鳩言う奴が鳩じゃ:逆襲の由綺回答編 投稿者: 捨てぃ猫
というわけで、即興小説コーナーの皆様はじめまして。リーフ伝言板の方で活動している、「捨てぃ猫」という者です。どうぞよろしくお願いいたします。
さて今回は、リーフ伝言板ではおなじみ、ARMさんの「鳩言う奴が鳩じゃ」のお題の一つである「逆襲の由綺」の回答編をお送りしたいと思います。それではどうぞ〜

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「鳩言う奴が鳩じゃ:逆襲の由綺回答編:由綺の奇妙な冒険」

それは、日本で最も「濃い」街、秋葉原の大通りに面するとある大ゲームメーカー直営のゲーセン(バレバレ)での出来事であった。
「彼女」が来訪したとき、その場にいた店員、ゲーマーともども「彼女」の持つ「何か」に圧倒された。そう、擬音でいえば、「ゴゴゴゴゴゴ……」というような、「何か」に。
さらに驚くべき事は、クレーンゲームを「彼女」がプレイしたときであった。「彼女」はレバーやボタンに「一切」触れることなく、クレーンを操作していたのだっ!!
しかも、その操作は正確で、次々とクレーンゲームの景品をゲットしてゆく。
「彼女」は何者なのだ、周囲にはそういう「恐れ」にも似た空気が流れていた。
あまりにも「彼女」が景品を取り過ぎるので、見るに見かねて、ある店員が恐る恐る「彼女」に注意しようと近づいた。
「あの〜、お客さん、あまりゲームの景品を取り過ぎるのは他のお客さんに……」
そこまで店員が言ったときである!
「彼女」が振り向いた。その目は、悪魔のような目をしていた。その一瞬後。

店員は、数メートル先に吹き飛ばされていた。

「!!!???」
周りにいた全員は、何がなんだか分からず、混乱した。「彼女」が振り向いたその瞬間、店員が吹き飛ばされたのだ。しかも、「彼女」が「振り向いた」だけで。
「い、今の何だ!?」
「振り向いただけで店員が吹き飛ばされたぞ!」
ひそひそ声で今の現象を語り合うギャラリー達。しかし、彼らに今、何が起きたのか理解できなかった。
その中にいた1人が、それとはまったく別なことに気が付いた。
「あれ、彼女、『森川由綺』じゃないか……?」
「えっ、森川由綺……!?」
見てみれば、「彼女」は明らかに、アイドルの森川由綺であった。新人王争いを同じ事務所の「緒方理奈」と争い、それに敗れ、しかも恋人を寝取られたスキャンダルが発覚し、その後エジプト(←ポイント)へ旅立って行方不明になった悲劇のアイドル……。
「由綺ちゃんがなんでこんなところにいるんだ!?」
「さあ、俺は知らん。でも、盛り上がりはすごかったせいで零落れるのもはやかったよな〜。特に恋人を寝取られてから」
「おい、聞こえていたらどーするんだよ!?」
と、「禁句」を口にした男を、諌めようとしたその友人であったが、

遅かった。

再び、由綺の目が輝き、彼女の悪口を言った男とその友人は次の瞬間、全身にナイフを浴び、近くにあったクレーンゲームの大きな筐体の下敷きになっていた。
「ま、まただ!!また『何か』が起きやがった!!」
「どうやら、由綺ちゃんが関係していることは事実だけど……」
その場にいた面々はない知恵を絞って推理する。その時、誰かがつぶやいた。
「これって、どっかで見たような……」
ゲーセンの前に緒方事務所所有のベンツが到着したのは、ちょうどその時だった。

緒方理奈は、その時、仕事で秋葉原付近を通る途中であった。秋葉原を通り道とする芸能界のお仕事ってなんだ、といわれても、突っ込まないよーに。
彼女は、仕事続きで、車の中でうとうとしていた。今や彼女の独占物となった、冬弥(仮名)の事を思いながら……。
車が秋葉原駅前付近に差し掛かった時であった。彼女の持つ「それ」が、「それ」と同様の「力」を感じた。そう、「時」すらをも止める、強大な力の存在を……。
「まさか……。『彼女』がここにいるのね!」
理奈はそう思うと、口元を歪めた。そして、運転手にこう告げる。
「運転手さん、あそこのゲーセンの前で止めて。」
「どーしたんですか、理奈さん!?」
運転手が驚きの声をあげる。それに、彼女は笑いを含めながら言った。
「あたし、どうやら探していた人を見つけたようなの。その人と、『決着』を付けないとね。」
そう言いながら、彼女はポケットから「何か」を包んだ布を取り出した。それを開くと、中には一本の「矢」が収められていた。

「由綺ちゃん、『スタンド使い』じゃないのか……!?」
そのギャラリーは、その仮定を小声でつぶやいた。
「す、スタンド使い……!?」
もう1人の男が驚きの声をあげる。その時、入り口の方から若い女性の声がした。
「見つけたわ、『森川由綺』さん。いや、今は『DIO森川』といった方がよいでしょうね。」
由綺も含め、その場にいた全員が入り口の方へ振り向く。そこには、人気絶頂のアイドル、緒方理奈の姿があった。
「お、おい、今度は緒方理奈が来たぞ……!!」
「『森川由綺寝取られスキャンダル』のもう一方の主役か……!」
「理奈……!!」
由綺が初めて言葉を発した。その声は、怒気を含んだ、威圧感たっぷりのものであった。それを無視するかのように理奈は平然と言葉を続けた。
「由綺、あなたがエジプトへ旅立って行方知れずになったときは、正直言って私も責任感感じた。でも、あなたがなんでエジプトへ旅立ったかを知ってから、あなたに再び憎しみを感じた。……『これ』を探していたのね。」
そういって理奈が左手で見せたものは、一本の『矢』だった。驚きの顔を隠し切れない由綺。
「人に刺せばその個人に『幽波紋(スタンド)』の力を与える『矢』。あなたはこれを探しにエジプトまで旅立ったのね。そして、どういう経緯だか分からないけど、それを探し出し、自分に刺したのね。そして……、あなたはスタンドを手に入れた。」
「理奈、……あなたは何故、その『矢』を持っているの!?」
由綺はそう理奈に問い掛けた。その問いに理奈は彼女に微笑みを返した。
「私の知人に長岡さんて人がいてね。そのさらに知り合いに来栖川重工のお嬢様がいてね。その母親がなんでもオカルトに傾倒していてその筋のコレクションをしているのよ。で、その中から見つけ出したのがこれなのよ。」
「理奈……、あなたも刺したのね!?その『矢』を……」
「ご名答。」
「なんで、なんであなたはそう、人の持っているものを欲しがるの!?」
由綺のその問いに理奈は寂しく笑ってこう答えた。
「それが……、それが、私の持っている『性(さが)』なのかもしれないわね……。
……決着をつけましょう。あなたの『パウダー・スノー』が強いか、私の『サウンド・オブ・ディスティニー』が強いのか……。」
「望むところよ……、理奈。全ての決着をつけるために。」
ギャラリーはその言葉で、何が始まるのか見当が付いた。そう、スタンド同士の戦いが。逃げ出そうとしても、それは無理だった。彼女らには、「時」を操る能力があったのだから。
「パウダー・スノー……」
「サウンド・オブ・ディスティニー……」
「ザ・ワールド!!」
二人の声が重なり、全ての時が静止した。

そして、戦いが始まった。

To be Continued……。

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といっても続きませんけど(笑)いかがだったでしょうか?もしかしたら、「鳩鳩」以外でもここにカキコする機会があると思いますので、その時はどうぞよろしくお願いいたします!それでは、アデュ!!