メタルギア・アヤカ 第二章 投稿者:助造 投稿日:9月9日(土)12時30分
メタルギア・アヤカ 第二章





「あ〜ぁ結局受ける事になっちゃったわ。」
綾香はぶつくさと文句を言っていた。

今日は20世紀最後の日・・・
私は浩之と21世紀を向かえる一夜を過ごす予定だった・・・

「それがまさか20世紀最大のテロの鎮圧に行かなきゃならないなんて・・・
 だいたいあの浩之が・・・悪いのよ拉致なんかされちゃって・・ったく・・」

綾香は大佐からの唯一の支援物資であるグローブ、シューズ、
そして大佐特製超高性能の寺女の制服を着ながら文句を言っていた。

「それにしてもこの制服・・・何で大佐が私の制服のサイズを
 知ってるのよ・・・・えっ?これって防具にもなるの?」

『そのとーり!!それは特殊な繊維を使った超ショック吸収型の制服だ!
 その制服なら下手な打撃攻撃などはまったく通用しない!
 そして、防水、防炎、耐寒の三つをかね揃えた
 ベン・ヤックマン特製超高性能制服なのだー!!』

「大佐・・・・私の制服のサイズどうしてわかったの?」

『部下に調べさせた!』

「・・・・・変態」


『Start The War』


綾香はさっきの事を思い出していた。
「ねぇ、大佐聞いてる?いくら出発前の検査だからといって丸裸にされて
 体中いじくり回されるこっちの身にもなって欲しいわ」

つい先程の身体状態検査のことだった。
綾香は裸にされて様々な精密検査を受けていたのだが、
やっぱりどんな検査であろうと裸にされていろいろされるのは
誰でもいい気分になるものではない。
本当は仕方のない事なのだが・・・

『だったら生きて帰ってきたら私の体をた〜っぷり調べさせてあげよう。』
くだらないギャグを言うのは大佐である。
「大佐・・・・こ・ろ・すわよ・・・・。」
綾香の目に殺意の色が浮かんだ。
『ま、まぁ、いいではないかあれがなければこの耳小骨振動式無線機も
 装着できなかったわけだし・・・』

大佐の声は耳に直接響いてくる。
なんでも大佐の言う話ではこの無線機ならば大佐達からの通信は敵に聞こえないらしい。
そして髪の毛に装着された高性能超小型カメラでこちらの様子を知る事ができるらしいのだ。

「な〜んかずーっと監視されてるみたいで嫌ねぇ・・・」
『まぁまぁ、そう言わないで下さいよ、綾香さん。』
この声は・・・・
「ねぇ、どうしてマルチがこの作戦に参加しているのよ。」
『はぅぅぅ!め、迷惑ですかぁ綾香さん!』
と、泣きそうな声をあげている。
「えっ・・め、迷惑じゃないけど・・・」
なんでも大佐の言う話によるとマルチは今回の事件の起こっている硫黄島の研究所に
居たことがあるらしく何か役に立つかもしれないという事で大佐が呼んだらしい。
『うっ・・うぅ・・一生懸命お役に立ちますので怒らないでくださいぃ・・・』
「あぁっ・・わ、わかったから、わかったから泣かないで、ね?」
まるで幼い子供と保護者である。
『うぅ・・・ず、ずびばぜん・・・』
(はぁ・・・マルチと話してると緊張感がなくなるわ・・)
綾香は苦笑いをしていた
。
『さて・・・もうそろそろ時間のようだ。潜水艇に搭乗してくれ。』
綾香は潜水艇に搭乗した。ゆっくりとコクピットが閉まる・・・・

(いよいよね・・・浩之、無事かしら・・・・)

ウイィィィィン・・・・ガシャン!!

バシュッ!!!

