To Heart7 第3話 ファイヤーヴァルキリー立つ! 投稿者:闘魂秋吉
「戦争が・・・始まったのか・・・」
俺は、そう呟いた。
同時に思った。
あんな愚かな行為をする奴らに、俺の唄を聞かせたい、と。
(戦争なんて下らねぇぜ・・・俺の歌を聞けば・・・戦争なんてどうでもよくなる
ってのによぉ・・・)
だけど、奴らはシェルの外だ。
ここからじゃ、歌が聞こえる訳が無い。
・・・どうやって俺の歌を聞かせるか?
そうか・・・・・!
アレがあったじゃねえか!!
そう思うや否や、俺は家の方向へと走り出した。

第3話 ファイヤーヴァルキリー立つ!

あかりは人ごみの中、一人逆方向へ走っていく浩之を見た。
「浩之ちゃん?何処に行くの!?」
だが、あかりの声は浩之には届かなかった。
「あかり!早くシェルターに避難するのよ!」
綾香がそう叫んだのは、あかりにも聞こえた。
「でも、浩之ちゃんが」
うろたえるあかりに、綾香は答えた。
「大丈夫よ、浩之には何か考えがあるのよ」
あかりは、一呼吸おいて、
「うん・・・そうだね。ありがと、綾香。」
「ふふ。」
浩之が何を考えているのかなんて、綾香にも分かる訳が無い。
ただ、今はあかりを落ち着かせる事。
それが第一だと、綾香が思っただけのことである。
「アヤカ!アカリ!早くするネ!!」
人ごみの中から、レミィの声が聞こえた。
「うん、わかった。行こう!綾香」
「ええ。」
(浩之・・・何を考えてるか知らないけど、死ぬんじゃないわよ・・・)
そしてあかりと綾香は、シェルターへと向かう人ごみの中へ消えていった。



その頃軍は、対応に追われていた。
「かぁ〜〜〜〜っ!!ヴァルキリー隊、展開が遅いぞッッ!!」
バトルトゥハート7艦(略してバトナナ)の艦長、セバスチャンが唾を飛ばしながら叫んだ。
「早く展開させんかぁ〜〜ッッ!!」
「「了解!ヴァルキリー隊、発進、展開急いでください!!」」
オペレーターコンビ、内藤&長田が、ヴァルキリー隊にハモリながら指示を送った。
せめて声があればヴァルキリー隊の一員になっていたかもしれないのに、
哀れな奴らだ。

更にその頃、まだ格納庫にも辿り着いていない小隊があった。
アメジスト・フォースである。
「マルチ、もっと早く走って!!」
隊長の、葵=マツバラが言った。
「りょ、了解・・・はわわ、走りにくいですぅ」
着なれていない宇宙服を着て、マルチは走るが、やっぱり遅い。
というか、ロボットが宇宙服着る必要ないと思うが。
だがこれも軍服の一種。着なければならない。
というかマルチ。
なぜLLサイズを着ている?
「これでは格納庫に着くには、予想時間であと8分48秒必要です。」
セリオはこんなときでも冷静だ。
「そんなのいいから、速く走って〜〜〜!!」
葵は、すでに涙目だった。
(うう・・・何で私がこんな部隊の隊長に・・・)
何はともあれ、彼女らが格納庫に着くのは、もう少し先になりそうだ。

またまたその頃!!
格納庫では、軍一のエリート部隊、トパーズ・フォースが出撃しようとしていた。
「トパーズ・フォース1番機、橋本・出るぞ!」
「了解!お気をつけて」
オペレーターの、内藤のほうが答えた。
ま、声がないから、どっちだっていいんだけど。
続いて、
「2番機、矢島・行くぞ!」
「言ってらっしゃ〜い」
「何か俺のときだけ軽くない?」
「まさか」
そんで、
「3番機、垣本、行きます!」
「前方に注意して下さい」
「了解!」
ばしゅ、ばしゅ、ばしゅうう。
トパーズ・フォースの3機は、こんなやりとりをして出撃していった。

ところで垣本って、顔グラあるくせに、やけに印象薄くない?

