To Heart7 第6話 ふたりだけのドライブ  投稿者:闘魂秋吉


前回までのあらすじ
あかり「とうとうこんな所に飛ばされちゃったね、レミィ…」
レミィ「この作者、機会があったらhuntingしてやるネ!」
あかり「私止めないわ、レミィ…」
レミィ「えっと、前回までのあらすじは…」
あかり「あ!レミィ汚い!少しでもセリフ言っておこうと思って!!」
レミィ「ウルサイネ!邪魔しないで!」
あかり「そうはいかないわ!!」
        −強制切断−

第6話 ふたりだけのドライブ

夕暮れのなか、俺はシティの明かりを遠くで見ていた。
「浩之、もう十分休んだでしょ?そろそろここを出ましょうよ」
「ん〜、仕方ねぇな…」
俺は思い腰をゆっくりとあげて、綾香が待つドアのほうへとのろのろと歩き出した。
「もっと早く歩け!」
「はいはい」
さすがに綾香ももう1時間歩くのは多少は疲れる様なので、
20分ぐらい歩いたところの、シティの外れからタクシーを拾った。

途中渋滞で立ち往生してしまったが、何とかヴァルキリーを買えた。
この店は綾香のお薦めで、軍からの横流し品が大量にある。
その中には設計図を軍関係者からコピーしてもらったものまであると言う、
正真証明の闇ショップだ。
その中で俺の目にとまったのは、軍内部でもまだ少数しか生産されていない
超最新鋭ヴァルキリー(店主談)、VF−19。
正直かなり値は張ったが、前回の教訓もあるので、即決だった。
ヴァルキリーは、俺んちには住所が無いので、後日綾香の家に送ってもらう事にした。
帰り際、一台の中古車を買った。
あの場所からいちいち歩いてシティまで来るのは面倒だしな。
「浩之、家まで送ってよ」
「ああ、いいぜ。今日一日、お前には世話になったからな。」
「ふふ。そう言われれば浩之にとってこれは当然しなければならない事ね」
「……」

という訳で、俺は綾香の家の方に車を走らせた。
途中、ただひたすら沈黙が続いた。
このような状態が続くのは非常によろしくない。
ハイウェイに入った辺りで、俺は綾香にかねてからの質問をぶつける事にした。
「なぁ、綾香…」
「ん?何、浩之」
「お前、ウチのバンドに入った事を後悔してるんじゃないか…?」
「後悔?何で?」
綾香はとぼけてみせたが、こんな質問をされて少し動揺しているのは分かった。
「何でってお前、ウチのバンドに入った事で、家を…」
そうなのだ。綾香は昔から格闘技(宇宙エクストリーム)←何それ
をやっていた事で、
祖父や祖母に少なからず目を付けられていた。
そして今回、ウチのバンドに入ったことがきっかけで、遂に勘当同然で家を追い出されていたのだった。
「何?じゃあ浩之は私にこのバンドを辞めて欲しいって言うの?」
「そうじゃねえけどよ。一人暮らしは、大変だろ?」
「まあね。これまでは何だかんだ言って親に甘えてたのが、良く分かったわ」
「そうだろそうだろ」
そうそう。俺も一人になったとき、始めてそれがわかったんだよなぁ。
「まあとにかく、バンドを辞める気は無いわ。勿論、家に戻る気もね。」
俺は安心した。そして俺にここまで親切にしてくれる綾香は、なんて心が広いんだ、
とも思った。
一瞬の沈黙。
だが、それは永遠のように感じた。
「ねえ」
今度は綾香が口を開いた。
「窓、開けていい?」
「クーラーが効いてるだろ」
「そうじゃないのよ、自然の風…ってヤツ?それを浴びたいのよ」
自然…ってなあ。
すでにここもドームの中なんだが。
まあ、ここが俺達の住んでいる所。
自然と言ったって、あながち間違いでもないか。
そんな事を考えながら、俺は車の窓をいきなり全開にしてやった。
「うわっぷ…」
綾香が風に押された。
「ははは」
「もう、浩之ったら」
「悪い悪い。笑って悪かった」
ゆっくりとした時間が、俺と綾香を包んだ。
俺はただ、もう少しこの空気に浸っていたかった。
だが、それをぶち壊しにする質問を、綾香がしてきた。
「ねえ浩之」
「何だ?綾香」
「あなた、ウチのメンバーの中で、誰の事が好きなの?」
「……はぁ?」
「こっちも答えたのよ、答えなさいよ」
俺は一瞬考えるフリをして、言った。
言ってやった。
「さあな!」


全治2週間。

                               To Be Continued…

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次回予告
浩之「さぁ〜残すは最終回のみ!!」
3人「も、もう!?」
浩之「俺の唄は敵に通じるのか!?」
3人「1話じゃ多分ムリ…」
浩之「最終回!!跳べ浩之!ダイナマイトヴァルキリー発進!!」
3人「聞けよ」
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闘魂「う〜、一回書いた内容を思い出せない」
影「一回消えましたからねぇ…」
闘魂「にゃ〜、そこ!館長だっていろいろ大変なんだ!文句を言うのは止めろ!」
影「正義のヒーロー気取りかい?」
闘魂「これは本心です!!」