命(みこと)・・・第6章&第7章 投稿者: 紫炎
第六章『希望』

「あかりも雅史も生きてる…?」
「ええ…」
志保があっけにとられていた…無理もない、死んだはずの友人2人が生きていた…しかもなにやらSFじみた話まで絡んできてるっていうんだ…驚くなっていう方が無理ってもんだろう…
「でもな…あかりも雅史も今、どこにいるか……」
「それでも生きてるんでしょう?」
「志保……?」
志保は笑ってた…
「なーんだ、そっか…なーんだ、そーか生きて…生きてるんだ…」
「志保さん…」
綾香が志保に対して声をかけようとすると志保は綾香に向かって人差し指を立てた…
「むっあんた綾香…だったっけ…」
「えっええ…」
「あたしのことは志保ちゃんって呼んでっ!志保さんなんて聞いただけで鳥肌もんだわっ!!!!」
「はっ?」
さっきまでの落ち込んでた志保からの急激な変化に綾香も戸惑っていた…
「そぉれぇとヒロっ!!」
「なんだよっ?」
志保は俺に向かってニカッと笑った
「なーに落ちこんでんのよ、生きてんのよっあかりも雅史もっ!!!!」
「でも…よ」
「手がかりが無くなったなら捜せばいいじゃないっ、こっちにゃ来栖川家の次女もいんのよ!!!合法っ非合法問わずやれんじゃないっ、手段ならいくらでもあるわっ」
「おい…非合法なのは……」
綾香も呆然としている…てーかあまりのテンションの高さに目が点になってる……
「まっヒロ、いくら頼りないあんたでもこの最強美少女の志保ちゃんがついたとなればもう安心よっ」
心配だ……猛烈に…でも、まっ
「綾香…このうるさいののこたーいいから話進めようぜっ!!!」
「うるさいのってのはなによっ」
「まんまだろ、この話しょーがないからお前にも噛ましてやろーってんだ、だまってろっ」
「ふふーん、ようやくこの志保ちゃんの実力を理解したのねっ」
「さーな、でっ綾香…それからの情報は?」
「悪い知らせ…姉さんが消えたわ……」
先輩が…?雅史とあかりが去ったあと、すでに先輩の姿はなかった…メイドの話じゃ自分で外に出ていったらしいがまだ帰ってないとは…
「セバスチャンが…?」
「それは考えにくいわね…どうも姉さん、一人で何かしてるみたいなの…父さんに聞いてみても何も答えてくれないし…」
先輩が一人で何かを?
「それとあの『プロジェクトTo Heart』の実験体のメンバーの一人、姫川琴音が何者かに捕まったわ…」
!?
「なんだって…?」
「ヒロ…姫川さんって…超能力者の…?」
そんな馬鹿な…琴音ちゃんが捕まった?
「おい綾香…何かの間違いじゃ…」
「間違いない情報よっ、葵がね…教えてくれたの……」
「葵ちゃんがっ?」
「ええ…現場に偶然立ち会ったみたい…相手は5人ほどいて…葵も抵抗したらしいんだけど…」
「それでっ…」
「負けたみたい…あの子泣きながら電話かけてきたから…5人がかりとはいえあの子を負かすなんて…相手も素人じゃないわね…」
葵ちゃんは強い、たとえ大の大人だろうと5人程度ではまるで歯が立たないくらいに…その葵ちゃんが負けた…?
「幸いたいした怪我じゃないんだけど…」
「そっか…良かった…それで琴音ちゃんは?」
「分からない…どこにいったのか…なんであの子だけさらわれたのかもっ」
理由は考えつかないわけじゃない……琴音ちゃんのあの超能力…相手がそれに興味を持ったのかもしれない…
「ヒロ…」
「んっ?」
キイ…
車が止まった…
「ちょっとあんたっ、私はここで止めろなんて言ってないわよっ!?」
「お嬢様…降りていただけますか?」
「あなたっ!!?」