綾香の乗った潜水艇は射出された・・・・





12月31日  午後6時25分 硫黄島  HM研究所 開発会議室


「・・・それにしてもあんたの考えることには毎回驚かされるわ」
関西弁独特の言葉の発音が聞こえる。
「5000億やで、5000億。えらい事したもんやうちらも。」
その声の主は保科智子。
今回のテロの作戦を指揮している人物だ。

「・・・・・・・・」
「えっ?不安ですか?」
来栖川芹香がかすかに聞き取れるような声で訊ねる。
今にも消え入りそうな声だ。
「不安?何でうちが不安にならなあかんねん!うちが考えとったんは
 あの貧乏政府がそれだけの金をはらえるんやろか〜、っちゅうことや!」
その言葉を聞いて芹香はクス、と笑ったような感じがした。

「それにしても、政府の人からの連絡が遅いね、どうしたのかなぁ?」
テロリストという雰囲気にまるで当てはまらない声の主は神岸あかりである。
いや、そもそもこのメンバーを見て誰がテロリストと思うだろうか?
どう見てもただの女子高生にしか見えないだろう。
あえて違うところをあげれば全員がかなりの美少女、というとこくらいのものだろう。

「うぅ〜ん何をしてるんだろうね?」
「Well・・・・考えてもワカンないと思うヨ!!」
あ〜だこ〜だと全員が理由を考えていた。
「政府の連中は人質と国の信用がなくなってもええんか?」

そんな時・・・
「保科先輩!パトロール終了しました!藤田先輩の周りに異常なしです!!」
という元気な声と共に松原葵が部屋に入ってきた。

「ふぅ・・・葵、あんたな、別にパトロールなんかわざわざあんたがせんでも
 ええんやで?」
「はい。確かにその通りだと思います。でも、何かじっとしてられなくて・・・」
「別にそんなに緊張せんでもええんよ?まぁ、そこがあんたのかわいいところなんやけどな。」

「そうです・・・別にパトロールしなくても私の千里眼で・・・・」
というのは姫川琴音である。
「そうやで、葵。あそこにはえっちぃ藤田君がおるんや、気ぃつけんと、何されるかわからへんで。」

「こらーーー!!!委員長ーー!!なにバカなこといってるーーー!!」
「あら、きいとったんか。」
「盗み聞きはだめだよ。浩之ちゃん。」
「盗み聞きってな・・・おまえらのとなりの部屋(しかもガラス越し)だからしょうがねぇだろ!
 だいたいここはどこなんだよ!」
「・・・・・・」
「それにこの縄ほどけ!俺を監禁でもするのかよ!?」
自分が今世紀最大のテロの人質とは気づいていない浩之であった・・・
「・・・はぁ、藤田君てホンマにアホやな・・」
「ヒロユキ!今のギャグとってもInterestingだネ!!」
「・・・レミィ・・たぶん今のギャグじゃないよ・・・・・」
「なんか俺いろいろ失礼な事言われてるな・・・・・」

まぁ、確かに浩之がわからないのも無理はないのである。
彼女達は毎日学校で顔を合わせているメンバーなのだから・・・

「でも、来栖川さんはどうして藤田さんを拉致したのですか?」
「・・・・・・・・」
芹香は黙っている。
「まぁ、あんたのことやからちゃんとした理由があるんやろ?」
「私も聞きたいなぁ、その理由」
「え?藤田さんを拉致したのは藤田さんを私達だけのものにするため?」
「そ、そうなんですか・・・・」
コクコク・・・
「え?もうひとつ理由がある?それはなんですか?」
「綾香ちゃん・・・いえ、来栖川綾香の抹殺・・・・」
来栖川綾香・・・その言葉に場にいる全員が反応した。

「でも・・・どうしてですか?」
「綾香は・・・浩之さんの恋人です・・・だから・・・」

恋人・・・・場の空気が一瞬にして凍りつく・・・

「そうか・・・藤田君をさらえば来栖川綾香はここに来る!
 うちらにとってあいつの存在は少々邪魔・・・・」
「だからこの際一気に叩き潰そうってことなんだね!」
こくん。
芹香は静かにうなずいた・・・



綾香はすでに芹香の策略に嵌っていたのだ・・・・

綾香がその事に気づくはずも無く、

戦いへと夜はふけていく・・・・・


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硫黄島に到着した綾香。
そこには数々の罠と兵器が綾香を待っていました!
そして研究所で綾香が見たものとは!?

次回 メタルギア・アヤカ

第三章〜長い夜の始まり〜



こんにちは助造です。

キャラが増えたぁ〜!
いよいよ次から本格的に話の内容に入ります!

じゃあ、今までの話は何だったのか?

はっきり言うと余分なオカズです(爆)