Our time 〜夢の始まり〜 投稿者:助造 投稿日:11月10日(金)18時56分
〜Our time〜

前回のおはなし・・・

オッス!おら藤田浩之!
どこにでも居る様で、ナイスガイな、高2の男ん子ですたい!

ある日、俺は先輩と共に(自称)放課後デートにしゃれ込んでいたんだ!
しかし、そこに現れた綾香のせいでデートは台無しになってしまう。
綾香は俺達に何か用事があるらしい。

綾香に文句を言いつつ、俺達は綾香に連れられて公園に来た。
綾香は明日から四日間、最近新しくできたリゾート地、
「クルス・パーク」に旅行に行かない?、と訊いてきた。
俺は暫し考えたが、先輩と四日間も一つ屋根の下、という
おいしいチャンスを逃す手はねぇっ!!、ってな感じで
すぐに、綾香に同意した。

そして、今日から四日間の旅行が始まる!!
願わくば、この旅行が俺の人生を変えるような旅行になる事を・・・・


注意:このSSは浩之が結構(かなり)違います。(いろいろと)
そこの所はどうかご了承くださいませ・・・

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        『〜Our time〜 夢の始まり』



                   作:助造(エルクゥの息子達の一人)


青く晴れた空。

少し、眩しい陽射し。

そして頬をなでる、心地良いそよ風。

「う〜ん・・・絶好の旅行日和、ってやつか?」

俺は、う〜んと背伸びをし、早くも先輩の待つ来栖川邸に向かう。

ちなみに今の時間は・・・・午前5時20分・・・
起きたのは午前3時だ。
それからいろいろと準備したり、飯食ったり、
マンガ本読んだり、避妊具買いに行ったり・・・・

それでも先輩との約束まで3時間以上もあった。

「ふっ・・・善は急げ、って言うしな・・・」

旅行に行くところの何処が善行なんだ?、とツッコまれればそれで
オシマイな事を言いながら先輩の家に向かう俺。

だが、俺は「先輩との夜を想像しちゃって眠れなかったの〜」、とか
「どうやって先輩の貞操を奪おうか?」などと綿密な策略を練っていた、
なんて、馬鹿な理由で早起きしてきたわけではない!

「俺様がそんな間抜けに見えるかい、ボーイ?」
などと、一人で誰かに向かって喋る俺。(ボーイ、のセリフには決めポーズ付き)
「俺が早起きした理由は唯一つ!」


「先輩の家、何処・・・・?」

先輩の家の位置を聞いていない俺だった・・・・・


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朝早くに目が覚めた。

眠れない・・・、緊張してるのだろうか・・・

私がこんなこと緊張するなんて・・・らしくないな・・・

自分で苦笑しながらベットから起きる。

今、午前5時20分

確か・・・集合は家に9時だったかな?


綾香も浩之と同じく、早朝に目が覚めていた


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「ぬおぉぉぉぉ!!!先輩の家ってマジで何処なんだぁぁぁぁ!!??」

マッハぐらいの速さで街中を走り回る俺。
我ながら自分の無計画さを呪いたくなった・・・

「ハァ、ハァ、・・・も、もう30キロは走ったぞ、おい・・・」

きっとBGMには「Brand New Heart」が流れているはずだろう。
時刻は・・・午前8時00分・・・

「ぐあ・・・マジでどうするか・・?」

と、考えたが、所詮あかりがいなければ赤点を取っちゃうような漢、藤田浩之。
そんな脳タリンな頭脳でほんのちょっぴり考えたところで何も浮かぶはずはなかった・・・・


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もぞもぞ・・・

布団から這い出て来たのは芹香である。
朝にはあまり強くないようだ・・・

「・・・・・・」

いつもより更にとろん、とした寝ぼけ眼で辺りをキョロキョロと見回す芹香。

今、時刻は8時00分。
芹香が旅行の準備を始めるには、もう間に合わない時間である。

芹香は急いで(と言っても遅いが)準備に取り掛かった。


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「ハァ、ハァ・・・ま、間に合った・・・」

俺は無事、先輩の家に時間前に着いた。
時間は・・・午前8時59分。
あれから高橋尚子以上のスピードであると思われる程の速さで、
合計80キロ程走った。
結局、パトロール中のお巡りさんに訊いて、場所を教えてもらい、
ここまでやってきたのだが・・・
流石に人間界の完璧超人(パーフェクト超人)と呼ばれている
俺でも、これにはちょっとバテた・・・

「まったく・・・あんたを置いていこうかと思ったわよ?」
そんな俺の状況を無視して、綾香が開口一番に文句を垂れる。
まったく、うるさい奴だ・・・

「ふん・・・まあ、いいじゃねーか。こうして間に合ったんだし・・・
 あまつさえ、陸上長距離のワールドレコードを出してやったのかもしれないのだぞ?」
それを聞いて綾香は更に呆れ顔になった。
「くっ・・こいつめ・・信じてねぇな・・・」
「はいはい・・・さて、じゃあ出発しましょうか・・・」
こくこく。

