−遊撃宇宙戦艦セリオン・第三話『鬼来たる』− 投稿者: 紫炎
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ここは宇宙、木星圏内…
「うんうん、今日も平和ナリね、トワイニング」
「そうですねアクシズ様」
「そうナリそうナリ、わが旗艦ラーカイラムも快調ナリ、今ならたとえV2アサルトバスターガンダムと
デンドロビウムが手を組んでも勝てそうな気がするナリ」
「それは無理ですよ」
「無理ナリか?」
「無理です」
「残念ナリ…」
そのときトワイニングはわずかな含み笑いをもらした
(無理ですよ…だってこの艦隊に積んであるモビル・スーツはすべて…)
アクシズ艦隊…それは木星圏内における護衛艦隊のなかでも最大規模のものである
そう規模だけは…

−遊撃宇宙戦艦セリオン・第三話『鬼来たる』−

「目標…確認」
「千鶴姉…やるの?」
「殲滅…お願いね梓」
「OK、いくよ私のヨーク」
ズシャッ
アクシズ艦隊の死角にある衛星から今、光が2つ飛び出した

そして数刻後
「弾幕薄いぞ!! 何やってんの!!」
ズドオオン…
突如現われた敵にアクシズ提督の怒号もむなしく一隻…また一隻と艦が沈められて行く
「駄目ですっ、まったく歯が立ちません!弾幕もジャミングも効いてません、正確に狙いを定めて
沈められてます!?」
「いきなり…・くっ一体相手は何隻ナリかっ!!」
「『一隻』ですアクシズ様…たった一隻の小型艦が自らの艦の衝角で次々と我が艦隊を串刺しに
してるんですっ!?」
「そんな馬鹿な…ええいトワイニング、すぐにMS部隊を出すナリ!急ぐナリ!!」
アクシズ提督はトワイニングに命令を下した、しかしトワイニングの返事は今回の襲撃をさらに
上回るものだった
「無理ですっ、モビルスーツは出せませんっ!!」
「何故ナリッ?」
「これをごらんくださいっ!!」
ピッ
モニターに機体名が出てくる
「こっこれは!?」
ゴッグ、ズゴック、アッガイ、ゾック、ザク・マリンタイプ、カプール、ガルグイユ、アクアGM、
水中型ガンダム、ハイ・ゴッグ、パイシーズ、キャンサー、ザク・マリナー…
「す…すべて水中戦用の…」
無論、宇宙で戦うことなどできないやつらだ…
「カスミ嬢は言っておられました…水系ポケモンを極めろと…」
「トワイニングっ貴様あああああ、あのへそ出しルックの惑わされおってええええ!!」
「レベル100のコイキングならばミュウツーなんか目じゃないですっ!」
「正気か、トワイニングゥゥ」
ズガアアアアアアアアン
「ああっ、護衛艦のリーン・ホースジュニアがっ」
「くそぉっもういいナリっ、我が輩が仕留めるナリ」
「駄目ですアクシズさまっ、あなたの機体はっ!?」

「梓…うまくやってるわね」
梓は次々とヨークという船で艦を落としていった…そして千鶴は隠密に自らのヨークで旗艦
ラー・カイラムに向かっていた
「さーて、こっちもいかなきゃ…ん?」
キィィィィィィィィィィィン……
「なに・・このプレッシャーは?」
千鶴は本能的な何かであのラー・カイラムから強力な波動を感じた
「いったいあの戦艦には何がいるというの?…この私を脅えさすなんて」

「ニュータイプの力見せてやるナリ」
『駄目ですアクシズ様っ!その機体はっ…』
ブチッ
「うるさいナリよ…」
アクシズは自ら通信を遮断した
「アクシズ行っきまあああす!!!!」
ダッ!!!!
そしてアクシズの機体は宇宙(そら)を飛んだ…そうアクシズの機体…
MS−06V…最強の『陸戦用』MS…『ザク・タンク』がっ!!!!!!!!!

