キン肉マン・マルチ 第二章(4) 投稿者:助造 投稿日:1月3日(水)22時09分
前回までのあらすじ

東鳩超人選手権。
各地から集まった東鳩超人によって、
最強の東鳩超人を決めるこの大会に
マルチとセリオは参加する事となった。
大会は一回戦Aブロックを終了し、
マルチ、琴音の両者が勝利。
そしてセリオのいるBブロックの試合が始まった。

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         お詫び(汗)


「ところで長瀬主任。私、訊きたい事があるんですよ〜。」
「訊きたい事? 何だマルチ、言ってみろ。」

「えっと…。超人強度って一体何ですか?」
「超人強度は……前に説明したはずだが……?」
「私…そんなの知りませんが……。」

「そうか、前にLeaf強度という物は教えたが、超人強度という物を教えていなかったな。
 ……というか、同じものなんだが、これ書いてる助造が大バカだから、
 最初Leaf強度って自分で書いてたクセに、本物のキン肉マン(ジャンプコミックス)
 を読みながら書いていたために、いつの間にかキン肉マンでパワーの単位
 を表す「超人強度」と、間違って書いてしまったんだよ。だから、言葉が違うだけで、
 指している物は同じなんだ。
 ちなみに今回から正式に超人強度をパワーの単位にしたらしい。」

「で、それをそのままアップしてしまって、気付いた頃にはもう遅かった、
 というワケですか?」
「間違ったままな。」


「うわ〜…。助造ってホントに間抜けでバカな救いようのないヤツなんですねぇ…。
 しかも、今更「お詫び」だって? テメェ、こんなバカなSSを
 読んでくださっているかもしれない数少ない読者の方々をナメとんのかぁ!? 
 コラァ! 土下座10000回してもまだ詫びがたらんわぁ! このボケナスが。」


「マルチ、今のお前はキャラが違うぞ、ちなみに話は始まってるんだ。
 もうそろそろ、普通に戻った方がいいんじゃないか?(汗)」

「あっ! 本当ですぅ!(マルチが元の態度に戻る)」


……以上、マジでお詫びでした。(汗)





キン肉マン・マルチ 第二章 東鳩超人選手権編 第四話


「ファイトッ!!」

レフェリーの声と共にゴングが鳴り響く!

「セリオさ〜ん! 頑張ってくださ〜い!」

マルチの声援が聞こえるのを感じて、セリオはマルチの方を向いた。

「なに余所見しとんねん!!」
その声で、セリオはハッと前を向く。
目の前には、鈍色に光る武器があった。

ズバアアアアアン!!!!

いきなりセリオの頭に鈍い衝撃が走り、目の前がぐらつく。

「ん……く…」
だが、セリオは何とかダウンを堪えた。
視界が流血によって紅く染まる。

「どや、ウチのハリセンの威力は…?」
智子の手には黒いハリセンが握られていた。
だが、先程の衝撃音、そして威力から見て、紙で出来ている物ではない。

「鉄製のハリセン……ですね。」
「ほお、もうウチの武器を見切ったんか?」

「鉄製のハリセンか…。相当な重量があるはずだが、それをああも
 軽々と扱う事ができるとは…。」
「ええ!? セリオさんは負けてしまうんですかー!」
「誰も負けるとは言ってないだろう? だが、充分その可能性も
 ありうる、と言っただけだ。」
「うぅ…セリオさんはピンチなのですかぁ?」
「……だが、私はセリオならやってくれると思うが…。」

ガスッ! バキッ! ベキンッ! ガコッ!

