電波っ子!月島くん!! 投稿者: 七草武光
・・・電波だ。
・・・悪しき電波だ。

・・・加えてねじの一本抜けた電波だ。

誰のかなんて聞くだけ野暮ってもんだ。

『うひょひょひょひょひょ、エロゲーはやっぱりええのお!!』

やれやれ、まただよこの人は。
なにやってんだいったい?

『な・○・さ・ちゃーーーーん!!』

なぎ○ちゃん?

『○ぎさちゃんっていっても少年サ○デーの天才長距離陸上選手のことじゃないぞぉ!』

随分説明的な電波だな。

・・・うあ、『M(ぴー) IN H(ばきゅーん)』だよ・・・・。

『この「お兄ちゃん」がここぞと言うとき(?)に「ご主人様」に変わるのがたまらーん!!』
「あの・・・、」
『俺にもぉぉぉぉぉぉ!俺にもご奉仕ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』
「おいこら・・・」
『ああもう下の口がたまらーん!!!!ティッシュ、ティッシューーーーー!!!』
「・・・・・はいティッシュ。」
「ああありがとう、これで心置きなく・・・、って長瀬ぇぇぇぇぇ!!」

やっと気づいたか。

「なぜに、どうして二階の窓からぁ!!いやそれよりも、いつから覗いてたぁ!」
「『電波っ子!月島くん!!』のあたりから・・・」
「タイトルからかぁぁぁぁぁぁ!!!俺の、『お兄ちゃん』と、メイドさんに対する、熱く、激しい、
魂の慟哭が知られてしまったぁぁぁぁぁぁ!!!!」

そんなたいそうなもんかい。

「なんにしてもやるせねぇ!郵便ポストが赤いのも、みんなやつらの陰謀なんだ、スティーーブ!!!」

誰だそりゃ?まあともかく、

ぢりぢりぢりぢりぢりぢりぢりぢりぢりぢりぢりぢりぢり

「はおうっ!!」
「おちつけ。」



「で、今日は何のようだ、長瀬。」
「ええ、リーダーが呼んでいるんで、迎えにきたんです。」
「・・・・リーダーって、何の?」
「いやだなあ、オカルトサークル『エグリゴリ』のに決まってるじゃないですか。」
「・・・・・・おまえはいつからそんなサークルに所属してるんだ?」
「いやだなあ、月島先輩だってサークル初期メンバーじゃないですか。」
「いつの間にそういう事になった!!」
「いやだなあ(ちりちり)、最初からに(ちりちりちりちり)、
決まってるじゃ(ちりちりちりちりちりちり)、
ないですか(ちりちりちりちりちりちりちりちり)。」
「・・・ウン、ソウダッタヨネ。ナガセクン。」
「さあ、行きますよ。」
「・・・ウン、イコウ、ナガセクン。」

やれやれ、手間のかかる人だ。

「・・・・・・・・・・。」
「『これより、《エグリゴリ》第13回定例会を行います。』とおっしゃっています。
あ、ちなみに私、副リーダー兼通訳の姫川琴音です。」
「説明的な挨拶、どおもありがとう。」
「で、なんで俺までここにいる!?」

ちっ、さすが電波属性、立ち直りが早い。

「・・・・・・・・・・。」
「『私がスカウトしたのですが、御不満でしょうか?』とおっしゃっています。」
「あ・・・いや・・・・。」
「・・・・・(じいっ)」
「う・・・。」
「・・・・・(じじじいっ)」
「あう・・・・。」
「・・・・・(じぃーーーーーーーーっ)」
「・・・犬と呼んでください。」

堕ちた。

「・・・・・・・・・。」
「『本日は、我がサークルの長年の研究成果の発表を行いたいと思います。』と
おっしゃってます。」
「なんか研究してたっけ?このサークル。」
「・・・・・。」
「『私が密かに暗躍してました。』だそうです。」
「暗躍、ねえ・・・。」
「・・・・・。」
「『その名も、何と人造人間です。』とおっしゃっています。」
「「人造人間!?」」
「はい、そうおっしゃってます。」
「それって、例のマルチとか言うメイドロボのことじゃあ・・・」
「呼びましたかあ?」
「あ、これは通りすがりのマルチさん。」
「マルチ!!」

きゅっぴーん

あ、やばい。
つきし・・・

「メイドロボぉ!メイドロボぉぉぉ!!メイドロボぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「きゃああああああああ!」
「どじでのろまでつるぺたでぇぇぇぇぇ!!」
「きゃあ、きゃあ、きゃあ!」
「もう下の口が、下の口がぁぁぁぁ!ふーきーふーきぃぃぃ!!」

「念力いも飛ばし!」

ひゅん!         ひゅん!
       ひゅん!          ひゅん!
       ひゅん!                ひゅん!


どごごごごごごごごごっ!!!