ガチャッ

車の止まった場所…そこは古い工場跡だった…車から降ろされた俺達は20人程度の黒服に囲まれていた…
「あんたたちっいったいなんのつもりよっ!?」
「すいませんねえお嬢様…今あなたにうろちょろされると厄介なんですよ…いろいろとね…」
「…それで私たちをどうするつもり……?」
「なーに、ただしばらくの間、じっとしていただくだけですよ…そう一ヶ月程度じっとしていただきたいんです…」
一ヶ月…?…どういうことだ?
「ふーん…おとなしくするっていえば帰してくれるの…?それとも…」
「ホテル並みとはいきませんが…お部屋を用意してありますので…」
帰す気はないってことだ…俺は綾香を見た…どうする…?……すると綾香はこちらを向いて…
コクン
…頷いた…やる気だ…
「志保……」
「何よヒロ…」
志保の声は震えていた…
「俺の後ろにいろ…」
「えっ!?」
俺は綾香に頷いた…
「ふふ…大丈夫、浩之?…」
「忘れたのかよ綾香?…俺の実力はあの葵ちゃんのお墨付きなんだぜ…」
「2ヶ月間さぼってたけどね…葵…泣いてたわよ…」
「ああ、これが終わったらあやまりにいくさ…みんなにな…」
この二ヶ月…俺はみんなに迷惑をかけすぎてた…
「まあ、喧嘩には事欠かなかったからな…いけるぜ……」
「ふーん、関心できたもんじゃないわね…」
「おい…お前ら、何を話して……うぐっっ!!!!?」
男の身体が2メートルほど吹っ飛んだ…綾香の正拳突きが見事に決まったようだ…
「ひゅー、やるねえ…」
「すっごーいっ、ねっねっ今の何っ、波動拳?」
志保ももう舞い上がっていたっ
「お前ら…!?」
「ふふっ…基本こそどんな技よりも強しってね…それじゃあ、あんたらっ」
「くっ!?」
綾香はゆっくりとかまえた…
「足りないわ…私を倒したかったら、あと100人は連れてきなさい…」

ドサッ

最後の一人が倒れた…戦いはほとんど一方的なものになっていった…相手は綾香に指一本触れることなく倒れてき…俺達はなにもすることもなくただ拍手をおくるだけだった(情けない…)
「ふう…相手も本格的になってきたわね…まさか直接狙ってくるとは…」
「ああ…どうするこいつら……」
「うちのSPを呼ぶわ…たっぷり締め上げてもらうとして…」
綾香の顔が一瞬、悪魔になった…結構根にもつ性格なのかもしれない……気を付けよう………
「こーなったらしょーがないわ…」
「んっ?」
「『プロジェクトTo Heart』の実験体のメンバー…全部集めるわよ…あの子たちの身にもこれからどんな危険が降りかかるか分かんないもの…」
「そうだな…それしかないか……」
「ねえヒロ……」
「ん…?」
「私…存在感ないね…」
志保がそう呟いた…そしてそこにはただ風だけが吹いていた……

続く……

おまけ

なでなで
なでなで
なでなで
なでなで
なでなで
なでなで
なでなで
なでなで
なでなで
マルチ「あの浩之さん?」
浩之「んっなんだマルチ」
マルチ「頭…はげました……」

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はい紫炎です…やってしまいました…おまけ……掲示板で角刈りマルチの話題が出ていたときピンときたんですけど…このネタ、誰かすでにやってそうな気がする…まあいいか……次でほぼすべてのキャラが登場します…あと出てないのは長瀬主任、矢島、橋本先輩、坂下好恵だけになりました…長瀬主任と坂下好恵は別として俺の性格上、矢島と橋本先輩(名前あってます?)は出た途端に死んでしまいそうでどうしようか困ってます…ToHeartの中でもっとも命の価値の低い彼ら…漫才でもやらせますかね?
にしてもこの時期みんなコミケいっててだれも見てない気がする…でもまー気にせずいきましょうゴーイングマイウェイです…みなさんデュアトスには気をつけましょう…それでは下に続きます


