メタルギア・アヤカ 第一章 投稿者:助造 投稿日:9月6日(水)20時45分
メタルギア・アヤカ 第一章


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ゴォォォォォォォ
「外は天気が荒れてるみたいね・・・」
綾香は外を見つめながら溜め息をついた。
「浩之・・・待ってるだろうなぁ・・・・」
そう言いつつ綾香は前にいる男を軽く睨み付けた。
男がそれに気づいているのか気づいていないのかはわからない。
ただ外の景色を見つめていた。


第一章『Before The War』


「で、何のようかしら、大佐?」
綾香は今、車に乗っていた。
いや、正確には乗せられていた。大佐と呼ばれる男に。
「私もひまじゃないんだけどなぁ。」
無駄とわかっていながら綾香は文句をいっていた。
今日は浩之と一夜をすごす予定だった。しかし今はどこに向かっているのか
わからない車に乗せられている。

さっき車に乗せられたと言ったがそれは事実である。
綾香は無理矢理車に引きずり込まれたのだ。
「ハタから見たらあれは誘拐よ!わかってんの大佐!?」
大佐と呼ばれる男は静かに頭を下げた。
「少し手荒な真似をしてすまなかったな。綾香君。」
「いや、グリーンリーフと呼んだ方がいいかな?」
大佐と呼ばれている男は言った。
「・・・グリーンリーフ、か。もう過去の事だわ・・・」
「そう、Leafの中で最高の称号である[リーフ]のコードネームを持つ者。」
「・・・・・」
「君ならもうわかるだろう?君を何故引き戻したのかが。」
「・・・・・」
「君の力が必要になった。我々に力を貸して欲しい。」
大佐と呼ばれる男はもう一度頭を下げた。

「はぁ?・・・何言ってるの?わたしは受けないわよ!」
「まぁ、話を聞いてくれないか。話を聞いてからでも遅くはないと思うが。」
綾香は少しキレそうになった。
「さっき言ったでしょ!私忙しいの!!」
綾香は車から出ようとしたが、もちろん車は走っているのでそんなことはできない。
外の景色が次第に人気のない場所に移り変わっていくのがわかる。
「まぁまぁ、落ち着きたまえ。今の君には話を聞く以外できることはないはずだ。」
「・・・・・」
「それに・・・
 君はこの任務を必ず受けてくれると信じている。」
ベン・ヤックマン大佐はこういった・・・





「・・・まぁいいわ。聞くだけ聞きましょう。」
綾香は速く話を進めたかった。ここで言い争ってもキリがないと思ったからである。
「そうか・・・それはよかった。」
大佐は優しく微笑むと話を続けた。

「今日午前8時、新型メイドロボの試験稼動に立ち会っていたLeafのメンバーと
 彼らの率いていたLeafの予備部隊が突如、蜂起。
 HM研究所のある小笠原諸島硫黄島を占拠。政府に要求を出してきた。
 明日の午前5時までに要求が呑まれない場合は核を発射するといってきている。」

「君の任務は捕らわれた人質三人の救出と、テロリスト達の核発射能力の
有無の確認、そして核が撃てるのであればそれを阻止する事だ。」

「はぁ?何で日本に核があるのよ!?」
「君は知らないだろうが今の日本の平和主義とは形だけのものなのだよ。」

大佐はしれっ、とした感じで質問に答える。
「君だってLeafの隊員だったのだからそれくらいのことがあってもおかしくない
 ことぐらいわかっているだろう?」
「まぁ、ね・・・」

綾香たちが話している通り今の日本の平和主義とは見せかけだけのものである。
国際的には他国の紛争の和平交渉の仲介人になったりと
平和的にしているが、裏では大量殺戮兵器の開発や紛争の支援などを行っている。
もちろんこの事は国外はおろか国内の人間でも知っているものは少ない。

「・・で、なんでLeafのメンバーがメイドロボの試験稼動に居合わせていたのよ!?」
「たてまえはメイドロボなんだが・・・少し危険なメイドロボらしくてな。」
「はぁぁ・・・なんでもかんでも偽りやたてまえだらけね・・・」
綾香は怒り半分呆れ半分でいた。
「硫黄島には住民も住んでおらず、辺りに島もないので核の開発がしやすかった。」
「・・んで、それを占拠されたわけね・・・バッカじゃないの?」
「そうだ。そして奴らは人質をとっている。」
「おてあげね・・・」
「人質は三人いる。HM開発主任の長瀬源五郎氏と国防省長官小林氏、それと・・」
「ずいぶんと豪華なメンバーね。」
「二人の事は知っているだろう?長瀬氏は今からの日本の産業の中心になるであろう
 メイドロボットの権威だ。彼を失うわけにはいかない。」
「まぁ、一応あのおじ様の事は聞いてるわ。なんでも世界有数の頭脳の持ち主だとか・・」
「そういうことだ。そして小林氏は・・・」
「あぁ、もういいわ。ようするにお偉いさんってことね。」
「そうか・・・では次は要求の内容を話そう。」