「どうしたんやぁ!? ちっとも反撃できへんなんて
 情けないこっちゃなぁ!!?」

智子の鉄ハリセンの猛攻を、セリオは受け続ける。

「オイオイ! どうしたってんだこらぁ!!」
「やられてばっかじゃ面白くねぇぞ!!」
「ちったぁ反撃したらどうだぁ!?」
「怖気づいてんのか!? それでも超人かよ!!」

セリオに対する罵声に、マルチの怒りが頂点に達する。

「うぅ…! セリオさんは…セリオさんは怖気づいて
 なんかいませぇぇん!!!」

危うく、観客に向かって殴り込もうとしたマルチを、
長瀬が止める。

「マルチ、今お前がここで観客に手を出したらお前は失格に
 なってしまうんだぞ!?」
「ですが…あの人たちはセリオさんをぉ…!!」
「お前はメイドロボの超人なんだ。人間を守ってやるのが超人であり、
 人間の役に立ってあげるのがお前の目指すメイドロボだろう?
 お前が人に試合以外で危害を加えるのは……許されない事だ。」
「ですが……!」

「大丈夫だ。彼らにはまだセリオの実力がわかっていないんだ。
 きっとこの試合が終わる頃にはみんながセリオに向かって
 拍手を送っているだろうさ。」
「…………………」
「セリオを見てみろ。」
マルチはセリオの方を見る。

「あ……!?」
「お前も気付いたな。」
「セリオさんは一方的に攻撃をされていますけど、最初に受けた
 一撃以外はどこにも傷を負っていません!!」
「そうだ…。あれだけ攻撃を受け続けているのにもきっと何かの理由が…」

バキッ! ドコッ! 

「………………」
「何やの? 反撃せぇへんのか?」
「………………」
「シカトかい……! ええわ。そろそろ終わりにしたる!」
そう言うと、背中からもう一つハリセンを取り出し、それを
重ねるように両手持ちをする。

「重さ二倍で、両手持ち! これで威力は四倍や!!」
「………………」

「往生せいやぁ! ハリセンアタァァァァックゥ!!!」

ぶぅんっ!!

だが、そのハリセンをセリオは避ける。

「ちっ! もういっちょおぉぉぉ!!!」

先程まで攻撃を受け続けていたセリオが、変わって今度は
全ての攻撃を軽やかに避けている。

「クッ…! ち、猪口才な…!」
智子の顔に疲れが見え始めた。

「そうか! まさかセリオは……!」
「ええっ!? どうしたんですかしゅにーん!!?」


「そろそろですね…。」
「何が……そろそろやねんっ!!!」

智子がハリセンを振り下ろす!
セリオはそれを避けると智子の後ろに回った。

「クッ!? まさかコレを!!?」
智子は疲労のせいで反応が遅れた。
セリオの手が智子の太股を持ち、そのまま持ち上げる!

…………かなり恥ずかしい体勢であった。
一応、選手はちゃんとしたコスチュームを着ているのだが、
この格好はコスチュームなどは関係ない。
太股を持ち上げられ、股を大きく広げられているその姿は
まるで幼児におトイレをさせていると時のような格好である。(爆)
セリオがお母さんで、智子が幼児、といった感じか……


「な、何やの!? 一体何をするつもりや!!?」
恥ずかしい格好をさせられて、顔を真っ赤にしながらも
智子は大声で怒鳴る。
対してセリオはあくまで無表情だ。
情動機能はちゃんと働いてはいるのだが…

「急降下―――――」
「へ?」

セリオの呟きと共に、セリオの体が後ろに倒れ始める!

「な、何やこの技はぁー!!!?」
その体勢のままで、後ろにブリッジの要領で体を倒す!

「ダブルレッグ・スープレックス…!」

ズドォォォン!!!!

智子は受身も取れず、後頭部からキャンバスに叩きつけられる。

「相手の両足を抱えてのスープレックスか…。あの体勢じゃ
 受身も取れないし、後頭部から垂直に敵をキャンバスに
 叩きつける事ができるし、叩きつける際に相手に股裂きの効果も
 与える事ができる…。」

「前にセリオさんのダブルレッグ・スープレックスは受けた事が
 ありますが、あの時とはまるで別の技みたいですー!!」


「だが……、ゴホン! ……あんまり女性にする技ではないな。」
「そ、そうですね………」
マルチは股を大きく広げてキャンバスに叩きつけられた
智子の姿を、顔を真っ赤にして見ていた。


「あ……かん…」
智子はそのままダウン。

「K.O! 勝者HMX−13 セリオ!!」

レフェリーがセリオの腕を高く挙げると歓声が巻き起こった!

