To Heart WDASH7  投稿者:闘魂秋吉


人どうしの愚かな行為によって、地球はその役目を失いつつあった。
外宇宙に新たな希望を見出そうとした人類。
地球の最後を看取ろうと、近場の火星や月・木星に移民する人類。
母なる地球の大地を捨てきれない人類。
それらの人類は、果たしてその行動がエゴと言えるのだろうか?
人は、エゴを繰り返す事でしか、過ちを繰り返す事でしか成長できないのだろうか?
そうではない、そう信じたい。
地球が傷ついたのも、人類が新たな成長を遂げる為に必要な事だったと信じたいのだ。
そうでなければ、我が侭な人類の為に傷ついた地球は、その意味を失ってしまうではないか。
地球が傷ついた事は、果たして無意味だったのであろうか?
人類は皆、その答えが『NO』であると信じたい。
だが今の段階では、残念だが『YES』という答えにしか成り様が無いのが事実である。
そうではなく、
繰り返すがそれはあくまで人類が外宇宙という次の段階へと移行する為に必要な儀式であった、
と人は何としても思い込まなければならない。
だから、この腐れきった人類の中に一抹の希望を残す為、
この青年達の物語を今こそ伝えるべきでは無かろうか。
それが、傷つき最後の時を早めた、母なる地球に対しての答えとなるならば。


To Heart W(ダブル)DASH7


第一話 ある秋の風景


重苦しい序章は置いといて、TH7は今日も今日とて敵が攻めてくるのに呑気に航海中。
そろそろこの人工ドームの中にも秋の気配。
そんなある日の出来事であった。
「最近は涼しくなったなぁ〜」
と、この目つきの悪い…文章でしかお伝えでき為、
その目つきの悪さを確認出来ないのが残念ではあるが、それが、一応の主人公、藤田浩之(19)である。
「こんな時には秋らしい曲を1曲…」
そういうと彼は、何処からかギターを持ち出した。
そのまま、ギターを弾く。
「おまえが…風になるなぁ〜ら…果てしない…空になりたい…♪」
どうやら、コレが彼の『秋らしい』曲であるらしい。
「ひ〜ろ〜ゆ〜き〜ちゃん♪」
その声に、浩之は唄を止める。
「なんだ…あかりか。」
説明はいらんだろう。神岸あかり(19)である。
「何の様だ?下らない事なら後にしろよ」
持ち前の無愛想さを、余すところ無く発揮する浩之。
「う〜ん…じゃ後にする」
あっさりあかりは引き下がった。
「おい待て、そんな思わせぶりな…ああもう、いいから喋ってみろ!」
浩之はどうにも気になって、話させる事にした。
あかりの話誘導術にはまったともいえるが。
「あのね、浩之ちゃんの家が今練習所になってるでしょ?」
そうなのだ。
薄汚れているとはいえ、なかなかの広さを持っている浩之の家は練習所として丁度良く、
メンバーは練習の際、浩之の家に集まる格好となっている。
が、浩之の家は引越ししてから遠い。
当然だ。シティ内に無いのだから。
「私ね、免許持ってないでしょ?
だから浩之ちゃんのうち来るのにいつも綾香とかレミィの車に乗せてきてもらってるんだけど…」
「まあ、知ってるけどな」
シティ内だけでなく、外(つまり宇宙ね)に出て他の艦まで車で(当然機密性は完璧)移動する今の時代にとって、
車、もしくはバイクの免許は、持っていないほうが珍しい。
(ちなみにバイクは、宇宙服で乗る)
現にシティ内の18歳以上の人間では、およそ73%の人間が普通車免許を持っている。
持ってないのといえば、障害者や、年寄りくらいのものである。
それくらい車はシティ内に普及しており、
タクシー会社などは既に倒産の危機とも噂されている。
「だけどね、いつまでも綾香やレミィに頼りっぱなしじゃいけないと思うの…」
その言葉を聞いて、浩之はまたかと思った。
あかりは過去何度か免許取りにチャレンジした事がある。
が、その持ち前のトロさをパーフェクトに発揮したあかりは、過去3度受けて3度落ちた。
そして免許取りにチャレンジしようとする前には、いつもこのセリフをあかりは吐いていた。
なので、『またか』と、浩之は思ったわけだ。
「お前また受け「だからね?」浩之の言葉はあかりの次のセリフに遮られた。
「あ、浩之ちゃんなにか言いたい事あるんなら先に言っていいよ?」
完全にタイミングを失った浩之に、もう一度言えと言うのは酷である。
よって、
「いや…お前からでいい。」
という答えになる。
あかりはその返答に少し微笑み、続けた。
「…だからね、いつもいつも送り迎えされてたら、どっちも嫌になると思うんだ。だから、」
ほれみろ。やっぱり免許か。
浩之はそう確信した。
が、その予想は崩れ、その代わりに衝撃的な答えが返ってきた。
懸命な読者諸君ならすでにお察しの通り…
「浩之ちゃんの家にいっしょに住もうと思うんだ。ダメかな?」
「……はぁ。」
浩之は自分でも間抜けな返答だな、と思った。
それ程彼にとって、今の質問は意表を突きすぎていた。
「いいの?」
あかりは勝手な方向に受け取り出した。
ああ、ここに今綾香やレミィが居てくれたなら…
多分無駄だな。きっと。
浩之は別に嫌なわけではなかったが、二人とも年が年だ。
この人気の無い廃墟同然の街(?)に、夜ふたりきり…
ああ!もう!
浩之は自分の邪な考えを払いのけ、
「いいのか?」
と、逆にあかりに聞いた。
「うん、浩之ちゃんと一緒なら…」
愛のこもった答えだこと。
「そうか。じゃ、一緒に住むか。」
こうして浩之とあかりの同居生活が始まった。

