えるくぅ家族カシワギ4〜It's a 狩猟 time〜 投稿者:七草武光
俺は柳川(CV:子安武人)、職業は刑事。
獲物を狩るのが三度の飯より好きなナイス・ガイだ。
だがあの柏木耕一とか言う男に不覚をとって以来、狩りもせずに仕事三昧。
奴に勝てるだけの力をつけるまでは、うかつに動くわけにはいかんからな。
だがやはりそれではストレスがたまる。

だから。

今日も今日とて殺人現場のガイシャやら、(管轄外だが)飛び込み自殺の
マグロやらを見て心和ませているというわけだ。
現場ではせわしなくフラッシュがたかれ、鑑識や同僚どもが動き回っている。

ふう。
大体やつらに命の芸術というものが分かるのかね。
命の芸術……それは………

飛び散る血飛沫!

砕ける肉片!

のたうつ内臓!

とどろく悲鳴!

そしてはじける命の炎!!

これがぁっ、狩りだ! これがっ! げぇぇぇぇぇぇぇぇっ! じゅつっ! だっっ!!

……でも誰も分かっちゃいねえんだよなあ。

そろそろ見飽きたな。帰るとするか。
ふと、駅前のゲームセンターの前を通りかかると、

「あ、この人形かわいい!」

とかいって小学生がUFOキャッチャーをやっている。
ふん、ガキは平和でいい。いつか狩ってやる。
……ん?待てよ。
俺は腕時計を見る。

PM 6:47

なにい!!
このくそガキ、俺の目の前で6時過ぎにゲーセンで遊ぶとはいぃぃぃぃい度胸だ。
小学生は6時までしかゲーセンで遊べぬ決まり、知らんとは言わせんっ!
狩って……いや、補導してやる!

「おい、そこの小学生! こんな時間にゲーセンで何をしている!!」

がしっ

俺が肩をつかむと、

「え?」
その小学生は振り向いた。
変な癖っ毛の女だ。
いや。
こんな凸も凹もないようなつるぺたは女とは言わんな。
やはり女は胸ではさめるぐらいじゃないとな。

「…………?」

ガキはよく分かってないって顔だ。
まったくガキは物分りが悪くていけない。

「小学生がこんな時間にゲーセンで遊んじゃいけないだろ、ん?」
俺はもう一度凄みをきかせて言ってやった。

「………う」
………………ぐすっ

何だ?

「わたし、小学生じゃないもぉぉーーーーーーーーん!!」
びーーーーーーーーーーっ!!

ガキは泣きながらパスケースを俺に突きつけた。
……学校の身分証明証だ。

…………。

「なになに、なまえは柏木初音……、学校は…………
 な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃ! じゅううごさいだぁああ!?」

びいいいいいいいいいいいいいい!!

ガキの泣き声はさらに激しくなった。


−−−−−−−−−−

そのころ、


「……泣いている。」

伝説のくり○むレモンを鑑賞中にえるくぅイヤーで柏木初音の悲鳴を聞きつけた
東京在住のロリコン大学生は、フェイ・ウォンの歌を口ずさみながら時間圧縮で
隆山へと駆けつけていた・・・・・。

−−−−−−−−−−


ちっ、びーびー泣きやがってこれだからガキはいやだって言うんだ大体リー
フには巨乳系のキャラが少なすぎるんだつるぺたの胸じゃ揉みがいもないし
ぱいずりもできなきゃ胸枕もできないんだぞああそう言えばホワイトアルバ
ムには巨乳の姉ちゃんがいるって言うなそれもかなりのテクニシャンらしい
し今度ぜひともお願いしたいなでも俺もテクニックでは相当なもんだしって

まぁーぁそれはさておき、ここはなんとか泣きやませないとな。

「ああー、ほら、お兄さんがとっておきの芸を見せてあげるから、
 それで機嫌を直してくれたまへ」

「……ひっく……えっく………」

それでは。

ふぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

「秘技! 顔だけ鬼っ! 変んんんんんんんんっ化っ!!」

めきょまきょげきょげきょ!!!

どおおおおぉだっ!これこそ…………



「きゃあああああああぁああぁあああぁあああ!!」
びぃぃぃーーーーーーーーーーん!!

