ある日のこと。 浩之はふとしたことを思い付き、あかりとマルチの二人を呼ぶ。 「はい、何でしょう! 浩之さん」 マルチがいつもの元気な調子で尋ねてくる。 「なあに? 浩之ちゃん?」 あかりも、いつものように小首をかしげてやってくる。 その瞬間、浩之はすっと右手を差し出し、一言。 「お手」 「え、え、え、えっと、ひ、浩之ちゃ・・・」 ぽふっ! という音と共に 「はいっ!」 というマルチの声が重なって、浩之の右手にマルチの右手が乗る。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 この勝負(って、いつから勝負になったんだ?)マルチの勝ち〜 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 初投稿の「笹波 燐」と申します。ネット初心者ゆえ、いろいろと迷惑をかけて しまうと思いますが、よろしくお願いいたします。