ウィーッ ウィーッ ウィーッ

「スクランブル!各ヴァルキリー隊、直ちに発進準備!繰り返します!」
けたたましい警報が、敵の来襲を継げた。
しかしこの日の敵の攻撃は淡白であった。
それを察知した各ヴァルキリー隊は、妙だと思いながらも、敵の迎撃にあたる。
「何だか敵の攻撃が淡白過ぎる…まるで時間稼ぎだと言わんばかりだわ。」
アメジストフォース隊長、松原葵はそんな疑問を機体の中で呟いた。
(ちなみに、彼女の機体だけトレースシステム内蔵だ!だから変形できないぞ!)
「隊長…確かにこの敵の攻撃には疑問を感じますが、今の我々の使命は敵の迎撃、
及び掃討です」
そんな事も言いながら、セリオもこの淡白な攻撃には疑問を抱いているようだ。
マルチは…
「はわわ〜、あ、当たれぇ〜、です」
ガガガガガ!!!
ドドォォ…ン。
今は敵との戦闘で手一杯らしい。
そのころバトナナ艦のブリッジでは、艦長のセバスチャンこと長瀬が脂汗を流し考えていた。
(間違いなくあの敵は時間稼ぎかオトリだ…だがそうだとして、敵の真の目的はなんだ…?)
悩むセバス。その時ブリッジに入ってくる一つの影。
「どうだい戦況は?親父。」
その声の主は、HM系開発責任者兼軍医のDr.長瀬であった。
「なんだ…お前か。」
「息子に向かってお前は無いだろ?親父。」
「何の用だ?」
「だからさっきも言っただろ……ッッ!?」
どごぉぉぉぉぉぉぉん!!!
そのとき、ブリッジに衝撃が走った。
「ど、何処からの攻撃だ!?」
セバスチャンが鬼気迫る形相でオペレーターの内藤&長田に聞いた。
「いえ…攻撃ではありません!強制的にドッキングアウトしています!」
「な、なんだと…!?」
「…何だか大変な事になってきたみたいだね…」
誰に言うでもなく、長瀬が呟いた。

シティとバトナナ艦は、強制的にドッキングアウトした。
当然これは、シティ側からのものである。
しかしこの状況で大した防衛機能も持たないシティが自ら単独行動をとるだろうか?
否、それは無い。
ならば何故強制分離したか、その答えは…
「敵が潜入しているのか!!」
セバスチャンがそう叫んだときには、もう遅かった。
シティはフォールドの光を放ち、消えた。
それが長くにわたるシティの流浪の、始まりとなった。
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次回予告(Vガン○ム風)
敵の手によって、私達のシティは強制的にフォールドしてしまいました。
そしてフォールド施設奪回を狙う浩之ちゃんの前に、1機のマシーンが立ち塞がるのでした。
次回、トゥハートダブルダッシュ7 「流浪に真剣(超仮)」
読んでください!
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闘魂「我ながら安直なタイトルだと思う」
影「思うなら変えろ、人類の屑」
闘魂「どうせ俺は英語2だ!」
影「やーい、バーカ」
闘魂「く、くそぉぉぉぉぉぉ!!!」
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レレレのレース♪
NTTT様
>わかりにくかったか?ま、系統は一緒だが…
 え?あのオチで分かってくれてたんですか?
 何だ。じゃ変える必要無かったかな?
 まあ今更また元に戻すなんてしないけど(面倒臭いから)
夜蘭様
>(口だけ笑)
 ん?あんまし面白くなかった?
 大丈夫、俺もそう思う。というかそう。
 まあ暫くその連続物をやるので、こっちも宜しく。
 正し凄い速度で書きつづけると思う。注意すべし!
 影「てめえで抑えろやこの阿呆が」
 ……う〜ん…
イリュージョン様
 >ウチの母親はアテにならん…
 何処の家でも、そんなものさ。