ボードキャプチャーマルチ第1話 投稿者: 紫炎
『メモリーボード』
その封印が解かれるとき
この世に災いが

キャプチャー1…『マルチ登場・前編』

深夜…月の綺麗な夜……
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタ
暗闇の中、1人の少女がビルからビルへと
飛び移り走っていた
ザシャッ
「よーやく追いつけましたぁ…」
  そう言った少女の前には一匹の巨大なクマのぬいぐるみに似た生き物がいた
「あの、カードに戻させてもらいますんで動かないでくれませんか?」
「くまー?くまっくまーーくまくまくまくまぁぁぁぁ!!!!!」
どうやら少女はこのクマのぬいぐるみを挑発してしまったようだった
「あっあうーーすみませーん」
「マルチッなにしとんねん…さっさと片づけんかいっ!!」
  どこからか声が聞こえた
ザッ
「くまくまああああああああああ」
「あううううううう」
コテッ
あっマルチが転んだ……
「くまっ?」
  スカッ
見事にクマの一撃が外れたようだ
「今やマルチッ!!!!!」
「あーーーん痛いですぅぅ!!」
マルチは泣いていた
「アホかっ、はよやらんかいっ」
「ぐすんっはっはいいいいい!!」
マルチは手に持っていた先っぽがハートのスティックを
クマのぬいぐるみに振りかざすと呪文を唱えた
「け…契約の名の元に…マルチが命じる…
なんじのあるべき姿に戻れ『メモリーボード』!!!」
「くぅぅぅぅぅまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!????」
バシュウウウウウウウウウ
巨大なクマのぬいぐるみはなんぞやややこしいモンがいくつもくっついてるボードに変わった
「はううう」
「やったでマルチッ…んっどないしたんや?」
「こっ腰がぬけましたぁぁ」

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
「ウウ…もう朝ですかぁあ!?」
マルチは横にあった目覚し時計の音を止めた
『……ルチッ…んっどないしたんや?』
  TVから流れている声が聞こえた…聞き覚えのある声だ
「あれっTVが…保坂さんまだ見てたんですかーー?」
「んっマルチ目ぇ覚めたんか…ほれ見いっ、ここやっここの顔やっ」
「はあ…」
TVの前には猫耳をした羽の生えた人形くらいの小さな女の子がいた…
眼鏡をかけ、気の強そうな感じである…
その女の子がTVの中にも写っていた…当然マルチもいる
「やっぱモデルがいいとええ画面になるわ」
「……あっそうだ…すみません保坂さん、そのビデオテープ返していただけませんか?」
「ああ持ってきい、今終わりや…レミィに返すんやろ?」
「はいっ それじゃあ」
マルチはテープを取り出すと学校に行く準備を始めた…すると急に保坂がきつい顔をして
マルチの前に立った
「まてやマルチ…まさかこのまま学校行くつもりやないやろーな?」
「えっそうですけど…何かあるんですかぁ?」
保坂は妙に真面目な顔でこう言った
「自己紹介がまだや…」
「はあ…誰にでしょうか?」
「あのなーマルチ…あんたはこの世界のこと知らんかもしれんがこういう話の
第1回目は自己紹介すると決まってるんや」
「はあそうなんですか…はい分かりましたっ、それじゃあ自己紹介します、
えーと私の名前は藤田マルチです…leaf学園小等部の小学4年生なんです!!
今魔力を持った不思議なボード、メモリーボードを捜していますっ、
誰か見つけたら教えて下さい」
「んで私はメモリーボードを守っていた封印の委員長ケルベルス…略して保坂や、
ダンボールの中に封印してあったハズの消えたメモリーボードを捜すように
しむけた張本人やな…」
「こんなもんですか?」
「こんなもんやな…それじゃあマルチ学校、気を付けていきや」
「はいっそれじゃあ行ってきます!!!」
タッタッタッタ
ガタッ
ガダダダダダダダダダダダダダッ
「あううううううううううううううううぅぅぅぅ…」
「はあ…また階段滑り落ちたんやな…」

