Our time 投稿者:助造 投稿日:10月10日(火)17時36分
祝! りーふ図書館 120万ヒット記念SS・・・て言うかそういうことにしといてくれ!!SS(爆)

                              『〜Our time〜』

                          作:助造(謎の電波使い)
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「だああああ!!!何で俺がこんな事をしなければならんのだああ!!」
 
休日の賑やかな喧騒の中でも俺の絶叫は、一際響く。

俺は一人で荷物を運びながら叫んでいた。
荷物は俺と先輩と、綾香の分まである。
それを俺一人で運んでいるのだ。

「あぁもう!うるさいわね〜!男の子なんだからそれくらいの事で文句言わない!」

綾香が俺に文句を言っている。
モチロン、文句を言いたいのは俺だ。

「大体、何で俺がおまえの分の荷物を持たなきゃならん!
 いや、それはまぁ、俺の優しすぎる心で懲役2年位で許してやってもいい・・・」
「全然優しくないわよ・・・」
「俺が言いたいのは、何でおまえがここにいるんだという事だ!!?」

今日は俺と先輩の二人っきりのウキウキ(死語)デ〜ト、のはずだった。
先輩と二人っきりで、お茶飲んだり、映画でも観たりして、甘〜い一時を過ごし、
そして最後はあんな事やこんな事を・・・・

のはずが・・・・

「何でオマエもここに居るんじゃぁーーー!!!」
俺はもう一度絶叫する。

こんな事になった理由は四日前に遡る・・・・


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俺は放課後、先輩と一緒に放課後デートとしゃれこんでいた。
とは言ってもただ単に俺が先輩の買い物に引っ付いてきただけだが・・・
後ろでコワ〜イ執事の爺さんが俺を睨んでいるが俺は露ほども気にしない。

「・・・・・・」
「え?浩之さん何か嬉しい事があったんですか?」

と、俺だけにしか聞き取り不可な、いわゆる『妖精さんの囁き』(または天使の囁き)で訊いてくる先輩。

「いやぁ〜先輩と一緒に放課後デートしてるんすよ!?
 嬉しいに決まってるじゃないすか!!」

放課後デート、というセリフを聞き、先輩は、ぽっ、と赤くなる。
くぅ〜〜!!食べちゃいたいぜ!!
いや、食っちまうか?・・・食っちまおう!!
いただきま〜す!!

と、先輩に襲いかかろうとしていると・・・

「やっほ〜!浩之!」

ふと、後ろから聞き覚えのある声。

「ん?なんだ、綾香か・・・」
「なんだとは失礼な言い方ね〜」

綾香が頬を膨らませて、でかい声であ〜だこ〜だと抗議の声を上げてくる。
まったく、もう少し先輩のようにおしとやかに出来ないものなのだろうか・・・

一分後・・・

さっきから綾香はまだなんか言ってるが、俺にはその声も全く聞こえはしない。
今、俺の全精神は先輩とのデートに集中している。
残念だが綾香の小言を聞く耳などないのだ!!

「ちょっと!聞いてるの!!?浩之!!」
「あぁ〜わかったわかった・・・じゃ、デートの続きと行こうぜ!!先輩!」
こくこく。
先輩も同意する。

「ち、ちょっと待ちなさいよ!」
しかし、そんな俺達の前に綾香が立ちはだかる!

「あああーーもう!!何なんだよ一体!!?」
「今日はあんたに用があるのよ!!」
「俺に用?はいはい、また今度ね・・・さあ!先輩、あんな「先輩とは遺伝子レベル
 から劣っているような奴」は置いて、さっさと行きましょう!」

と、先輩の手を引いて無視しようとするが
綾香はその手を振り解き、
一瞬にして腕拉ぎ十字固めを極める。

「っづおぉぉぉぉぉぉ!!??」
この世の物とは思えぬ尋常でない痛みが腕に走り、
クールな俺も思わず大声を上げてしまう。

「だ・れ・が、遺伝子レベルから劣っているような奴ですって〜?」
綾香は微笑みながらさらに力を入れてくる。
普段は少しは可愛く思える(俺は思っていないがなっ!!)微笑みも、
今はウォーズマン・スマイルにしか見えない。

「ぬっ!!ぬおぉぉぉぉぉ!!!は、離してくれぇぇぇぇぇ!!」
何かこのままでは、ルールからはみ出した腕の曲がり方になりそうなので
俺は必死に許しを乞う。
「さ、さっきのは冗談だ!!ひ、浩之ちゃんギャグなんだよぉぉぉぉ!!!!」