な、なぇぜだぁあああああああ!?
去年の忘年会で、長瀬のくそ親父以下上司連中にもうけまくった大技だぞ!?

っえええええええいっ!!こうなったらっっ!

「超必殺! (ぴーーー)だけ鬼っっ! 変んんんんーーーーーーっ化っっ!!」

むきょむきょべきゃばきゃっ!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・。


しばらくお待ちください



「いぃぃぃっぃっぃぃやぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!!」


なななななじぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
この間の慰安旅行で、婦警さん方を阿鼻叫喚の地獄絵図に叩き込んだ伝説の超必殺隠し芸だぞぉぉぉぉぉ!!

「こおおおおなったら未だ未公開のとっておき中のとっておきの秘技……」
「どうした初音ちゃん!!」

「耕一お兄ちゃんっ!」
「なにっ!」

あ、あれはまさしく柏木耕一! なんでこんなところにっ!!
……そうか、この小娘、柏木耕一の血縁者か!


「こうい……お……ふえぇぇぇぇぇぇぇんっ!!」


小娘は柏木耕一にすがりついて泣いていた。

柏木耕一は俺を見る。

そして小娘を見る。

一秒。



「柳川ぁ……てめえ初音ちゃんを押し倒そうとしやがったなぁぁぁぁ!!」

………………。

「ちっがぁぁぁぁぁぁぁぁううううう! 話を聞け……」
「聞く耳なんぞ持つかっ! 狩る! 思うさま狩ってやる!!」

いいいいいいかん、このままでは……とりあえず、

       逃ぎゃっ!!

「あああってめまてこら逃げるかっ!」

どだだだだだだだ…………



「あれ? どしたの耕一、そんな慌てて?」
「あ、梓、実は柳川が……」
「な……なにぃぃぃぃ!?」
「だからおまえも柳川を探してくれ!」
「分かったっ!!」

だだだだだだだ…………

「あら? 梓、どうしたの?」
「ちょうどよかった千鶴姉、落ち着いて聞いてくれ。
 じ、実は……
 初音が、柳川のやつに押し倒されたんだっ!!」
「ええええええっ!?」
「というわけで千鶴姉もあいつを探してくれ! なんとしてもぶちのめすっ!」
「わわわわ分かったわ!」

たたたたたたた…………

「……どうしたの、姉さん?」
「ああああ楓楓大変大変っ! 初音が、初音が……」
「初音が?」
「くくっくくくくくっくっくっくっ……」
「何がおかしいの?」
「そうじゃなくてっ! く、『くわれちゃった』のよ! 柳川にっ!!」
「………………!?」
「それにしても両刀使いにして巨乳好きの柳川がなんで初音を?
 ……まったくこれじゃ私が初音に劣るみたいじゃないの!
 ………! さては将来性を狩った光源氏計画!?
 そりゃあ私はもう成長期を過ぎてるけど……
(私のかわいい妹になんて卑劣な真似を!ここはなんとしてもあの柳川に
 正義の鉄槌を下さなければいけません!!)」
「……姉さん、思ってることと言ってること、逆」
「………………てへっ」

ててててててて…………

「ああっ、楓ちゃん! た、大変なんだ!」
「……耕一さん。私も大変なんです。実は……」
「初音ちゃんが!」「初音が……」
「……なんだ楓ちゃんも聞いてたのか。」
「はい。初音が柳川に阿部貴之のマンションへとつれこまれ、手と足を鎖でつながれて
 薬を飲まされた挙句にあんなことやこんなことやあまつさえそんなことまで
 されたということくらいは……」
「ななななにぃぃぃぃぃぃぃ! そんなことまでっ!!」
「―――しかも生」



「「「「鬼狩りだぁっ!!!」」」」



「俺がいったい何をしたぁぁぁぁ!!」

叫んではみても柏木一族の追撃の手は緩まない。
俺はそりゃあもう必死に逃げていた。

「耕一さんは、そっちから回りこんで!」
「ちいっ、逃げ足のはやいっ!」
「大丈夫、こんなこともあろうかと援軍を呼んであるから!」
「援軍って……梓姉さんの知り合い?」

がらがらがらがら………

「あずさせんぷゎーーーーーーーーーいっ!!」
「おおっ、かおり! 頼んどいたもん持ってきたか!」
「はい! 梓先輩のお願いですもんっ、リヤカーいっぱい持ってきました!!」
「リヤカーいっぱいって………げ。」
「よーしでかした! 早速いくぞ、それそれそれそれぃ!!」

ひゅん! ひゅん! ひゅん! ひゅん!