「うう…痛いですぅ」
「おい大丈夫かマルチ?」
  階段から転げ落ちたマルチの前に浩之が呆れたように立っていた…
毎度のことだからそりゃ…呆れもするだろう
「はっはいなんとか…あれっ藤田さん、なんで私の家に?」
「やっぱ頭でも打ったのか?…俺はマルチの兄貴だろーが」
「あっそうだったんですか…すみませんすっかり忘れてました…あっでも、
ということは私と藤…お兄ちゃんは兄弟なんですよね」
「そーだぜ」
「恋愛はないんですね……」
マルチはいつもと違い…少し暗くなった、だが浩之はそんなマルチに
とんでもないことを言い放った
「ダイジョーブだマルチ!この作品の原作はCLAMPなんだぞっ、
男同士だろーが、女同士だろーが、兄妹だろーが、別に『父親』だって
恋愛の対象になるんだ、全然OKさ、なっ雅史!!」
  浩之はなぜか『父親』を強調して、今やってきたお父さんの雅史に向かって言った
「?……うんそうだね?」
  雅史は取りあえず反応したが浩之の熱い視線には気付かなかった…
「…でも浩之…僕のことはお父さんて呼んでよ…取りあえず父親なんだから」
今現在この二人がマルチの肉親である…母親はかなり昔に亡くなってる
「まあそういうなよ雅史っ、そうだっおいマルチもう時間だぜっ、
俺はもう出るけどお前はどうする?」
「はいっお兄ちゃんといっしょに行きます…お父さんご飯は今日はいいですから…
わがままいってすみません」
「うん…いいよ、いってらっしゃい浩之、マルチ」

「よっおはよう先輩っ!!」
「おはようございますっ」
「……(こくん)」
2人が家を出ると1人の少女がいた、浩之の親友の来栖川芹香である…浩之より
1つ年上で浩之からは先輩と呼ばれている
「先輩…今日は歩き?」
「……(コクン)」
「じゃあ一緒にいこうぜっ!!」
「……(コクン)」
どうも芹香は浩之に気があるらしいが当の浩之の方がモーホーのファザコンなんで
まったく気付かないみたいである…不幸な人だ……
「あれっマルチちゃんにヒロユキっ、それに来栖川先輩デスね」
「あっレミィさん」
「おはよーレミィ!!」
「……(コクン)」
宮内レミィ…マルチの親友で当然leaf学園小等部の小学4年生、
宮内コーポレーションの社長の一人娘である…マルチの秘密を知っている数少ない女の子でもある
「マルチちゃんっ、ビデオ返してくれまセンカ?」
「はい…ちゃんと持ってきました…これです…」
「おっレミィ、なんのビデオだよっ」
「ヒロユキの期待しているような内容じゃないデスっ」
このビデオの中は昨日メモリーボードを捕まえにいったマルチの映像がたっぷり
記録してあった…たしかに期待しているものではない…
レミィがそんな風に考えていたときである・・・突然っ
ビュウウウウウウウウウウウウウ
「ウワッ」
「……(ブルッ)」
「オウッすごい風ネッ」
「はうっこの気配…」
  けげんそうなマルチの顔にレミィが反応した
「どうしましたマルチちゃん?」
「この感じ・・まさかメモリーボード……!?」

続く…

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というわけで紫炎です・・・えっとりーふ図書館オンリーの人はじめまして
マルチ登場・前編というより人物紹介編になってしまいましいましたが
後書きの通りCCマルチ出してみました・・いやBCか・・
・・まだ命も終わってないのにねぇ・・・時間がないので感想はまたあとで・・・
あっそうそうくまさん・・英二さんが山崎君OKです・・
そーするとパートナーは由綺か理奈か・・・
そーいやなぜか俺のまわりのやつら皆MSX持ってるんですよ・・
これって異常ですかね?