酔想(「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢」「お題:会話文のみ」 投稿者:東西 投稿日:5月18日(木)22時37分
タイトル:酔想


「ねぇ、冬弥」
「ん?」
「由綺ちゃんに最近あってる?」
「ああ、バイト中にな。ちょくちょく・・・」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「・・・」
「・・・」
「そう言う彰はどうなんだよ?」
「え?」
「美咲さんだよ! みさきさん!」
「ぶぅっ! ごほっ! ごほっ!」
「わ! 勿体ねぇな〜 吹くなよ、店長〜 布巾下さ〜い」

「・・・・・・」

「なっ なっ」
「あ〜、ほら。口許汚れてるぞ」
「って、止してよ。子供じゃないんだから!」
「好きな人に告白もできんのじゃ、子供とかわらんだろうが」
「・・・・・冬弥とは違うよ。僕はしっかり見てるもの」
「俺だって見てるさ」
「誰を? 仕事でよく見るンなら、緒方理奈ちゃんの方かな?」
「・・・・・」
「答えられないの?」
「お前・・・えらく絡むな? 酔ってるみたいだぞ?」
「酔う? 僕が? バカ言っちゃいけないよ、いくら僕でも、紅茶で酔うはずが・・・
 ひっく」
「って、酔っぱらってるじゃないか!?
 って、店長! 何で奥に引っ込むんですか!」
「冬弥〜、告白しないのは確かに僕が悪いよ〜 うん」
「って、いきなり素直気味に絡むな! ちょっと、お前その紅茶のませろ!」
「あ〜、僕の紅茶〜」
「! バーボン入れましたね! 店長!! 『隠し味』? そんなのは、お酒が飲める人
にしてやって下さい!!」
「僕はね〜」
「あ〜、なんだよ・・・俺は諦めたぞ、愚痴なら諦めてる内に言え」
「そうする・・・」









「で? 愚痴は?」
「うん、僕ね。由綺ちゃんも好きだったんだよ」
「だろうな、あいつは大抵の人間に好かれるからな」
「美咲さんも好きだよ、憧れの女性、女性として好きな女性」
「見てりゃわかるよ」
「はるかだって好きなんだ・・・」
「ずっと一緒だしな」
「冬弥だって好きなんだ・・・」
「ずっと一緒だからな」
「美咲さんと同じ憧れなんだよ・・・冬弥は」
「なに?」
「僕が出来ないことを、一歩先に行動する冬弥は、僕の男の憧れなんだよ・・・」










「・・・・・おい、寝るのか?」
「まだ起きてる・・・」
「まだ何かあるのか?」
「うん、僕はまだ言いたいことを言ってないんだ・・・」
「何を言ってないんだ?」
「美咲さんにも・・・冬弥にも・・・」











「ちぇっ、これだから子供だって言うんだよ・・・こんなところで寝ると風邪ひくぞ」