綾香はようやく、俺の腕を離すと
「まったく!浩之のギャグはあんたの思考回路と
 同じでタチが悪すぎるのよっ!!」
と文句を垂れた。
「うぅ〜〜痛てぇよ〜!先輩〜、綾香がイジメるんだよぉ〜」
と情けなく先輩に助けを求める俺。
先輩は優しくなでなでしてくれる。

「はぁ〜・・・まったく・・・」
溜め息をつきながら文句を言う綾香。

しかし、その綾香は何故か優しく微笑みながら俺達を見つめていたのであった。

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「・・・で、用っていうのは何だ?」
近くの公園のベンチに座り、話を聞く俺と先輩。

「うん、えっと・・・・」
綾香はごそごそと自分のバックの中から何かを出そうとしている。

いきなりバックから銃を出して、先輩を「これも来栖川の財産相続のためなの・・・死んで!!姉さん!!」
とか言って狙撃してきたらヤダなぁ・・・

などと、ありもしない物凄く馬鹿なことを考えている俺は、
綾香の言ってた通り、やはり思考回路が危ないんだろうか・・・

「あ、あった、あった!」
と、綾香が取り出したのは何かのチケット。

「何だそれ・・?」
「これはね〜・・・」

綾香が取り出したチケットは
先週末にオープンした大型リゾート地、『クルス・パーク』のチケット。
確か大型ショッピングモールから、キャンプ場、プール、海
そしてジャングルや砂漠まであるという
モノすげーリゾート、だと宣伝してた気がする・・・

「で、それが何なんだ?まさか、ただ見せびらかしただけ、
 何てことはないだろうな・・・」
「そんな訳ないじゃない・・・ここに明日から行かない?って聞いてるのよ。」
「明日?・・・まあ、確かに明日から四連休だが・・・」
「どうせヒマでしょ?だから一緒に行こうって言ってるのよ。」
「くっ・・・勝手に人をヒマと決め付けるとは・・・」

俺は文句の一つでも言ってやろうかと思ったが
本当の事なので何も言えない・・・

「で、行くの?行かないの?」
「ふん・・・だ〜れが貴様何かと四日も―――

しかし、そこで俺は考え直した。

よく考えてみろ浩之!
これに付いていけば先輩と四日も一つ屋根の下(?)なんだぞ!!?
これを逃す手はないじゃねぇか!
行け!行くのだ浩之!!

と、いう意見が『臨時国会INマイハート』で過半数以上を占めたため、

「―――い、行きますっ!!ていうか行かせて下さい!!綾香様ーー!!」
と、すっかり犬になって綾香に懇願した。

「それでよろしい♪」
と綾香も満足げだ。

それから綾香と先輩と明日の集合場所などを決め、
綾香と先輩はリムジンに乗り帰って行った。

夕焼けの公園に一人残った俺は、明日からの先輩との事を妄想え(かんがえ)、
薄ら笑いを浮かべながら帰宅した。
(帰宅途中、子連れの親が俺を見ていたガキに「あんな人、見ちゃいけません!」と
 子供を叱っていたのは内緒だよ☆)



「綾香ちゃん・・・よかったね・・」
「え?な、何がよ?姉さん」
「だって、浩之さん、綾香ちゃんのお願い聞いてくれたから・・・」
「な!?お、お願いって私は別に・・・」
「でも、綾香ちゃんは浩之さんの事、好きなんでしょう?」
「そ、そんな・・・・姉さんこそ・・」
「?」
「姉さんこそ、ひ、浩之の事好きなんでしょ?」
「好きですよ・・・」
「大切な友達ですから・・・」
綾香はずっこけてリムジンの座席に頭をぶつけた。
「と、友達か・・・・ハハハ・・・」
「?」
「あいつも可哀相な奴よね・・・」
ハハハ、と綾香は苦笑した。



                                  つづく
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こんにちわ〜。助造です。

ぐはっ!!また連載物やってしまった!!(汗)
しかも今回初のコメディだし・・・
本当に続けられるのか!?(爆)俺!

一応、書いてる途中はりーふ図書館120万ヒット記念、のつもりだったんですが・・・
いつの間にか120万ヒットあっさりと超えてしまっていて・・・
(いや、マジで昨日の夜中までは・・・)
いやはや、やはりすごい人気ですな。

題名の「Our time」っていうのは
和訳すると、「俺達(私達)の時間」っていう意味になります。
いやはや我ながら単純な言葉を選んだものですな。(爆)

このSS書いてて改めて来栖川姉妹っていいなぁ(≧▽≦)
と思いました。(SSの材料(超爆)としても、キャラ的にも好きです)

次はりーふ図書館が125万ヒット超えたらアップの予定です。


・・・ってすぐじゃねぇか!!(笑)