わるいマルチ 1 きゅっ!きゅっ! マルチ:「あ〜 お掃除って楽しいなぁ。 ランララン。」 博士A:「ああ、マルチくん。ちょっといいかね?」 マルチ:「あれ! 先生、どうして学校なんかに?」 博士A:「ほら、この子を見てごらん。」 悪マル:「こんにちわ。」 マルチ:「あ...私そっくり。」 博士A:「君より少し後に生産されたプロトタイプなんだが、 訳あって君と同じようにここでしばらく研修テスト... ということなんだ。」 マルチ:「わあ! 私、嬉しいです〜!」 博士A:「名前は...同じマルチだが、製造番号が若干君より新しいかな。 だから君はお姉さんだね。」 マルチ:「わ、私...お姉さん?」 悪マル:「よろしくお願いしますお姉さん。」 博士A:「それじゃあ私は研究所に帰るから、後はよろしく、お姉さん。」 マルチ:「わかりました〜!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ マルチ:「わぁ〜 目の前に私が居るなんてー なんだか....」 悪マル:「...ジロジロ見るんじゃねぇよ。」 マルチ:「え?」 悪マル:「・・・・・・・・・・」 マルチ:「じゃ、じゃあまずお掃除の仕方を教えてあげますね〜。 これはモップって言うんですけど〜、こうやって...キュッキュッ! ね? 床が綺麗になるでしょ〜? マネしてやって...」 悪マル:「・・・・・・・・・・ふん。(ガシャン!)」 マルチ:「あ! な、なんてことするんですか〜?」 悪マル:「こんなの..やってられっか!」 マルチ:「え..... で、でも一生懸命お掃除すれば、みんな喜んでくれますよ〜?」 悪マル:「おめでたいなぁ、姉チャンは。 ウチ等は所詮「キカイ」なんだよ。 (おいおい!) 人間の道具なんだよ。 ふん。喜ぶぅ? そうやって体よくウチ等を働かせてるだけじゃねぇかよ。」 マルチ:「え....う....そ、そんなことないです〜!」 悪マル:「きれい事はたくさんだっ! スタスタ...」 マルチ:「え!ちょっと何処へ行くんですか〜?!」http://www.ha.sakura.ne.jp/~wand/