スパイラル電波 投稿者: スマッシング バカ

連載小説  『スパイラル電波』   第1回

                         『秋休みが来てる』


 時は、秋の季節だった。

 夏の暑さを忘れた人々が街中をひしめく穏やかなとき・・・、

 僕達は、秋休みを目前に控え、いつもの場所ですごしていた。

 ここ、謙一の家で僕達6人(伊達、山田、磯部、鈴木、江畑、原)は、

いつも通りくだらない事ばかりしゃべっていた・・・。

 「何にもする事がねー、ヒマだー」。

 山田がそう言った、

 「しかたがない、最近はもう慣れた」。

 謙一がそう返した、

 「秋休みがもうすぐ来るって言うのに何も、もりあがらねえなあ・・・」。

 鈴木がベッドに寝転がったまま言った。

 「前の夏休みの時の京都で野宿なんて嫌だぞ」。

 江畑は、本を読んだままそう言った。

 「お、お、俺(おげ)は、もっと金のかからんことしたい」。

 原がどもりながらそう言った。

 「俺は、そんな事より、とりあえず形だけでも彼女が欲しい!!」。

 磯部が興奮気味にそう言った・・・。

 みんなから一斉に軽い溜め息がもれたような気がした・・・。

 そう、僕達はヒマだった、高校2年をむかえ何も変わりばえのしない毎

日で、いつもの顔ぶれと共に10代後半を過ごしている。

 でも、これが一番良い青春なのかもしれない、下手に現状を変えようと

いうのも愚かな事だと思う。

 そうしていると、つけっぱなしにしているテレビからニュース速報が流れ

だした、

 ”「今日、午後2時26分頃、タレントのアフロ波江さんの母が何者かに

  惨殺されているのが発見されました、犯人は駆けつけた警官にその

  場で逮捕されたもようです」。”

 僕達は、一瞬静かになりそのニュースを見ていた、そして鈴木が、

 「おもろいニュースやないか、酒鬼薔薇以来のデカイ事件や」。

 と言った。そして、続いて江畑が、

 「もうすぐニュースで詳しい事いうぞ、良い暇つぶしが出来たぞ」。

 「は、は、早くやら(が)んかなー」。

 原が、どもりつつ、ら行をいえず言った。

 僕達は、チャンネルを変えしばらくそのままテレビを見ていた。

 やがて、特別ニュースのような感じで続報が始まった。

 ”「アフロさんの母は、自宅に居たところ何者かが家に侵入しその者

  にボウガンのような物で撃たれ、持っていたナイフで全身66ヶ所

  刺され、そのまま即死したもようです、なお、近所の住人がアフロ

  さんの家から絶叫が聞こえたため、警察に通報したところ警官が

  駆けつけた時には、すでに殺された後でした。・・・・たった今、新

  しい情報が入りました、犯人は男(♂)で、17歳の少年ですその

  少年は、警察の事情聴取で犯行動機について、

  ”「黒幕は俺じゃない、黒幕が電波で僕を殺そうとした、だから殺し

   た、全ては世界の平和のためだったんだ、でも違った螺旋の電

   波が僕を本当のサムライにしてくれた、みんな俺に殺されたがっ

   ているに違いない、俺は本物のサムライだからだから殺した、気

   がついたら俺は泣いていた、黒幕が僕を見捨てた、だから殺した

   もうどうでも良かった」”
  
  と、意味不明な事を言っているようです、警察は薬物使用の疑いが

  強いとして、深く追求するもようです」。

  聞いていた謙一が、

  「ただのキチガイやん、アホがいかれてやっただけや」。

  続いて、ニュースが言った、

 ”「犯人の身元が判明しました、犯人は県立津西高校2年丸山進也

  (17)ということです」。”

 僕達に、戦慄が走った・・・、まさかと思ったが直後に顔写真がうつっ

 た時、僕達の知っている丸山だと判明した。

 「いっ、一体どう言う事や・・・、!?」。

 磯部が、完全に動揺した声で言った。

 「わ、わからん、し、信じられん・・・」。

 山田が、あぜんとした声で言った。

 みんなは完全に声を失い、そのままテレビの画面を見る事しかでき

なかった・・・。

 【明日からは、秋休みダッタ】・・・・・。

                         つづく

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コメント

メチャクチャ疲れた・・・、かなりシリアスでハードだがどうだろう?

2時間かかった・・・。

書き上げる自信なし・・・・。

読んでくれてありがとう!!   ノベルブレイカー鈴木