「おうはぅ!!!!」

「なんだい琴音ちゃん、その『念力いも飛ばし』って?」
「何って、超能力者の基本技です。」
「そうだっけ?」
「来栖川先輩に借りたマニュアルにはそう書いてありましたけど。」
「マニュアルって?」
「はい、この『県立・・・」
「いやもういいわかった。」
「そうですか?ほかにも三つの僕・・・」
「さらにやばい!」
「仁丹を・・・」
「死んだ人のネタはやめい!!」
「そういえば、私の『力を使うと眠くなる』って設定、サイボー・・・」
「死んだ直後の人はもっとやめれ!!!」
「・・・祐介さん、キャラ違ってません?」
「・・・・・誰のせいだと思ってるの?」

「・・・人をいもなんぞでぼてくりこかしといて、しれっと話を進めるなっ!」


閑話休題


「で、そのマルチが研究成果だっての?」
「・・・マルチさんは研究成果じゃありませんよ?」
「・・・え?」
「さっき私、『通りすがりの』って言ったじゃないですか。」
「あのー、もう帰ってもいいんですかぁ?」
「ええ。怖い思いをさせてすみませんでした。」
「いいえー。それでは失礼しますー。」

とててててて・・・・・

「・・・・・・・・・。」
「『それでは研究成果を紹介したい思います。どうぞ。』だそうです。」

そして、木の影から現れたのは・・・

「くすくすくす。私だよ、長瀬ちゃん。」
「な・・・瑠璃子・・・・さん?」
「るぅぅぅぅぅぅぅりぃぃぃぃぃぃぃこぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「・・・って、だから!」
「・・・いいかげんに!!」
「「せいっちゅうの!!!」」

ちゃちゃっちゃちゃっ、ちゃーちゃっちゃちゃっ
       ちゃかちゃかちゃっ、ちゃーちゃっちゃちゃっ!

「いくぞ、琴音ちゃん!!」「はい、祐介さん!!」

「必中!(きゅぴーん!)」
「熱血!(ごおう!)」
「超電波竜巻!!」

みゅいんみゅいんみゅいんみゅいん!

「うご、うごうごうご動けけけけなけなけなけな!」

「超念動スピィィィィィン!!」

げし!、げし!!、がん!!!、がん!!!!

「そして投げ!(うりゃっ)」
「サ、サイコ(ぴーーーーー)かぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!」





月島、再度轟沈。

「ふう、やれやれ、で、何で瑠璃子さんが人造人間になるのさ?」
「そおおだああああ!瑠璃子は正真正銘僕の最愛の、きゅうとで、らぶりーな妹だっ!!」

うわっ、もう立ち直ってる!?

「・・・・・。」
「あ?僕と瑠璃子が取り上げられた病院!?そんなもの、どっちも
近所の来栖川総合・・・病・・・院・・・って・・・」
「まさか・・・」
「・・・・・・。」
「『はい、そのときこっそり月島さんの遺伝子を
      ===(以下やばいので検閲)===
        ・・・った結果生まれたのが彼女なのです。』とのことです。」
「・・・・な。」
「・・・・・・・げ。」
「びっくりだね。」

・・・・・瑠璃子さん、自分のことだよ?

「・・・・・・・・・。」
「え?『そのとき彼女に組み込まれたナノマシン状の金属生命体が、
      ===(以下長いし、やばいので略)===
        ・・・って、彼女の電波の原動力となっているのです。』!?」

うそっ!電波って、そう言うもんなん!?
それじゃ・・・まさか・・・

「・・・・・・・・・・。」
「『祐介さんたちが電波を使えるのは、瑠璃子さんと(ぴーーーーー)したときに
(ぱおーーーーーーん)と(ばきゅーーーーん)を通してナノマシンが・・・・・・」
「「言うなーーーーーーーーっ!!!!」」

ってゆうか冷静に訳すな、琴音ちゃんも。

「くすくすくす、大変大変。」
「・・・人事だね、瑠璃子さん。」

・・・・・あれ、でもそうすると・・・・

「ねえ芹香さん、そうすると瑠璃子さんは月島先輩のクローンみたいなもの、だよね?」
「・・・・・(こくこく)。」
「・・・・・・・似てないね。」
「失礼な!こぉぉぉぉんなにそっくりじゃないかっ!!」
「どこがっ!」
「・・・・・・・・・。」
「『試してみましょうか』ってどうやって?」
「・・・・・。」
「はい、来栖川先輩。」

そう言って琴音ちゃんはノートパソコンを取り出した。

「琴音ちゃん、それは?」
「はい、これは・・・・・」

ぽちっと


♪あたしはメイド、あなたのメイドっ♪


「なっ!これは、『メイドさんロックンロール』!!」

ってことは、『M(ぴー) IN H(ばきゅーん)』!!

「うわぁぁぁぁぁ!なぜここに僕の愛機がぁぁぁぁ!!」

「クローンなら、これをプレイすれば冒頭の月島さんと同じ反応が・・・。」
「やあああああめええええろおおおおおおおおおお!!!!」

いや、クローンってそう言うものじゃないと思うけど・・・
でも、もお遅い。

「んんー・・・・・・・。」
「あああああああいやまてすまんいやちがうんだるりるりるりこここここっ!!」







「・・・・・・・・・・・・・・ぬるい。」





叔父さん、そのとき僕には瑠璃子さんがとてもとても遠くの世界の人に見えたわけで・・・・・。

(ぢ・End)