課長ばかマルチ −第一話『咆哮』− 投稿者: 紫炎
「首尾は?」
「順調だよ…すべては裏死海●書の記述通りに」
 そこは薄暗く、いくつかの光がわずかに輝いている、
そんな部屋だった。
「では始めようか、人類保●計画を…」
「あのーなんの話ですか?」
「なんだね君は?」
 渋い老人とちょっとイってるお父さんの前には
耳にナイスな突起物のある緑の髪したイかす女の子
が立っていた。
「え、なんか主役をやらせて頂けると聞いてやってきた
んですけど…」
「…スタジオ間違えてないか、君?」
「ええええっ!?」
(分かりずらいネタですみません)


課長ばかマルチ −第一話『咆哮』−


「というわけで今日から『課長補佐代理心得』、つまる
ところほぼ課長になったマルチと申しますぅ…みなさん
よろしくです!」
 そう、私は今からこの来栖川グループ商品開発部の課長…
みたいなものになったのです!突然ですが始まりなんていつも
そんなものだと長瀬主任もおっしゃっておられました!
「あのマルチ課長…?」
「はい、なんですか」
「上の前振りは一体なんだったんですか?」
「えっ?」
 はうっ突然のピンチです、そんなこと私に答えられるハズも
ありません…しかしここは課長として毅然とした態度をとらないと
なめられてしまいます!
「あのーアナタのお名前をお聞かせいただけませんでしょうか?」
「矢島ですけど…」
「それじゃあ、矢島さんはカンボジアの支社の方に転勤してくださいですぅ」
「へっ!?」
「バイバイですねー」
「そんなぁぁあああああ!!!!」
 よかったです、これで悪は滅びたのです…なぜだかあの人には
同情とか罪悪感とか感じさせないのでこれでOKっぽいですぅ!!
よかった、よかった!
「よかねーよ!!!!」
「減俸…」
「そんなぁあっ!?」

 まあ、こんな感じの登場だったです、それでは仕事に入りますぅ!

「というわけでですね…」
 ルンルンです、今日は会議なのです!
「聞いてますかマルチ課長!」
「あっはいです!」
「これが今うちで企画中の鉛筆削り機一体型シャープペンシルの
『鉛ぺる君』です!」
「はあ…」
「そして来月、アクア電機から『シャー筆さん』という類似商品が
発売されるんです!」
 どーやら企画情報が外に漏れてるらしいです。
「アクアに出し抜かれたのはこれで2度目ですよ」
「前回はなんでしたっけ?」
「昨年このダンベル一体型携帯電話『ダン電様』を企画中にアクアは
2ヶ月先行して『携ベルちゃん』という商品を発表しました。」
「ああ、これですか…」
 たしかこれも全然売れなかったような気がしますぅ。
「つまり企画段階で外部に情報が漏れてるというんですか?」
「はあ、『獅子身中に虫あり』ってことですかね?」
「なんですか!?」
「い…いや例えばの話ですよ」
 獅子身中に虫…分からない、セガピッチャーに匹敵するほどの
最新コンピュータを積んでいる私の頭にもインプットされてない言葉
を使うなんて…
「マルチ課長?」
 『獅子身中に虫あり』…どういう意味の言葉なんですかぁ?
「どうしました?」
「い…いえ、なんでもないですぅ」
 いけません…このままでは話題に乗り遅れますぅ!でも今
この場で辞書を開いては課長としての立場がないですし…
「!?」
そうです!資料室に行きましょう!!
「どうしたんですかマルチ課長、急にふさぎ込んで?」
「え…」
「マルチ課長、我々に何か隠してませんか?」
「私を疑ってるんですか?」
「どうなんです?」
「プンプン不愉快ですぅっ、席を外させてもらいます!!」
「課長っ!?」
 よーし、これでさっさと資料室にGoですぅ!!

資料室…

「獅子身中に虫あり…とは組織内部に災いをもたらす者が居る事の意、
俗にスパイをさす…ですか」
 なぁるほど、そーいう意味だったですかぁ…納得です!
「で…なんの話でしたっけ?」
 

チャンチャン♪

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なんかノーテンキなマルチ…いいんですこのマルチは馬鹿で
売ってるんですから!
というわけで課長バカ一代推進委員会の紫炎でした、
リレー小説、次はくまさんか…がんばってください(^^

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/5164/