あの月を落とせ!! 軽く俯いた…。 そして、カッと目を見開いた。 僕達の前には、綺麗に満開の花をつけた桜の木があった…。 ガッ!! 手に持った、鉄パイプで桜の木を殴りつけた。 桜の木は、木の皮が破れ、大きく陥没した。 暗い夜の空には、綺麗な月が輝いていた…。 僕達は、ガソリンの入ったポリタンクを手に取り、桜の木へと余すことなく、 ふりかけた。 そして、マッチに火をつけ、桜の木へと投げつけた…。 辺りがパッと明るくなり、桜の木から、下卑た炎が舞いあがった。 その、炎に照らされた僕達の顔は、それに負けるとも劣らない下卑た笑みを 浮かべていた…。 そして、僕達は関を切った様に大笑いをはじめた。 「アーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッッハッハッハッハッ!!」。 その、笑い声が辺りに大きく響いた……。 桜の美しい花びらは、ガソリンの炎に巻かれ、心地よい香りはガソリンの臭 いによって、かき消された…。 僕達は、その木が、もう2度と綺麗な花を咲かせられないのを確認すると、 その場を後にしようとした。 振り向きざまに、今だ燃えさかる桜の木に中指をつき立てた。 ついでに、空に輝く月に向かってツバを吐きかけた。 僕達は、キレイなものは、全て破壊する。 それは、僕達がとても醜いから。 だから、キレイなものを見ると全て破壊したくなる。 いつかは、あの空高く、美しく輝き、僕達を見おろす月だ…。 僕達は誓い合った……。 あの月を落とせ!! 【END】 コメント ク・・・クライ・・・、それに、ダーク・・・・。 読んでくれてありがとう・載せてもらってありがとう。