本とると、手首に2、3滴ミルクを垂らした。 ジュッ・・・ 「──!$#”+& ̄=@*」 ごろごろごろ・・・ セリオは手首を押さえてのた打ち回っている。 「・・・マルチ、ちょっとその哺乳瓶見せてみろ」 「はい・・・」 哺乳瓶を見てオレは絶句した。 ミルクは煮えていた・・・ 「おいっ! こんな煮えたぎったミルクが飲めるかっ!!」 「あううっ、だってあかりさんがミルクを作る時は必ず煮沸するようにって・・・」 「それは瓶の方だっ! ミルクを煮沸するやつがあるかぁっ!!」 「ううっ、ずびばぜぇ〜〜〜ん」 結局オレがミルクの用意をした。 ひかり達がミルクを飲んでいるあいだ、セリオは部屋の隅で小さくなりながら、おび えた目で哺乳瓶を見つめていた。 トラウマにならなきゃいいけど・・・ それから一ヶ月間、セリオは決して哺乳瓶に近づこうとはしなかった。 続く・・・ ─────────────────────────────────────── 言われる前に言っておきますが、へーのきはまだかろうじて10代です。 当然結婚もしてなければ子供もいません。(いたらマズイって) ただ、歳の離れた弟がいまして、その子育ての手伝いをした経験があります。 それ以来子供好きになってしまいました。(レッドブラッツとは違いますよ) 感想&レス セリスさん >でも、スタールって何ですか? 正式名称は『日本経済未常識復興秘密結社スタール』といい、田舎の過疎化を進め・・・ (以下重要機密により削除) アルルさん 『まるちにっき 2 ふたりの、ひまわり・・・!』 こういうほのぼのしたのは大好きです。 これからもおおいにほのぼのしてください(笑) 『ありえったーず vol.3』 こういう暴走したのも大好きです。 これからもおおいに暴走してください(おいおい) dyeさん 『天使○○』 この後どうなってしまうのか、へーのきの貧弱な頭ではさっぱり分かりません。 毎回楽しみにしてますんで頑張ってください。 ゆきさん 『メタオの逆襲』 メタオってメタルタケダテルオの事だったんですか・・・ ARMさん 『東鳩王マルマイマー第9話』 あうあうあう・・・祐介と瑠璃子さんと月島さんはどうなってるんだぁ(頭がパニック状態) トリプティコンさん 『来栖川製HMX−12改』 痛い話ですね。 特に、マルチが銃撃されながら浩之に駆け寄ってきて息絶えるところ。 あのシーンは浩之が可哀相で可哀相で・・・ で、ラストのシーン、DVDを入れなかったのは分かるような気がします。 ほんと、この話の浩之には幸せになって欲しいです。 風見 ひなたさん 『The Sorrowful Mission』 へーのきは瑠璃子さんファンですが、なんか納得してしまいました。 瑠璃子さんの暴走も、祐介の死んでたまるかという気持ちも。 NoGodさん >しかしブラックの正体は何者? ではヒントです 1.ブルーだけひとつ年下で、あとの四人は同い歳です。 2.ブラックはピンクに気があるようです。(でもピンクはレッドが好き) 分かりましたか? 『新生徒会デンパデルヨン』 さ、さおりんが・・・うぷぷぷ・・・・・・笑っちゃいけないか、失礼しました。 でも・・・くくくくくく・・・ 無口の人さん >ツキシーマってキータクラーみたいですね。 はっはっは、さっぱりわかりませんです。 実は戦隊物や特撮物って全然見てないんです。(ならなんで戦隊物を書く!) Runeさん Lメモの登録メール送りました。 こき使ってやってください。