「・・・・・・」
「奴らが出してきた要求は5000億円だ。」
「5000億!?そりゃまたとんでもない要求ね。」
「奴らはこちら側の弱みを握っているからな。」
「弱み?」
「・・・君は明日が何の日なのかは知っているのか?」
「明日?21世紀の幕開けかしら?」
「それはそうだが・・・、START3の調印日だ。明日は。」
「START3の調印?そういえば明日だったわね。」
「START3は日本が米露の仲介人となって調印ができた核軍縮の条約だ。」
「そんな物が調印される前に日本が核をもってることがばれてみろ。
 もちろんSTART3の調印は取り消され、国連で非難を浴び、
 わが国の信頼は地に堕ちる・・・そんな事になるわけにはいかないだろう。」
「まぁ、嘘をついてる日本政府がわるいんだけど・・・」

「・・では次はこの蜂起に参加した奴らの詳細だ。」
「・・・・・・」
「この蜂起に参加したLeafのコードネームメンバーは7人いる。」
「サイキック能力を持つ姫川琴音。
 天才狙撃手の宮内レミィ。
 殺人格闘武術の天才、松原葵。
 天才球技選手であり、拷問のスペシャリストでもある佐藤雅史。
 Leaf一の頭脳を持ち、高い戦闘力も兼ねそろえる保科智子。
 数々の戦歴を持つ実戦部隊副リーダー神岸あかり。」
「これじゃまるでマンガの世界じゃない!!」
「そして奴らを率いるのがLeafの実戦部隊リーダー・・・」
「来栖川芹香だ・・」
「!!!??」
「君と同じリーフというコードネームを持つ女・・・」
「そんな・・・まさか姉さんが!?うそよ・・そんなのって・・・」
「これは事実なんだ・・落ち着いてくれたまえ・・・」
「・・・・・・」
「それと、コードネームメンバーの他にも1000人ほどの
 Leafの2軍メンバーがいる。2軍とはいえ奴らもかなり手強い。
 なんといってもLeafだからな・・・・」

「・・・で、潜入方法は?」
「はっきりいって硫黄島に空からの侵入は不可能だ。」
「なんで?」
「外を見てみろ。」
綾香が外を見てみると外は大嵐の大海原のド真ん中であった。
「・・・・なんで車が海の上にいるのよ・・・」
「この車は今、潜水艇に乗って硫黄島を目指している。」
「もう帰れないわけね・・・」
「しかし、このまま潜水艇にのって硫黄島まで行くこともできない。」
「どうして?」
「硫黄島の周りには水中受音センサーがついている
 そのままなら確実に潜水艇のプロペラ音を察知されるだろう。
 だから島に最接近後、小型潜水艇を射出する。もちろん君を乗せてだ。」
「しかし、いくらプロペラの音がないからってそのまま島につけるかしら?」
「その事も考えて島の100mまで接近したら君は潜水艇を破棄、
 それからは泳ぎだ。」
「お、泳ぎって・・・この冬の嵐の中を泳げって言うの!?」
「しかたないことなのだ・・・。」
「・・・装備は?」
「非公式の極秘任務だ。正式な支援はする事ができない・・・。」
「・・・・・他にメンバーはいるの?」
「今回の任務も単独での潜入任務だ。」

ブチッ!!

ついに綾香がキレたのだった・・・・
「バッカじゃないの!?装備も武器も現地調達?
 単独での潜入任務?この嵐の中を泳げ?
 ふざけないで!!
 私に死ねっていうの!!!」

ハァ、ハァ、ハァ・・・・

「私は受けないわよ!!ぜっっっっったいに受けないわ!!!」
綾香は早口でまくし立てた。

しかし大佐は冷静だった。
「私は先ほど{君はこの任務を必ず受けてくれる}といったな。」
「それには理由があるのだよ。」
「さっき人質は三人いる、と私は言った。そして最後の一人は・・・」



結局、綾香はこの任務を受ける事になる。

三人の人質の内最後の一人、

それは綾香の恋人、藤田浩之だったのである・・・・


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遂に任務を受ける事になった綾香。
浩之を救うために単身、硫黄島に向かいます!
そして浩之をさらった芹香達の真意とは?

次回 メタルギア・アヤカ

第二章〜Start The War〜



こんにちは。助造です。
続き書いてみました・・・・

設定が無茶苦茶ですね・・・・
いつから硫黄島は無人島になったんだぁ!(爆)(硫黄島に住んでる人すみませぇぇぇん!)
日本が核を持ってるワケねーだろぉ!(爆)
日本がSTART3の仲介人になるか!(爆)
説明ばっかで話に入ってないぃ!(爆)

精進しますっ!!・・・・いつか・・きっと(爆)



※START3

アメリカとロシアの間で結ばれた核兵器削減条約。
現在START、START2までが結ばれており、
近年、START3が結ばれると考えられている。