ある日、俺はムショーにタン塩が食いたくなった。 そこで、 「マルチ!俺のためにタン塩を買って来い!!」 「はい!浩之さんのためにタン塩を買ってきます! では、行って参ります!!」 「頼んだぞ〜」 という訳で、俺はタン塩が食いたい。 「ただいま〜ですぅ」 「おおっ!マルチ帰ってきたか!!」 「ハイ!タン塩です!!」 そう言ったマルチが俺の前に差し出したものは、 塩と… 花札? ……青タン? 何処でそんな知識を仕入れてきたんだ?コイツ。 「マルチ…これ違うぞ…」 「え゛っ!そうなんですか!?」 牛タンと言っておけば良かった。 「ずびばぜぇぇん、ゆるじでぐだざい、びろゆぎざ〜ん 「分かった分かった」 だから、まずは涙と鼻水を拭け。 ごしごし、ぐしゅぐしゅ、ちーーーーん。 「はぁ、すっきりしましたー」 「そうかそうか、良かったな。」 「ハイ!!」 そうそう。結局俺はこの純真なマルチの笑顔をみれればいいんだよな・・・ 「じゃ、ただいまからお作りしますね」 そうそう。ただいまから… 「え?作る?」 「はい!タン塩をお作りします」 「え?え?」 「ちょっと待ってて下さいね」 「え?え?え?」 既にマルチは、フライパンで焼いている花札の上に、塩を丸ごと一袋ぶちまける所まで来ていた。 完成間近だ。 「できましたぁ〜」 ほぉ〜ら。 「どうぞ食べてくださ〜い」 …本気か? 「はやくはやく」 …本気らしい。 マルチが作ってくれたんだ、無駄にするわけにはいかない。 よし…食べるぞ。 もぎゅ ぱきぱき ぎしゃ べきょべきょ そして俺は… 「どうですか?浩之さん」 「………」 「美味しくありませんでしたか?」 「………う」 「う?」 「う…う…美味いぞおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「ほ…ほ…本当ですかああああああああああああああああ!!?」 「本当だああああああああああああああああああああああ!!!」 「嬉しいですうううううううううううううううううううう!!!」 このメニューは、三日三晩続いた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− うわー、つまんねー。 5分で思いついただけの事はある。