監禁調教 〜堕ちてゆく瑞希〜 投稿者:雀バル雀 投稿日:8月27日(日)10時13分


ぎちぎち

「くっ! た、大志!これはなんのマネよ!」


あたしは椅子に座らされる格好で、見事に縛りあげられていた。
解どこうと抗ってみるが、かえって荒縄が食いこんで、苦しい――


「ふふ、いい眺めだな。」


お得意のポーズ――グラサンを中指でくいと持ち上げ
頬を歪める。


「な、なにする気よぉっ!い、いまなら罪は軽いわよ!ご両親泣かせてもいいの?ね?」
「失礼な。まるで我輩が犯罪者のような言い様だな」
「女の子に睡眠薬のませて、縛り上げて監禁してるだけで、もう十分犯罪よっ!」


憤るあたしを、いつもの(どこからきてるんだか判らない)根拠の無い自信に満ちた笑いを浮かべて


「ふっ、あいかわらずのはねっかえり。
 ――だがしかーしっ!」

びしっと
眼前に指を尽き付けて
怯んだあたしに追い討ちをかけるように


「いつまで持つかな。その自信」
「ど、どういう意味……」


言葉が終わらないうちに、
あたしは大志の取り出した写真に、目を奪われる。


「…そ、それ…」
「ん? この写真がどうかしたのか?」
「くっ」


写っているのは…あ、あたしの部屋!?
そして――


「我輩の友人から借りた高感度赤外線・超小型カメラが捕らえたスクープ映像だ」
「な、なにがスクープよっ!この変態」
「なんとでも言いたまえ。マイ同志瑞希嬢、君の命運はこの我輩が握っている――といっても当たらずも遠からず」


そう。
こんな写真…誰かに見られたら…

ま、まさか…


「安心したまえ。誰にも見せてはいない」
「ほっ…」
「もちろん」


勝ち誇ったように、高らかに詠った


「和樹にも、だ」
「!」


ひらひらと、団扇のであおぐように
あたしの顔の前で泳がせて


「もっとも――和樹が『見たい』と言えば、大親友である我輩は断ることはできない」
「ぐっ」


逃げ道は塞がれた。
これを和樹に見せられたら――
記憶喪失になるまでエンドレスパワーボムか、2人を刺して「誰も知らない遠い海に行って死にます!」以外、道はない。

「では――司法取引といこうじゃないか。セニョリータ」


あたしは――


「わかったわよ」
「『わかりました』だろ? ん?」
「――わかりました。なんでも言うことをききます。だから、お願い…」
「う〜ん♪いい心がけだぞ」
「………」
「それでは――Let’sじゃじゃ馬ならし☆」


うなずく他なかった――









「はあ はぁ」
「どうした、ん?」
「おねがい…おねがいします…もうやめてっ!」


苦しい
おねがい…もう…ダメ…


「ほう。我輩には喜んでいるように見えるが」
「よ、喜ぶわけないでしょ!」


思わず声を荒げる。
けれど、抵抗もここまで。
我に返ったあたしは、己の無力さを悟るしかない。


「ふむ。せっかく和樹好みの“自分に素直な女”に変えてやろうと思ったのにな」
「だ、だれが…」
「ふふ、口ではそう言ってても」


ぱらり

写真を付き付けられ、耐えられず目をそらす。


「体は欲望に正直。――口では何を言おうと、な」
「くぅ…」
「『バカバカしい』と言いつつ、隠れてパラパラを練習する――そんな恥ずかしい女なのさ。認めたらどうかね」
「うう…」


頬に、熱い涙が
つうと糸を引いた。


「安心したまえ。今は苦しくとも、やがて快感に変わる。
 ――このプログラムが終了した時…君は我らゴッドハンドの一人として覚醒するのさ、がははっ!」
「い、いやよ! オタクなんてまっぴら………」
「さあ、観念して。一緒にありがた〜いビデオを見ようじゃないか♪なーに、モモちゃんの魅力が脳髄に凝り固まった常識の殻を、木っ端みじんにしてくれるだろう」
「いやぁぁぁぁ〜〜〜!」







(数ヶ月後――)



「はぁ〜」
「しっかし、まさか瑞希がコスプレなんてなぁ、あはは」
「…これで…あたしも立派なオタクか…はぁ…」


   おしまい

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