「命令」から「蛇足」まで・・・まとめと結論 投稿者:ハイドラント
(最初に)
  以下の文中において、ゆきさんの考えについても、私が独断でまとめています。
「全然違うぞ、オイ」という場合、お手数ですが訂正の書き込みをお願いします。
「ワシの考えはこうじゃあ!」と(笑)。


       「命令」から「蛇足」まで・・・まとめと結論

   
  ゆきさん、「蛇足」読ませて頂きました。
  SSとして見た場合、少々理屈っぽさが過ぎるかな? とも思いました(失礼)。
  ただ、内容の方は、私をまたも悩ませてくれました。
  特にこの言葉。
「人間とかロボットとか意識した瞬間、お前は彼女を無視している事になる・・」
  これはつまり、「マルチをマルチとして愛せばいいんだ」ということですよね?

  まず、私の考えを整理します。
  原作における浩之は、マルチを人間の女の子、即ち人間の心を持つ存在として扱っ
ているように私には思えました。その浩之が、「心もロボットなのでは?」という
疑いをマルチに抱く。それが「命令」のストーリーでした。
  そして浩之は、マルチの心が人間なのかロボットなのか、開発者の長瀬から聞き
出そうとする。だが彼との会話の中で、浩之は例えマルチがロボットであっても、
自分の彼女を愛する気持ちそのものは変わらないということに気付く。それが「意
味無き答」のストーリー。
  つまり、私の浩之の気持ちについての結論は、「人間であってもロボットであっ
てもマルチを愛する」だったのですが、同時に「人間としてのマルチを愛すること
と、ロボットとしてのマルチを愛することとは異なる」という結論も出していまし
た。
  それは、はっきり言ってしまえば、「マルチが人間ならSEXする。ロボットな
らしない」ということです。
  なぜか?
  理想的な性交とはどういうものかを考えると、「お互いが自分の意志で相手を受
け入れる事」になるでしょう。
  マルチが人間の心を持っているのであれば、浩之を受け入れる事は、マルチが自
分の意志で決めた事となります。実は少し無理をしていたとしても、それは「自分
のことより浩之の望みを優先したい」というマルチの意志が働いた結果。
  ですが、マルチがロボット・・・つまり主人に絶対服従する存在であった場合、
マルチの意志は問題とはされず、浩之の意志のみで決まってしまう。
  マルチはいつでも笑って浩之を受け入れる。それがマルチの意志か、絶対服従の
プログラムの為か・・・浩之には分からない。
「蛇足」の中に、
「掃除をしたり人の言うことを聴いたりするのは、その人の喜ぶ姿を見たいからだっ
ていってた」
  という浩之のセリフがありますが、それとても絶対服従プログラムの顕れかもし
れないのです。(屑だな、俺。)
  だから、私の描く浩之は「マルチがロボットであるなら抱かない」という結論を
出したのでした。
  次に、ゆきさんの考えを整理します。
  浩之は最初から、マルチをマルチとして愛していた・・・人間ともロボットとも
つかないマルチを、「そういうもの」として把握し、愛していた。ちなみにこの場
合、私の考えは全くの的外れだったという事になります。
「蛇足」で浩之が何を悩んでいたか、簡単に言うと、「人間である自分が、人間で
はないマルチを愛する事は正しいのか?」ということになるでしょう。
  その答は、「間違っているかもしれない、だがそれなら俺は自分を虫ケラに貶め
てでもマルチを愛する」でした。無論その中には、SEXも含まれる・・・。

  こうしてみると、私とゆきさんの考えは、根本が違っているようです。
  浩之は、マルチを人間の女の子と同じに見ていたのか。
  それとも、「人間のようなロボットのような、マルチという存在」として見てい
たのか。
  どちらが正しいのか・・・・。
  取りあえず、結論を出しましょう。

「真実は、人の心の中にある」
  結局、人それぞれの見方があるってことでしょうね。


  ・・・結論になってねーよ、ハイドラント。