チュドーーーーン…

見事にアクシズ様は散った
「だから無理だっていったのに…」
トワイニングはガクッとひざを落とした…そのとき
ガシャンッ
「!?」
「ここがブリッジね…」
トワイニングが振り返るとそこにはブチ破られた扉とクルーを掴んで仁王立ちしている長髪の
女性がいた…
「お前は…いったい?」
「皇族四姉妹の長…千鶴」
「……?」
「今…あなたたちに攻撃を与えてる者の仲間よ…ふふ」
「なっ、構えろみんなっ!!」
スチャッ
………
「ふーん」
ブリッジにいたすべてのクルーの銃口が千鶴に向けられた
「動くな…動けば撃つぞっ!!」
「ふふふ…うるさい虫ども…邪魔だよっ!!!!!!」
スッ
(動いた…!?)
「うっ撃てえええええええ!!!」
瞬間、千鶴が走った…人ではありえぬようなスピードで…
「うっうあああああああああああああ!!!!!!!!!」
「ひいいいいいいいいっ」
グシャッ、バキッ、ドシュッ、ザシャッ…
「うぐっ!?」
ドサッ
……………
………
「な…!?」
「終わり…ね…これで……」
ドサッ
千鶴の手から『最後』のクルーの死体が投げ捨てられた…
(一瞬…一瞬でこのブリッジのクルーがすべて死ん……こ…この女は!?)
「外も決着ついたわよ…」
そう、すでにアクシズ艦隊はこの艦を残すのみとなっていた
「あなたを殺すつもりはないの…あなたには証人になってもらうから…」
「証…人……?」
「ええ…私たちエルクゥの存在を世に知らしめるための…」
千鶴は血にまみれた顔で笑っていた
「そして…我等の恐怖を伝えるための証人……」

ゴウン…ゴウン……
ここは戦艦セリオンのブリッジ
「そして私一人が残りました…」
アクシズ艦隊の壊滅から半日後…艦隊の残骸から発見されたトワイニングは矢島に
経緯を話していた
「エルクゥですか…」
「はい…彼女はそう名乗っていました」
矢島は綾香に視線をそらした
「どう思います綾香さん?」
「うーーん、エルクゥなんて聞いたことないわねえ…セリオ、あんたは?」
ピッ
『検索してみましたが記録されてませんでした』
「そっ…なんなのかしらエルクゥって?」
「鬼の一族だ…生命を狩り、殺すことを喜びとする一族…」
!?
「柳川さんっ!!」
「ふ…この艦に乗って正解だったな…こんなにも早く探し物が見つかるとは…」
「あなたは知ってるんですか…そのエルクゥという存在をっ!?」
「ああ…敵だ、この俺のな」
そう答えながら柳川は笑っていた…その瞳に憎しみを宿して……

続く…

−ウンチク−

名称:ヨーク
エルクゥたちが有する船…有機体であり、つまり生きている…ゆえに地球の技術とはまるで
違う構造をしている
またヨークはその操縦者と生死をともにし、操縦者の特性に合わせた形態をしている

皇族級ヨーク
名称:アズエル
梓の所有しているヨーク…小型だがパワーがあり、その攻撃力は四姉妹のなかでも最強を誇る。
また『衝角 』による特攻はセリオンの主砲『ブランニューハート』に匹敵する程の力を有しており
並の戦艦では一撃で沈められてしまう…その小型さから攻撃も当たりにくく、艦隊戦においては
絶大な力を持つ。

皇族級ヨーク
名称:リズエル
千鶴の所有しているヨーク…万能型で12枚の翼を持ち、光を操る能力を持つ!
その形態は優雅で彫刻のような印象を受けるが、光を偏光させその姿をくらますことも出来る。
またこのヨークに関しては謎が多く、エルクゥのなかでもその秘密を知る者はごくわずかである…

名称:ゴッグ、ズゴック、アッガイ、ゾック、ザク・マリンタイプ、カプール、ガルグイユ、アクアGM、
水中型ガンダム、ハイ・ゴッグ、パイシーズ、キャンサー、ザク・マリナー
…水系ポケモンである。

名称:ラー・カイラム&リーンホース・ジュニア
紫炎の記憶が正しければVガンダムに出てきた戦艦である…
深くは突っ込まないでほしい…ガンダム図鑑−ザンスカール戦争編−を無くしたので
分からんのだ(涙)

MS−6V
名称:ザク・タンク
考えられるMSのなかでも最強と噂されるいわばジオンのガンダム…
ザクとマゼラアタックの車体を組み合わせた『作業用』の機体。
武装は『まったく』されていない。

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紫炎でございます!
いやーナデシコはまってます、はまりまくってます…取りあえず次で26回めに突入!!
そんなわけで眠いです…そうそうアクシズさん、前に言った通り登場してもらいました…ははは…
というかあなたが主役です!
…次回はアクシズ・改とかになって復活させたいと思うのですがいかがでしょう?
じゃあみんなぁ、レッツゲキガインンンンン!!!!!!!!!!!
ちゃおー