俺達三人とセバスのおっさんはリムジンに乗り込んだ。



「おい、綾香・・・」

「ん?何?」

「俺達・・・リゾートに行くんだよな・・・?」

「そうよ?・・・どうかしたの?」

「いや、なんでもない・・・」

俺達は・・・成田空港に来ていた・・・
乗るのは来栖川の自家用機なのだが・・・

「・・・いちおう、これ国内に行くんだよな?」
ちょっと心配になった俺は綾香に問う。
「そうよ?・・・さっきから変な奴ね〜」

「いや、自家用機を飛ばすために成田空港の滑走路借りる、っていう方が
 何十倍も変な奴だと思うぞ・・・」

こいつら来栖川の連中は自家用機を飛ばすためだけに
成田空港の滑走路一本を借りたのだ・・・
流石・・・世界の金持ちとなるとやる事が違うねぇ・・・

「さて、離陸しますぞ。離陸準備はよろしいですかな?お嬢様。」
セバスのおっさんが離陸準備の確認を取る。
このおっさんが飛行機を操縦するのかよ・・・
飛行機とリムジンとではワケが違う。

「おい、おっさん。あんたホントに操縦できるんだろうな?」
「できなければ、大切なお嬢様方を乗せたりはせんわ!」
「・・・それならいいんだけどよ・・・」

それから数時間、俺は地獄の航空ドライブに付き合わされる羽目になった。


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2時間後、着いたのは小さな無人島・・・・にあるドームだった。

「・・・生きた心地がしねぇ・・・」
「同感・・・・」

俺と綾香は着く前に既にグロッキー。
何故か先輩とセバスのおっさんは平気そうにしているのだが・・・

「ほれっ!さっさと立たんか小僧!綾香様もあれくらいのことで
 みっともありませんぞ!?」
「あれくらいの事って・・・・」
「飛行機ショーみたいな動きを延々と数時間もされちゃ
 たまったもんじゃないわ・・・」

俺と綾香はセバスのおっさんに引きずられて連れて行かれる。
先輩はそんな俺らを見つめ、時折微笑みながらついて来ていた。



「ここかよ・・・・」

「コレ・・・マジ?・・・」

こくこく。
先輩は頷く。
俺たちが来た先は見たこともないような植物や聞いた事のない
獣の鳴き声の聞こえるジャングルだった。
その様子はまるでアマゾン。
しかも今夜一泊するホテルはホテルと言うか
適当に木の葉を重ねて作りましたぁ!、ってな感じの
よく言えばワイルドなテント、悪く言えばたて穴式住居といった感じのモノだった。

「こんなとこにマジで一泊すんの?先輩。」
こくこく。
悲しいことに先輩は首を横には振ってくれない。

「・・・綾香ぁ・・テメェ、これの何処がリゾートだよ!!」
「しょうがないじゃない!・・・だって、私も初めて来たんだし・・・」
「まあ、確かにジャングルや砂漠もあるって書いてあったが・・・」
あの時、俺は「こんな場所に泊まる奴、よっぽどの馬鹿か
イカレたやつだよな〜。」なんて心ひそかに笑っていたものだが、
まさか自分がその馬鹿になってしまうとは・・・・
しかも、ここで宿泊すんのは俺たちが初めてなそうじゃないか。

「ここ、ちゃんとシャワーとかあんのか?」
「う〜ん・・・食料品や水道、電気くらいは来てるらしいけど・・・」
「水道があるならシャワーもあるだろ・・・」

しかし、何処を探してもシャワーなどなかった。

「水はあるが、温水はないってことかい・・・」
「近くに、人工の温泉か何かがあるらしいけど・・・」
「温泉・・・・」
「あっ!あんた、なんかいやらしい事考えてないでしょうね〜」
「か、考えてなんかないぞ!そんな事は全く!」
「ホントかしらねぇ〜・・・」
疑いのまなざしで俺を見る綾香。

安心しろ、流石に自分の命賭けてまで覗きするほど俺は馬鹿じゃねぇ。
相手は綾香だ。そんな事したら俺は三秒と持たずに滅殺されちまう・・・

その時、先輩があっちでなんかしてるのを見つけた。
地面にしゃがみこんで何かをしてる。

「お〜い!先輩何やってんの〜!?」
俺は先輩の元に走る。
綾香も俺に付いて来たようだ。
「・・・・・・」
先輩は俺のほうを向くと・・・・何かを俺に見せた。
それは・・・

「・・・・へび?」
先輩の首にはニョロニョロとうねる気持ちの悪い蛇がいた。
舌をチロチロさせながら先輩の首に巻きついている・・・

「い、い、イヤアアァァァァァァァァァ!!!!!」

綾香がそれを見て叫ぶ。
それは既に人間の叫び声ではなく、鬼のモノだった。
そういや、綾香は蛇が苦手だったんだっけ。(PS版シナリオ参照)

「イヤッ!!、イヤッ!!、イヤァァァァァァァ!!!!!」
叫びながら綾香は周りの熱帯雨林を薙ぎ倒しながら
自分で道を作りつつ、何処かに行ってしまった。
綾香の通ったあとはさながら森林開発の爪痕のようだった・・・

「先輩・・・・どうする?」
「・・・・・・」
困った顔で考えている先輩。
どうやら、俺が綾香の探索に行かねばならぬようだ・・・

「じゃあ、先輩。俺は綾香を見つけ次第帰ってくるから!」
遠くなってゆく先輩はこくこくと頷く。


「はあ〜・・・先輩との一時を楽しむための夜が・・・
 まさか、あの綾香を探しに行く事になるなんて・・・・」
ぶつぶつと文句を言いながら道なき道を進む。
その時

ポツッ・・・ポツッ・・・・

「・・・・マジかよ・・・」

そんなハートブロークンな俺を待っていたのは
夜のジャングルの激しいスコールの歓迎だった。

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コンバンワ助造でしゅ。
予定としては125万ヒット記念SSだったのですが、
いつのまにか125万ヒット超えてました(笑)

最後になりましたが管理人様、
これからもりーふ図書館のますますのご発展を
お祈りしております。