−遊撃宇宙戦艦セリオン・第四話『6月ウサギの苦悩』− 投稿者: 紫炎
6月…俺が死んだ日…
結婚式…みんな死んだ日…
教会…血まみれの花嫁…
神のいる場所…あいつにした最後のキス…
惨劇の舞台…終わりなき永遠の悪夢…
『鬼』…殺すべき…俺が生きているただ一つの理由…

−遊撃宇宙戦艦セリオン・第四話『6月ウサギの苦悩』−

黒竜戦役…5年前まで続いていた惑星国家同士の戦争である…
もっともユラニアとかパロとかアルド・ナリスは関係ない、ましてやヤンダル・ゾックなんて
いない…いやそれはさておき、
戦争は人の命を食らい、膨れて行く…
その恩恵を受け、自らも力をつけた人間も当然いた…
八塚崇乃…そうした戦いのなかから生まれた英雄である
彼には戦場を察知する力があった…そして生き抜く自信も……
そんな彼が目をつけたのは宇宙戦艦セリオン…
今、彼はセリオンのメインパイロットとなるべく我等が戦艦セリオンに向かっていた
愛機、黄色い悪魔と呼ばれた『ザクレロ』とともに……
「小僧ども見てろぉ…この俺が真のパイロットってもんを見せてやる!!」

「艦長、黄色い変な顔がこっちに向かってますよぉ」
「撃っちゃえ!」
「いいんですか?」
「うん…(なんのいたずらだろう?)」
男・矢島…英断であった

チュドーーーーーーーーーーン!!!

「目標大破…」
「うん……」
ここはセリオンのブリッジ
「遅いなあ…新しいパイロットの人…」
「そうですね…」
……………
エルクゥの襲撃から3週間…いくばかの戦場を乗り越え、セリオンの名前は太陽系に
知れ渡っていった…
だがエルクゥのその後の行方も分からず、宇宙海賊ToHeartもなりを潜めていた…
「……姉さん…」
「ん…なにかいった綾香さん?」
「えっ…い、いえ艦長…」
「そお、最近疲れてない?」
セリオンのクルー綾香は宇宙海賊ToHeartの襲撃以来、なにかを調べているようだった
「うん…そうかもしれない、休憩してきます」

カシャア…

綾香がブリッジからでると矢島はため息をついた
「はあ…」
「どうしたの艦長?」
「吉田さん…」
「なんか疲れてます?」
「綾香さんがね…最近様子おかしいんだよ」

カツカツ…
(姉さん…今どこにいるの?)
カツカツカツ…
(あの黒い機体は間違いなく姉さんの専用機『ウィザード』…なにをしているのよ、姉さんは…)
カツ…
「ん…!?」
そこには通路の窓から外を見ている柳川がいた
「柳川…さん?」
「……お前か…」
振り向いた柳川の雰囲気がいつもと違っていた
「どうしたの?」
「別に…」
「そう」
綾香は止めていた足を再び動かした
カツカツ…
カツ…
…………
「ねえ…」
綾香は振り向き、柳川を見た
「ん?」
「………」
「どうした?」
「…やっぱり、なんでもない…」
「そうか…」
そして2人は無言で別れた…



カタッ…
「う…うう……」
「浩之…?」
……
ガバッ
「うあああ………はっ、あれ雅史?」
ここは宇宙海賊ToHeartの旗艦マルチザードのブリッジ…
「どうしたの浩之?」
「雅史…俺は…?」
「浩之寝てたんだよ…どうしたの?」
浩之の目は焦点があってなく…ただ天井を見ていた
「いやちょっとな…悪い夢見てたみてーだ」
「そう…」
「でも…夢だからな…現実じゃあない…ん、もう少し寝るわ、あとで起こしてくれよ雅史!」
「うん…お休み…」
…………
……
すー…すー……
「寝たの…浩之?」
すー…
「…浩之…せめて夢だけは幸せに……」
カツーン、カツーン…
雅史がブリッジから去り、そして浩之ともう一人の人間のみがその空間にいた…
「あかり…みんな…」
「………」
保科智子はただ浩之を見ていた

続く…


−ウンチク−

MA−04X
名称:ザクレロ
開発途中で放棄された拡散ビーム砲を持つ宇宙用モビルアーマー

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どーも紫炎です!!
八塚崇乃さん出しましたよ、次回はアクシズさんといっしょに出て下さい!
ネタは考えてあります!!!
他にも出たい人いたらいってください!!
にしても話が進まない…それに柳川と綾香がくっつきそうです!!
なんかダークにもなってきましたし…
まーのんびりやってきますんでよろしく!!!