−遊撃宇宙戦艦セリオン・第八話『戦争の資格』− 投稿者: 紫炎
2237年11月7日…宇宙連合軍とエルクゥたちの戦争が始まって約2週間、
物量作戦の宇宙連合軍…圧倒的な質の差を見せるエルクゥ達…その戦いには
やがて大きな力の差が戦場を支配した、
そう人を超えし者たちの力は絶大だったということだ…

−遊撃宇宙戦艦セリオン・第八話『戦争の資格』−

「火星か……」
旗艦ジローエモン…エルクゥたちは自分たちの本拠を構えてはいなかった、
この艦を中心に全軍が一斉に進軍していた……
ここはその旗艦のブリッジ、エルクゥの王『柏木耕一』は外に見える火星を眺めていた…
そしてその傍らにはあのアクシズ艦隊を全滅させた柏木千鶴がいた、
「地球側の戦力が火星圏よりこちら側に集中して集まってきています…耕一さん
どうなさいます?」
火星の方角にわずかだが地球連合軍の艦隊らしきいくつもの明かりが見えた…
「ふん、烏合の衆なぞ相手じゃあないよ、前進だ!…それより千鶴さん、『あれ』の行方は?」
「…はい、やはりその多くは来栖川グループが握っているものと思われます…こちらに2つ、
来栖川には4つ…そしておそらくは別の者が1つ所有しているかと」
「別の…?」
耕一は怪訝そうな顔で千鶴に聞いた…
「ええ…最後の『タリスマン』は地球にある『電波推進委員会』が所有している…とのことです!」

ところ代わってここは木星圏…
「宇宙連合軍…劣勢だそうです」
「あっそう…」
妙に冷めた感じで矢島は答えた…
木星圏内を飛んでいるのは戦艦セリオン、だがそこには今戦場の雰囲気はなかった、
「で、いつ奴らと殺りあえるんだ艦長?」
柳川は少し苛付いた感じで尋ねた…
leaf級独立戦闘型宇宙戦艦HMX−13『セリオン』、来栖川グループが軍事産業のアピール
として宇宙警備会社『アクア』に送り出した新型、その乗組員はほとんどが元軍人ではあるが…
「この船は民間のものなんですよ柳川さん、だから軍が戦争と決めたことで俺たちが
それに参加することは形式上できないんです」
「それなら俺はこの艦を降り…」
「もっともそれはあくまで形式上ではですけど」
「る…は?」
言葉につまった柳川に矢島はこずるそうに笑ってみせた…
「どういうことだ?」
柳川の疑問に矢島は即座に答えた!
「こちらから攻撃が出来なくとも、あちらから仕掛けてきたのなら話は別です!綾香さんっ!!」
「はーーい!!」
ピッ!
中央のモニターにどこかの艦隊の名前、詳細なデータが表示されていく
「これは…?」
「これは開戦前、エルクゥたちの襲撃を受け全滅した艦隊たちのデータよ!…見ての
通りすべて軍属の艦隊…民間の艦隊は一つもないわ」
たしかにそのデータには民間の所有している艦隊は表示してなかった
「そしてエルクゥたちは火星と木星の間にあったコロニーに潜伏していた…」
綾香が一息つき、また言葉を続けた
「つまりエルクゥたちはそのコロニーから火星に出陣するとき…背後から攻撃を食らうのを
嫌って軍の艦隊を始末したってわけよ!」
「そう、さすがのヤツラも人数不足はいなめない、奇襲なんか食らって無駄に人数を
減らされるのがなによりも痛手ですから」
「それがどうしたっ…俺たちはここから動けないんだぞっ!!」
柳川には矢島たちの考えが読めなかった…
「そのヤツラが嫌う戦力がここにあるじゃないですか…」
「戦力…?」
「このセリオン、独立戦闘型の敬称は伊達じゃない!この艦一つで連合の艦隊丸々
一つ相手にしても勝てるだけの能力があるんですよ!!」
独立戦闘型…セリオンに与えられた敬称、その名の通り独立して戦闘を行なってもけっして
遅れを取ることはないことから付けられたものだ!
「それを私とセリオがエルクゥたちに教えてやったの!ここに最大の驚異があるって…」
「「えーーーーーセリオンのこと、わざわざ敵に教えたんですかぁぁぁあ!?」」
オペレーターの吉田と桂木が驚いた顔でこちらを見ていた
「えっ、まーなんとかなるって…ほらこのセリオンもさあ、連載当初にしか戦闘してないし…
そろそろ血がうずくでしょう?」
「「うずきませんよぉ!!!!」」
二人はセットで扱われてることも気付かず怒っていた!!!
『でももう遅いですよ…目標、レーダーに捕らえました!』
「「へっ?」」
セリオはいつも通りの無表情で言い放った

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
そのセリオンからいくばかも離れた距離にそれはいた、
「あれだな…私たちを馬鹿にしてる艦ってのは?」
皇族四姉妹の次女『梓』は怒気を込めてそう呟いた…
「民間の艦程度が身の程知らずにも付け上がられるとむかつくんだよねぇ」
実は今回の遠征に彼女は出陣していなかった、すべての権は千鶴に委ねられていたため
まったく活躍の場を失いストレスが溜まっていたのだ…そこに来てセリオンからの
挑戦状(厳密にいえば違うのだが梓はそう受け止めたようだ)である!
ストレス発散も兼ねていくらかの仲間を従えてセリオンに向かってきたのだが…
彼女にも誤算があった、それはセリオンが『ただ』の民間の戦艦ではなかったことだ!!
そしてそれのことを梓はすぐ知ることとなる…

ズドォォォォオォオオオオオン!!!!!!!!!!

「なっうあああああああああああ!!!」
一瞬の光がその場にいたヨークたちを包んだ、セリオンの一撃であった!
梓の戦艦『アズエル』も直撃は免れたがその衝撃波によりバランスを崩していた、
「…くう…今のは……まさかあの戦艦から?」


「主砲ブランニューハート命中!敵戦力47%消滅しました、艦長指示をっ!!」
「セリオンはこのまま前進っ、主砲発射のエネルギーが溜まり次第敵中心に向けて正射せよっ!」
「了解っ!」
「クマデバリス隊は待機っ、次の主砲が発射したら出撃をっ!!」
『こちらも了解だっ!!』
梓が敵の攻撃に驚いている頃、セリオンの戦闘準備は完了していた!
「さーて始めようか、鬼の大将っ!!!」
矢島は不敵に笑い、エルクゥたちを見据えた…

続く…

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プリンシェイクの御勇名が広まっているのを見て満足している紫炎です!
最近教習所の技能と学科が終わり一息つきましたがドラクエモンスターズにはまりもう大変
なことになってます!
時間が欲しい…いやキングスライムが欲しい……
(ポケモン+女神転生+ドラクエ)÷3=ドラゴンクエストモンスターズって感じですかねえ…
どっちかってーとメガテンが一番近い気がする、ポケモンよりも!

P.S
くまさんへ、CCさくらは買いました……ん?…いや違った、
髭はすでに書きました…しかしまだ取り込んでません、今週中にはUPできる…かな?

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/5164/aoi.html