あれんじ 投稿者:七草武光
「・・・ゃーん、・・ゆきちゃーん。」
うー、あと5分・・・

「浩之ちゃーん、遅刻しちゃうよーー。」

・・・・・・。

「ひーろーゆーきー・・・・」

ぐぁばっ!!!!

っえええええええぃ!毎朝毎朝毎朝!!
あっれっほっどっ大声でちゃんちゃん吠えるなっちゅーとるのに
あのたれ目スピッツがぁぁぁぁ!

どだだだだだだだだだだだっ!!

瞬着!瞬洗!!瞬食!!!

ばんっ

「ぅあかりぃぃぃぃぃ!!!」
「はひぃぃぃぃ!」

・・・・・・・・

「だーかーらーなー、あかり・・・。」
「浩之ちゃんの言いたいことは分かるよ。でもあたしにとって浩之ちゃんは
小さいときから浩之ちゃん・・・」
「だからちゃんちゃん吠えるのはやめれぃ!保健所送ったろかい!!」
「うう・・・ひどいよぅ、浩之ちゃん。」
「まあ百歩譲ってちゃんちゃん言うのは仕方が無いとしても、だ。もう少し
バリエーション、って物が無いのかね。お前は。」
「ばりえーしょん?」
「そう、もう少し朝ごとに呼びかけ方にアレンジを加えないと、俺だって
いいかげん慣れちまって、ちょっとやそっとじゃ起きなくなってきてるぞ。」
「そう言われても・・・。」
「とにかく!お前に宿題を与える!!明日はいつもと違う起こし方をすること
・・・・ちなみに出来ないときはデコピン10回な。」
「・・・はい・・・。」


そして次の日。

「・・・ゃーん、・・ゆきちゃーん。」

うー、あと5分・・・

「浩之ちゃーん、遅刻しちゃうよーー。」

・・・・・・。

「ひーろーゆーきー・・・・」

ぐぁばっ!!!!

あーれーほーどー言ったちゅーにぃぃぃぃ!!!
コピー&ペーストで貼り付けたんかぃ!おのれぁ!!

おれが階段を駆け下りようとしたその刹那!

「あかりは浩之ちゃんを迎えに来たのでいっす!!!」

ずごきゃ!
      ずごらごろごろごろごろごろ・・・
                              どごばしゃぁっ!・・・ごげんっ

あかりよ・・・俺は朝っぱらから魂を込めて階段掃除をする羽目になるとは
思わなかったぞ・・・。

がちゃ!

「浩之ちゃん!なんかすごい音がしたけど!?」
「あかり・・・」

ゆらあり・・・
俺は立ち上がる・・・・・

「・・・。」
「・・・・・。」

あかりはごていねいにリスの尻尾をつけてでっかいくるみをもっていた。

「浩之ちゃん・・・」
「なんだ・・・?」
「・・・・・いぢめる?」

とりあえずあかりは俺のデコピン30連発を見事受けきって見せた。
・・・腕を上げたな、あかり。泣いてたが。


(おまけ)

その日の昼休み学校で・・・

「志保ちゃんニュース、志保ちゃんニュース、志保ちゃんニュース!!」

ばべんばべんばべん

(雅史)  「・・・・・。」(←特に感想は無い)
(あかり)「(汗)(汗)(汗)(汗)」(←すごく聞きたい)
(浩之)  「(怒)(怒)(怒)」(←聞きたくない)


(おまけの2)

その頃の芹香さん

中庭で、ひなたぼっこ中

「・・・・・・・。」

きーんこーーーん・・・

「・・・・・・・。」

今のは午後の授業終了のチャイム。

「・・・・・・・。」

んー
でもいいの、しあわせだから。