やあ、みんな、ど〜も矢島ッス。
　今日はみんなに告白しなきゃならないことがあるんだ｡
　それは……俺の下の名前だ。
　なんだか俺には下の名前が無いみたいに言われ、その所為かいわれ無き虐めを多々受けてきたけど、
それも今日で最後だ｡
　えっ、何で今まで言わなかったのかだって｡
　まあまあ、下の名前を聞けば解るぜ。
　では発表するぜ、俺の名前は……

　矢島…キンタロウだ！

　くぅ、やっと言えたぜ｡
　そう、思いっきり『本宮ライク』の名前で、ちょっとやばいかなって思ってたんだ。
　それにいまどきカッコ悪りーかなってさ。
　だけど最近ダチに…藤田に言われたんだ｡
　カッコいいじゃねえか、堂々と名乗ればいいだろう、それにお前はお前だってさ。
　いい奴だぜ、藤田って男はよう｡
　…それに、ぷぷ、あかりはクマ好きだけどクマって言えばキンタロウだろって…
　くぅ〜〜〜、参った、参ったぜ〜〜!!
　やっぱいい奴だよ、藤田く〜ん、神岸さんは俺が必ず幸せにするからなあ、後は任せてくれ。

　おっと、そろそろバスケの試合の時間だ。
　藤田が神岸さんを連れて応援にきてくれるはずだ｡
　俺のカッコいいとこを見せて試合後そのまま告白タ〜イム｡
　よし、今度こそいけるぜ｡
　これからは『バスケットマンキンタロウ』で応援よろしく!!

　おっ、いたいた、藤田と神岸さん。
　んっ、藤田の奴神岸さんに耳打を…。
　さては俺のことを色々と…サンキューマイブラザー藤田、でももっと離れろ!!
　試合開始｡
　さあ、神岸さん、俺の勇姿を余す所なく見てくれよ〜！

「お〜〜い、『キタロウ』、がんばるんじゃぞ〜〜」

　はい、父さん。
　じゃなくて、藤田ぁ〜〜〜〜、貴様なぜ俺の『本当』の名前を〜〜〜〜!?

「がんばって〜〜、『ヤジキタ』く〜〜〜ん」

　ぐはっ！
　か、神岸さん、そ、それは、その渾名だけはやめてくれえぇ〜〜〜〜!!

　ドカッ！　ポンポンポン…



　矢島キタロウ、前半１２秒負傷退場。

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　どうも、第３接触です｡
　いやただ矢島君に名前をつけてあげようと思っただけなんですが…
　これも『矢島いじめ』でしょうか、そんなつもり無いのに。