まるせりお(に) 『せりお』 私は、まぶしい日差し… それを浴びて、目が覚めました。 おかしいですね。 だってそうじゃないですか。 いつもなら長瀬主任が起こしに来てくれる筈ですし、 メイドロボはメンテ中、自分で起きるなどと言う事はまずありえません。 とすると、この私は一体なんでしょう? 部屋も違いますし… 私、知ってます。 この部屋は、確かに芹香お嬢様の部屋です。 どうして私がお嬢様の部屋に? その時、部屋のドアをノックする音が聞こえました。 「お嬢様、そろそろお起きになっしゃられたでしょうか?」 この声、間違いなく長瀬…セバスチャンさんです。 私は、返事をしませんでした。 だって私は、お嬢様ではなく、一介のメイドロボですから。 「お嬢様?入りますぞ!?」 私の見た限り、ここにお嬢様は居ませんが、 それでもいいなら、どうぞ。 「全く…お嬢様の寝起きの悪さにも、困ったものですな…」 ぶつぶつ言ってます。 芹香お嬢様に言いつけようかな。 かちゃ。 ドアが開きました。 「なんだお嬢様、起きていらっしゃったのですか…全く、意地が悪い」 お嬢様? だって私は…… 「お嬢様?どうなされたのですか?」 セバスチャンさんの言葉は、間違いなく私を指しているようです。 これまでのセリフから総合すると… 私が…お嬢様? どうしてなのかは分かりませんが、とりあえず私は、 「おはよう御座います、セバスチャンさん」 と言った。 するとセバスチャンさんは、世にも奇妙な顔をして、 「お…お…お嬢様?」 …さぁ? 「お嬢様が普通の声でお話しになったぞおおおおおおおお!!」 …はぁ。 …大げさですね。 まあ、私が芹香お嬢様になっているならば、驚くのも当然かもしれませんが。 うろたえているセバスチャンさんを見ていると、 何だかふしぎな感情が湧き上がって来ました… くすっ。 そうですか、これが笑うと言う事なのですね…。 普通の声で話す芹香お嬢様(私)を見て、綾香お嬢様や、 浩之さんはどうお思いになるのでしょうか? 考えただけで…… くすっ。 …暫く、このままでいいかもしれない… ====================================== 闘魂「ちょっと上昇の兆し?」 影「でもまだギャグと呼ぶには程遠い…」 闘魂「どっちかっていうと、ほのぼの系?」 影「うん、そうかも」 闘魂「何か、俺ばっか書いてるような気がするな…」 影「多分、気のせいじゃないな。」