「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢」「お題:会話文のみ」 投稿者:東西 投稿日:5月18日(木)22時02分

タイトル:「桜舞う写真」


「冬弥君、桜が綺麗だね」
「そうだな。と言っても、もう散りかけてるけどな」
「くすっ、桜吹雪も私は好きだよ。だって、桜の自己主張だもん」
「なんて言う?」
「ん〜・・・『私は、最後まで綺麗です』って言う感じの・・・」
「自信なさげに呟くな。
 でも、ま、そうかも知れないな」
「冬弥君もそう思う?」
「ああ。でも、散って道に落ちたら邪魔だけどな」
「あ、でも、でも、落ちていくのもまた「風情」だと思わない?」
「ぷっ、くっ・・・はぁっはっはっは」
「あ、れ? 私変なこと言った?」
「はぁ、はぁ・・・いや、「風情」か、いや、由綺らしいなと思ってね」
「私・・・らしい? 私らしいのがそんなにおかしい? う〜ん・・・」
「深く考えるな。じゃ、その「風情」を写真に撮っておくか?」
「あ、じゃ、私が桜吹雪の中にいるところとって♪」
「って、おい! そんなにはしゃいだら!」

「きゃっ!」












「・・・・・・冬弥君・・・」
「どうした?」
「今、撮ったでしょ?」
「ああ、ばっちりとな」
「撮り直し!」
「いや、これもまた「風情」があって、由綺らしいぞ」
「冬弥君の意地悪〜!」
「はっはっは、来年な。また来年、ここに一緒に来て撮りなおそう」
「来年も一緒に来てくれる?」
「ん、来年も、再来年も、ずっとずっと、しくじったら撮りに来よう」
「え〜、毎年私こけるの?」
「俺が「これぞ!」と言うのを撮れるまで」
「えへへ・・・じゃ、一生とり続けないとダメだよ?」
「かもな」
「絶対!
 だって、冬弥君の前でなら、ずっとずっと好きが大きくなっていくから♪」