森川由綺・愛の架け橋シリーズ『我悪鬼羅刹なり−その4−天狼幻夢変−』 投稿者: 紫炎

そう…ね…好きになったのは仕方ないのかもしれない…
でも私にはあの子の…由綺ちゃんの悲しむ顔なんて見たくない
だからこの思いはずっと…私の胸のなかに閉じ込めておけばいい…

−美咲メモリアル・『あの喫茶店で』−

「はあ…」
今日もここに来ている…あの人に会うために…でも今日はバイト休みみたいね
もう止めようかな…こんなこと、この思いを表にだせばきっとみんな傷つく…
「止めようかなって…」
………あ…独り言…マスターがちょっとこっち見た…聞かれたのかな?
恥ずかしい…
今は私以外のお客さんはいない…
それが唯一の救いかな?

カランッ

んっ
「あっ美咲さん!?」
由…綺ちゃん?
「うわーー偶然ですね、お久しぶりです」
そんな今はこの子の顔見たくないのに…辛いから……
「美咲さん?」
「えっ!?」
あっ私…考えてて、つい……
「ごめん…なさい…ちょっと考え事を…うん、久しぶりね由綺ちゃん」
「美咲さん大丈夫?…最近疲れてるんじゃないですか」
心配してくれる由綺ちゃんの顔を見るのがなお辛かった…
「そんなことないよ…」
そう口にはしたものあまり元気のある声がでない…泣きたかったのかもしれない
「……美咲さん」
「ほら由綺ちゃん、何か頼みにきたんでしょ?」
「あ…うんマスター、コーヒー…お願いします」
コクン
ここのマスターは寡黙な人だ…一人でここにいるとき、それがどれだけ助けになったか分からない
「マスター…私も紅茶をもう一杯お願いします」
すぐにでもここを去りたかったけど…由綺ちゃんに邪険にされたと思われると申し訳がないし…
………
あの人と一緒になりたい…
ずっと一緒に…
だけど由綺ちゃんを裏切るなんて私には出来ない…
「できないよ…」
「えっ?」
あ…また……
「美咲さん?」
また声に出ちゃった…癖になってるのかな…気をつけないと
「どうしたの美咲さん?」
「ううん…なんでもないの…なんでもないのよ由綺ちゃん」
「…はい……あの困ったことがあったら言って下さいね…力になりますから」
「うん…ありがとう由綺ちゃん…でも本当になんでもないから」
「はあ…」
由綺ちゃんは私の言葉に納得していないみたいだった…当然か…こんな顔してちゃ……
でもね、あなたには言えないのよ…あなたには…



「…それで冬弥くんがね…」
この子の口からは絶えず…あの人の名前があがる……それに対して微笑んで返事を
返さなければならないのは辛かった…どうして私は…
「あの…美咲さん」
どうして…
「美咲さん?」
「えっ…ごめん由綺ちゃん…ちょっと化粧室…いってくるね」
「はっはい…」
もう泣きそうだった

ジャアアアアアアアアアアアアアア
水が流れてる…
この水とともに私の心も流れ去ればいいのに…
でも無理…この思いは変わらない…いや変われない…
だから押し込めよう…この思いを永遠に…そう決めよう…

ガチャッ
「ごめんなさい由綺ちゃん…おそくな……」
そこには由綺ちゃんの姿はありませんでした…ただそこには入れたばかりの紅茶と
短く書かれたメモがあった

『元気を出してください、元気な美咲さんが私は好きです!!
あなたのファンより』

「由綺ちゃん…」
私は涙が溢れてた…私はこんないい子に嫉妬を……
「ごめん…ごめんなさい由綺ちゃん」
そして私は入れられたばかりの紅茶を飲んだ
その味はやけに苦かった



3時間後…喫茶店から毒殺された女学生が発見された
死因は砒素中毒…紅茶のなかから砒素が検出されたことから容疑者として
元アイドルマネージャーが再逮捕された

「だからなんで私がっ!!!!!!」
「カツ丼…食うか?」
「いるかあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
またもや弥生さんに容疑が増えたようだ…つまり芸能界とは恐ろしいところ、
そういうことだ…

ふふ…みなさんならばいつ毒が入れられたかお分かりだろう…さよなら、さよなら


続く…

−次回予告−
「世界は腐っている!!!」

−具体的にどう腐っているかはさておいて!−

「この世界は須らく是正されなければならない!しかし唐突に世界を統べても愚民共にはまずついてこれまい!」
「そこで一国!…しかし息切れを回避するためあえてもう一超え!」
「これでもう安心!無理なく世界征服の第一歩!」
「すなわち我々の目標とは―――」

『市街征服』

「ハーイル河島はるかっ!!!!!!!!」

戦え戦闘員森川由綺!!!!
秘密結社アクアの礎となるのだ
「蟋蟀があああ便所蟋蟀がああああああああああああああ!!!!!!」

次回予告「起動する伝説」
お楽しみに!!!!

またもや嘘です…次回は最終回
森川由綺・愛の架け橋シリーズ『我悪鬼羅刹なり−最後のあがき−因果応報変−』
となります、お楽しみに…

*注:蟋蟀とはコオロギ

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これを読んで美咲さんの苦悩を書いた文章かと思ってた人…かなりの間違いです…
あれはすべて毒殺のための前振りです!…なんて、ひどい話でしょう
このシリーズは相変わらず…

>久々野さん
>個人的にはただマナちゃんがいびられてるように思えたりする・・・
まったくその通りです、その昔のジョジョネタは知りませんがこの話ひどすぎますね…
終わったあと出そうか悩んだんですが続きモンなんで取りあえず出しました
でも今回もひどい話です…
>西園が好きとは・・・小説版の影響でしょうか?(笑)
いえいえどちらかといえば漫画の笑いながら殺る伸二が好きです!
彼に人情は必要ありません、狂っていればそれでいいです!!
雫の狂気と違って彼は前向きですから(笑)
ついでにサイコ風のSSやろうとしたんですがヤバイんで止めました…
頭に花を植えられてる志保とかなんて想像したくないですもんねえ(ヤバイってマジに)

最後に分かったこと
恋愛関係の話は俺には無理だというのが今回のヤツで分かりました…