・・・・・・・・・
浩之は走った。
片道20分かかるはずの道を、10分で着くほどの早さで、浩之は走った。
そして浩之は、家のドアを開け階段を下った。
・・・下った?
そう、下ったのだ。
浩之の家には、地下室があったのである。
地下室には、1機のヴァルキリーがあった。
それは、地下室より、地下格納庫と呼んだほうが相応しいかもしれない。
その真っ赤なヴァルキリーを見て、浩之は言った。
「親父の形見のヴァルキリー、やっと使うときが来たぜ・・・!」
浩之は、颯爽とそのヴァルキリーに乗り込んだ。
浩之は、母の顔を知らない。
物心ついたとき、母はすでにいなかった。
父はよく浩之にこのヴァルキリーを見せては、
自分は元軍のエースパイロットだった、といつも懐かしむように語っていた。
だがその父も死んだ。
トゥハート7に乗った直後だった。

「よぉぉぉぉしい!いくぜぇぇぇぇぇ!!」
浩之がそう叫ぶと、家の前の道路がせり上がって、
丁度浩之の家の地下からヴァルキリーが発進できるようになった。
いや、そうなるように家の前の道路だけ買い取った。
バーニアをふかすと、父の形見、HMX−12『ファイヤーヴァルキリー』は、
宇宙へと飛び立った。

「な・・・何だと?」
矢島は、戦場の光景をみて絶句した。
実際の戦場に立つのは、始めてだからか?
味方がなす術も無く、次々とやられていくからか?
そうではない。
敵が、実に奇怪な行動をとっていたからだ。
敵は、まず機体を撃破する。
次に、その機体から脱出ポッドで逃げ出すものを捕獲する。
そして敵は、自分達の機体から、あおいレーザーらしきものを脱出ポッドに浴びせると、
すぐにその脱出ポッドを投げ捨てて、次の機体の撃破へ向かう。
敵は、そればかりを繰り返していた。
「一体何をやっているんだ!?あの敵・・・」
矢島は、戦場から離れた場所へ流された、ひとつの脱出ポッドへと近づいた。
「おい、大丈夫か!?」
応答は無い。
「おい!?どうしたんだ!おい!」
矢島は、その脱出ポッドへと、機体を寄せた。
中には、無気力になった軍人が、一人横たわっていた。
かすかに動くところを見ると、死んでいるわけではないようだが、何もしようとはしない。
「何なんだ、一体・・・」
そのとき。
「俺の唄を・・・・・・聞けぇ〜〜〜〜〜!!」
浩之が現れた。
                        To Be Continued・・・

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次回予告
浩之「俺の歌を聞けぇ〜〜〜!」
あかり「・・・何やってるの浩之ちゃん。そんな非常識な事やっちゃだめだよ」
浩之「俺の歌を聞けぇ〜〜〜!」
あかり「だから浩之ちゃん・・・」
浩之「俺の歌を聞けぇ〜〜〜!」
綾香「ダメだこりゃ」
あかり「次回!ファイヤーバルキリー沈む!」
レミィ「出番が欲しいネ・・・」
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「おい」
闘魂「だ、誰だっ!」
「私よ」
闘魂「おっ!お前はマクロ〇7ファンのうえに女のくせにギャルゲー好きな俺の妹!」
妹「いいじゃない。いまは男だってエステに行く時代なのよ」
闘魂「何の話だ。ていうか、何でタメ口なんだよ」
妹「何だ、この話は」
闘魂「・・・聞けよ」
妹「私が愛するマクロス7とトゥハートの両方を汚すとは・・・」
闘魂「聞けって!!」
妹「死んで償え!!」
闘魂「だから俺の話を・・・」
どごぉぉぉぉぉぉん
何が何やら。っていうか浩之金持ちだな。