あかるい家電生活 投稿者:雀バル雀 投稿日:7月18日(火)23時27分
はじめまして(ぺこり)雀バル雀と申します。
To Heartやったのかなり前なんで、いっぱいへんなトコあると思うけど、ご容赦ください(あと、内容のほうも)

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巷でうわさのメイドロボが、ついにうちにもやってきた!
淋しい男やもめの一人暮らしだって、これからはバラ色さっ!

スイッチ……オンっ!

「………」

うぃぃぃぃん…


  『あかるい家電生活』



「脱げば脱ぎっぱなし」

マルチはうざったげに俺の脱ぎ捨てたズボンをつまみあげると
洗濯かごにポイ。


「ご主人様ー!さっさとお風呂にはいってくださーい。お洗濯がすすまないじゃないですか」
「うるせー!仕事から帰ってきてつかれてるんだよっ!」


連日の残業。
風呂に入る気力さえ、残っていない。


「もう。帰ってきたらすぐゴロゴロ。どいてください!お掃除ができませんですぅ」
「………」


ぷっ

ケツから、気力の燃え滓が
これが返事だ


「うわー!くさいですぅー」
「おめー、においなんてわかんねーだろがっ!」
「不潔ですぅー。だから30にもなってチョンガー(死言)なんですよー」
「うるせっ!安物メイドロボがっ!」

か〜ん

手元にあったティッシュの箱を投げつけてみるが
しょせん相手はロボット。
しかも俺が買ったのは一番耐久性があるやつなので
こんな攻撃へでもない。

「あわわ…ロボット虐待ですぅ」
「なにが虐待じゃあ!虐待ってのはなぁ、こういうのを言うんじゃぁ!」

残された力を振り絞ってアリキック。


が〜ん

「うぎゃああ!」

か、かてぇ〜。


「ひ、ひどいですぅ。ロボット家庭裁判所に訴えてますぅ」
「おまえ…どうみても……被害の大きいのは…お、おれ…」


足を押さえて、涙ながらにころがりまわるご主人様。
涙で曇った視線の先で、心配そうにこちらを伺うマルチ。


「大丈夫…ですか…うっう…わたし…」
「わー!大丈夫だから、泣くなっ!な!」


マルチは涙でグシャグシャになった顔を拭くと


「なーんだ。ご主人様って人間にしては耐久性高いですぅ」
「オイ!治療くらいしろっ!」
「自分でやってくださーい」


ナメたことに、薬とばんそうこうをほうりなげてくる。


「………」

しかも、薬はムヒ――


「…人間を…人間をナメるなぁ!」


がしゃーん!

豪快にちゃぶだい返しっ!
畳に広がる、急須からこぼれたお茶…

「あわわ…せっかくお掃除したのに…あんまりですぅ〜」
「なにが“あんまりですぅ〜”じゃぁ!この不良品がぁ」
「コンピュータは正常だと判断してますけど…」
「うっせぇ!人間の奴隷のくせにぃ、あんまりフザケタこと言ってると、たたき出すぞぉ!」

怒りのあまり、一気にまくしたてた。

「………」

勢いに圧されたのか、マルチはしばらく呆然
やがて――


「ふふ…あはは!」
「な、なにがオカシイ!」


にっこりと、毒っ気の全く無い笑顔で


「いいですよ。処分なさるならご自由に。――ローンがあと30回も残ってるけど、それでもいいのなら…」
「…てっ、てめぇ…」

震える拳
マルチはさらっと言ってのけた


「私はご主人様のものなんですから♪」


ぶち
堪忍袋が切れた音


「だいたい、30年間童貞で&仮性包茎のご主人様が、私のようなかいがししい彼女を見つけるなんて、私のコンピューターによると確率0.05%弱」
「………」
「もう、ほんとにご主人様って、私がいないとなんにもできないダメ人間……」

「ダメ人間で悪かったなぁぁぁ!」

「――へ?」

ばきぃぃぃぃぃ!





<後日、来栖川エレクトロニクス――>


「長瀬主任!――全国の量販店から返品が続々と!」
「消費者から苦情が相次いでいますっ!」


「うう…なぜだぁ!ロボットに『母性』と『婦性』を与えたのが、神の怒りにでも触れたと言うのかぁーっ!」


「…あんたの感覚が偏りすぎてんだよ」
「でも、人間の女性に近づければ近づくほど、やっぱこうなるんじゃねーの」
「俺、ド○ミちゃんみたいなのがいーな」
「うんうん」


  <おしまい>

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バカっぽいのですんません(^^;
気を悪くなされたらごめんなさい。
ヒロユキちゃんのところにいたヤツとは別モンということで、堪忍してやってね。
では、失礼しました。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/8321/