To Heart7 最終話 跳べ浩之!ダイナマイトヴァルキリ−発進!!  投稿者:闘魂秋吉


「なぜこんな事に…」
病院の白いベッドを見て、綾香が呟いた。
「一体誰がこんな事を…」
あかりの声は震えている。
「許せまセン!犯人は絶対ワタシが捕まえて見せマス!」
レミィも怒っている。
そして俺は……
「う〜、う〜っ!!」
(そこだ!そこの綾香がやったんだ〜っ!)
喉を狙われて、しばらく喋れない。

二人になった病室。
「…ごめんね浩之♪」
「…」
(綾香、虫が良すぎる…)
「お詫びに、ヴァルキリー、あなたの言う通りに改造してあげるわ…」
(マ、マジで!?前言撤回、許しちゃう!!)
「それでいいかしら…?」
(こくこく)
「許してくれるのね!?」
(こくこく)
「ありがと、浩之…」
(よせやい、照れるじゃねえか)
「じゃ、まず具体的に図にして」
(よーし、ここをこうして、これを…)
「ふんふん。」
(それでここをこうやってって…)
「成る程、分かったわ。じゃあ浩之、この通りに改造しとくから、2週間後をお楽しみに!」
(うーん、綾香って本当にいい奴だなぁ…)
もはや浩之の記憶の中には、全治2週間の重傷の原因が綾香であると言う事実は抹消されていた。

そして2週間後。

すっかり声の調子も良くなった俺は、完成したヴァルキリーを見に、綾香の家へ行った。
いくら勘当されて一人暮らしとは言え、さすがお嬢。
前の俺の家よりも広く、綺麗だ。
「さ〜て、お・れ・のヴァルキリーはどこかな〜っと」
俺はかなり上機嫌だった。
インターホンのボタンを押す。
『は〜い、あ、浩之?ヴァルキリーなら出来てるわ、中へどうぞ』
そういうと、門がぎぎっ、と言う音を立てて開いた。

「浩之、お茶よ」
「おう、サンキュ」
俺は応接室に通された。
う〜ん、ここも広いぜ。
ずずっ…
うむ、お茶が美味い。
「で、綾香。早速ヴァルキリーを見せてくれ」
「はいはい、せっかちねえ。こっちよ」
「おう」

俺は綾香のあとを着いて行った。
地下格納庫でもあるのかな?
そう考えながら歩いていると、綾香が止まった。
「おっとと…」
俺はぶつかりそうになったが、すんでの所で踏みとどまった。
「これよ!」
綾香が指差した先、そこには………
「お、おおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
俺の描いた図と寸分違わぬヴァルキリーが横たわっていた。庭に。
うう〜ん、庭にヴァルキリー1台分寝かすスペースがあるとは…
勘当されても、来栖川家侮りがたし!
感動だぜっ!
…スマン。

その頃あかりやレミィはと言うと、
「じゃーん。熊型ギター!!」
「OH!ベリーキュートね!」
「そう?やっぱり?」
幸せそうである。

おれはヴァルキリーに乗ってみた。
いいね。
この、何とも言えない…
これだよ、これ。
「どう浩之、乗り心地は?」
「サイコーだぜっ!!」
「よかった。」
「これなら、あの戦争屋に唄をたっぷり聞かせる事が出来るぜ!!」
そのとき。
ウウウウウウウウウウ、ウウウウウウウウウウウ……
街に警報が響き渡った。
「早速来たか!行くぜぇ!!」
「浩之!ギター型操縦桿の使い方は覚えたの!?」
「何言ってんだよ!俺が設計したんだぜ!!」
「ふふ…そうだったわね」
「よっしゃ、発進するぜ!下がってな!!」
「浩之!気をつけてね!」
「当たり前だ!!」
ぶぅおおおおおおおおおおおん……
出力は安定している…
行ける!!
「うおおおおおおおっ!!ダイナマイトヴァルキリィィィィ!!!
行くぜええええええええ!!」
ばしゅうううううううう……ん。

浩之が飛び立っていったのを見ていた綾香は、ふと家の電話が鳴っているのに気づいた。
「はいもしもし、来栖川…あ、姉さん?」
「……………」
「うん、こっちは上手くいってる。私の勘が正しければ、きっと浩之はやるわ。」
「……………」
「うん、お金の件は、ありがとね。じゃあね、姉さん」
かちゃ。
一人の部屋で、綾香は呟く。
「まさかここまで予定通りに行くとは…思わなかったわ」

20045年。
地球人類と異星人、ぜんとらーでぃの間に戦端が開いてから、30年以上の時が経った。
人は母なる地球を捨て、外宇宙にあらたな希望を見出すため旅立った。
彼らの前には、途中、幾多の困難が立ち塞がる事だろう。
だが、それでも、それだからこそ、

「俺の唄を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

藤田浩之は、唄い続ける!!

最終話 跳べ浩之!ダイナマイトヴァルキリー発進!!

                                   To Be Dynamite.

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闘魂「いぇ〜す、第1部完結ぅ〜♪」
影「っていったって、あまり書きなおしてもいないくせに…」
闘魂「うるさい!」
影「はいはい」
闘魂「次回は、まだ第2部ではないけど、トゥハート7プラス1をお楽しみに!!」