「うおおおおお槍が槍が槍が槍が!」

「ていていていていっ!!」

ぶん! ぶん! ぶん! ぶん!

「砲丸が砲丸が砲丸が砲丸が!!」

「てえええええええええええええええりゃあああっ!!」

びゅううううううううん

「ハンマーああああああああああああああ!?」

   ごげんっ!!

「げふうっ!」

「よっしゃあ、ヒット!」
「おおっ、さすが陸上部」
「やりましたね、梓先輩! では早速ご褒美をっ!!
 できればそのナイスな肉体中心に支払っていただけるとかおりとっても感激っ!!」

がしっ!

「へ?」
「ついでにおまえも飛んでいけええええええええええ!!」

どっぎゅうううううううううううううううんっ!

「梓先輩ひどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」

「今度は人間んんんんんんんんん!?」
「いやあああああああっ、男ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

ひゅるるるるるるるるるる………………
                   ……ごげすっ

「おおおおっし、クリットおおおおお!」
「……セッションでもこのくらい回るといいのに」
「いつもはファンブルばっかりだものねぇ」
「…………3人とも、専門用語を使わないように」



「ううむ……はっ!」
「もう逃げられんぞ、柳川!!」

くっ、囲まれたか……

「言っても無駄な気配だが、……誤解だ」
「「「「それが遺言か?」」」」

やっぱしな……だがっ!

「超絶秘技! 変形! 高速移動モード!!」

がきょん! ぐるん! ぐわっきーーーーーーん!

   ・
   ・
   ・
   ・
       「………ふうっ」
「ぎゃあああああっ!」              「うえええええぇぇぇ……」
            「ああっ、楓が泡を吹いて倒れ……」

今だ! いくぞ、5WD、時速200km/h!

しゃかしゃかしゃかしゃか…………



「うぷっ……柳川が……逃げ…うえぇぇ」
「あたし……腰が抜け……あれ?」
「……どうした?」
「千鶴姉は?」
「……あれ?」



しゃかしゃかしゃかしゃか…………

ここまで来ればもう……

しゃかしゃかしゃかしゃか…………
                            「何を―――」


  しゃかしゃかしゃかしゃか…………
                   「そんなに―――」


    しゃかしゃかしゃかしゃか…………
         「急いでるの―――」


      しゃかしゃかしゃかしゃか…………
  「かしら―――?」

っなにぃぃぃぃぃぃぃぃ!?


「柏木千鶴っ! 貴様 、どうやって追いついたぁ!?」
「ふっ、そんなもの、この私の傷つけられたプライドに比べたらなんてことないわ!」
「何の話だ! ってゆうか、答えになってない!」
「……姉を差し置いて、妹を食いましたね」
「姉が先ならいいんかい」
「…………コロス」

ひいいいいいいいっ!
こんな間抜けに命の炎を散らすのはいやだあああああ!


そのとき!


「お姉ちゃん!」「千鶴姉!」「姉さん……」「千鶴さん!」

「みんな……初音!」
「千鶴さん……初音ちゃんに聞いたんだ、なんか誤解だったらしい」
「え……誤解?」
「うん……実はね………」

ごにょごにょ……

「……なるほど。そんなことがあったのね」

た……助かったああああああ!

「やれやれ、やっと誤解だと分かってくれたようだな。
……まったくおまえら柏木の者はそろいもそろって人の話を聞かないというか、粗忽者と
いうか、特におまえら四姉妹のへっぽこぶりはほんとに前世が皇女だったのかというなん
だおいその目はやるのか……」

           ・
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           ・
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   柳 川 刑 事   殉 職(ちーん)

   死 因: 公 然 猥 褻 罪


―――――2時間後

ちゃらちゃーーー……ちゃらちゃああああぁぁ…………

「………そうか、柳川が逝ったか……」

何遠い目してブラインドの隙間広げてるか、長瀬。