う〜ん…… 眠く…無い!! 今日は何故だか目が冴えている。 さっぱり眠くないぞ? コレは俺にとって非情に珍しい事だ。 う〜ん、深夜番組を見ようという時に自らがこういう状態にある、 という事は非常に好ましい。 むしろベストだ。 コレで今日はべター○ンがお目目パッチリで鑑賞できる… こんなにも嬉しい事は無い! …ははは、なーんてなー。 こんなの知ってる奴が何人居るんだよ。 「ガンダマーの数を侮ってはいけません!!」 「どわっ!!」 なんだ…マルチか。 「ガンダマーはこの世に一億人はいるのですよ!?侮ってはいけません!ご主人様!!」 ホントにそんなに居るのか? それよりなんでマルチが俺が心の中にだけしまっておいたセリフを知ってるんだ? あの長瀬のおっちゃんに読心術でも習ってきたのか? まあ、そんな事はいいや。 万全には万全を期すべきだ。 マルチの存在は今の俺には心強い。 そう、今目が冴えているからと言って、いつまた眠くなるとも限らない! その為には、頭を壁にうちつけてでも起きる…もとい! 先手を取ってあらかじめ寝ておくのだ!! しかし!この作戦には問題点がある! 寝過ごす!! この作戦唯一、そして最大の弱点!! だがそれも!マルチの存在によって無駄な心配に終わるのだ!! よーーーーっしゃあ!! 「マルチ!!」 「は、はい!ご主人様!!何でしょう!!」 俺は迷わずこう言った!! 「一時になったら起こせ!!」 そう言うと俺は今の電気を消し、 階段を上がり、2階の寝室へ向かった。 「え?あの、ご主人様!私…」 マルチが何事か喋ったのは、浩之の耳には届かなかった。 チュン…チュン… チチチチチ…… ガバッ!! 「はっ!?」 俺はベッドから飛び起きた。 嫌でも目に刺さる眩しすぎる光。 爽やかな鳥のさえずり。 これを、世間一般では…そう、朝という…… 朝っ!? 何で朝!? 俺はマルチに一時に起こせと言った筈だ… しかし今は朝だ!! ということは… 「まぁるぅちぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 俺は鬼神の如き音を響かせながら階段を一段一段、確実に踏みしめながら降りる。 そして俺は今のドアを開け… 「マルチぃぃぃぃ!!!おしおき…ん?」 俺が目にしたものは、椅子に座るマルチ。ぴくりとも動かない。それと、一枚の紙。 興味を持った俺は紙を俺は覗いた。 その紙には、こう記されていた。 『藤田君へ。君の家は少々電気代を使いすぎるきらいがあるので、 誠に勝手ながらマルチを省エネ仕様に変えさせてもらったよ。 具体的には、超小型太陽電池を搭載し、光の射す限り充電無しでも無尽蔵に活動できるようにした。 但し、コレには問題点がある。それは利点の逆のパターン。 つまり、光が射していない場合、30秒程度でその全機能を停止してしまうのだ。 以上のことに気をつけて、今後もマルチの事を末永く愛してやってくれ。 by 長瀬』 これを読んだ俺は、目覚めたマルチにきつーくお仕置きした後、 単身、いやマルチを引きずり来栖川のHM研究所に乗り込み、所員&警備員と壮絶な、 例えて言うならリーンホースJrがモトラッド艦隊に特攻するような死闘を演じ… そのとき駄文書き闘魂秋吉(15)は神の声を聞いた。 「もうそのくらいにしておけ、この阿呆」 はい。