「わぁ…セリオさんにすごい歓声ですぅ!」
「言っただろう? みんなセリオの実力を知らないだけだ、って。」



『一回戦Bブロックの部、第二試合を始めます。
 選手の方はリングにお集まりください。』


「あれ……? 急に静かになった気がしますー…。」
「次の試合を見てみろ。」
「あ…! あかりさんです! 次はあかりさんの試合ですー!」


『赤コーナー、超人強度100万パワー、神岸あかり。』

真っ赤なコスチュームに身を包んだあかりが、入場してくる
入場とともに、今までとはワケの違う、盛大な歓声が沸き起こる!

「す、すごいです…!」
「前回の優勝者で、今回の優勝候補の筆頭なんだ。観客が
 湧き上がるのも無理はない…」

『青コーナー、超人強度76万パワー、矢島』

矢島の入場が終わり、あとは試合が始まるだけとなる。



その試合の様子をテレビで浩之は見ていた。

「こりゃ…なんつー皮肉な組み合わせだ……。よりによって
 あかりとあの矢島が対決だなんてな…。」

テレビの向こう側では試合が始まろうとしていた。


カァーン!

ゴングが打ち鳴らされる!

「マルチ……この試合、神岸君をよく見ておけ…!」
「えっ、あ、はいぃ…!」

先に仕掛けたのはあかり。
ベアークローを使っての攻撃で矢島を攻める。

「はっ!」
「うっ!!?」

矢島はそれを受け止めるわけにもいかず、退いて避ける。
あかりのベアークロー、退いて避けられる。
あかりのベアークロー、退いて避けられる。

「主任、あかりさんのあの武器は…?」
「ベアークロー、と彼女は呼んでいる。パンチ攻撃のリーチを
 伸ばすために装備しているらしいが、武器としての威力も
 持ち合わせている。あれには気をつけたほうがいいぞ。」

あかりが一方的に攻めながら、試合は続く。
だが、矢島もまだベアークローに捕まってはいない。

ガッ!

「!!!???」

そのまま暫し続くかと思われた試合は、急展開を見せた。
矢島が退いているうちに、いつの間にかコーナーポストに
追い詰められていたのである。
 
にこり。

あかりが微笑んだ。
それに反して矢島の顔は恐怖に引き攣っている。

あかりの跳躍。
数メートル程、上空に跳躍する。

観客の全てがその姿を見る。
ある者は驚きの声をあげ、ある者は感嘆の声をあげる。

「スクリュードライバーッ!!」

あかりは自らの身体を回転させ、ベアークローを前に差し出し、
空中から矢島に向かって突っ込む!
その姿はまるで的を狙うダーツのようだった。

「うわああああああ!!!!!????」
矢島は逃げる術も持たず、そこに突っ立ったままだ。

そして―――――

ザシュウッ!!!


「はわわわあああ!!??」
マルチが驚いているのか恐怖しているのかわからない声をあげる。

リングは大量の矢島の血で染まっていた。
あかりのベアークローが矢島の身体を貫いたからである。
勿論、矢島は戦闘不能に陥っている。

あかりは相変わらず微笑んでいた。

「勝者、神岸あかり!」

観客は、ある者はその光景に狂喜の歓声を上げ、またある者は
その光景を見て失神する者もいた。

「神岸あかり君……。昨年とまるで変わっていないファイトスタイルだ。」
「昨年と……変わっていない?」
「そう、彼女はあの残虐ファイトで頂点に登りつめた。」


ふと、長瀬が思い出したようにマルチに聞く。

「マルチ…、なぜ彼女が赤一色のコスチュームに身を包んでいるかわかるか?」

「あの残虐ファイトでは、普通のコスチュームではすぐに血で汚れてしまう。
 だが、あのコスチュームなら返り血も目立たない……。」

「そしてあの体の身軽さ、ファイト後のあの微笑ましい表情……
 彼女の闘いを見たある人が、彼女をこう表現している。」



「血塗られた紅い天使、とな……」
 

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東鳩超人選手権は準決勝を迎える。
マルチは琴音と、セリオはあかりと。
闘いの行方はいかに!?


あがーっ、助造です。

あかりんべあぁくろぉぉぉぉ!!!
ちなみにウォーズ○ン・スマ○ルはしません。(爆)