第7章『そして…望む者…』

そして死が世界を蹂躪する
扉は開き、すべての命は崩壊し…新たなる世界がこの古き世界を覆いつくす…
望む心…私は望む…私の世界を……何者にも侵されない私の世界を…

ゴポッ

「んっ何かいったか…」
「いや…こいつがしゃべったんじゃねーか?」
研究室…様々な計器が連なった部屋…その中央には一つのカプセルがあった…その中にはHMX―12…そう、マルチに酷似した存在が浮かんでいた…
「まさか…こいつの機能は今、停止してんだぜ」
「そーだよな、まあこのボディだけでもこっちに移動してて良かったよ…」
研究員であろうこの2人はそんな世間話でもしながら作業を進めていた…
「んじゃ…テストいってみるかっ!!」
「おーし、それじゃあがんばってくれよっミコトちゃんっ!!!」
中央にあるカプセル…そのカプセルにはってあるプレートにはこう書かれていた…MALTI…ではなく…MIKOTOと………そうミコト…命…すべてを繋ぐ者、そういう存在…そして彼女は呟いた…

光…あれ…

ヒカリ…アレ…

hikari…are…

世界中のすべてに…

光あれ…

静寂…研究室の中にいた2人の研究員…彼らは今、沈黙していた…指ひとつ動かすこともなかった…2度と…その身に数百のコードを突き刺して…そしてその目には…ただ恐怖を……

光あれ

「なんのよーや藤井くんっ?」
「オー久しぶりでーすっ」
「藤田さん…お元気そうで……」
「あははは、藤田君久しぶりぃ!」
来栖川家の玄関の前に並んだ4人…説明しておこう…上から委員長、レミィ、葵、理緒…である……
「よしっよく来てくれたな、みんな…」
「ちょっとええか藤田君…?」
委員長が俺の前に出た…
「んっ?」
「ちょっとでええねん、ツラ出してや…」
「?…なんだよ、いいんちょ…」
「こんのぉぉぉぉっあんた今まで何してたんやあああああああ!!!」
ドッッガッァァァァン
「うっごおおおおおおお!!!」
ズサササササササッ
俺は委員長のビンタを受け4、5メートルほど吹っ飛んだっ!!!!
「す…すごい………」
綾香も呆然としている…
「委員…長……?」
「ふんっまあええわ…こんぐらいで許したる…よーやく元気になったよーやしな」
委員長はなにか、吹っ切れたような顔をして笑っていた…
「委員長…ああ…すまなかった…」
あかりが死んだと思ってた2ヶ月間…俺はまわりに心配をかけすぎてた…ビンタくらいくらってっも仕方な………
「えっ!?」
スチャッ
スッ
ズシャッ
「なっなんだお前たちっ!?」
レミィは弓をっ、葵ちゃんは構えをっ、そして理緒ちゃんはハッハンマーァァッ!!?
「ちょっとみんなぁ!?」
「問答…」
「無用デス」
「ははっごめんなさい藤田君…私殴れるような固定武器ないんで…」
「うぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!」
みんな…俺に対してかなりの憤りを感じてたみたいだ…でもいくらなんでもこれは…これはああああああああ!!!!!!!
「めえ、あなた…」
「あん……めえ?…羊かアンタ?」
「えっいや…そーじゃなくて…ねえあなた…格闘技やってみない?」
「はっ?」
俺が三人に殺されかけている頃、委員長は綾香に勧誘を受けていた…

同時刻…
「こ…こは…?」
琴音が目を覚ました部屋…そこは白く…ベッド以外、何もない部屋だった…ただそこには一人の男がいた…
「おっ、よーやく起きたか?……心配したぜ、琴音ちゃん……」
「……あなたは…!?」

続く……

おまけ

保坂「ふう、ようやく登場したわ…」
葵「私たち…藤田さんボコボコにしてるんですけど大丈夫でしょうか?」
保坂「かまへん、かまへん、どーせ次には復活しとるわ」
レミィ「でもヒロユキが消えれば主役は…」
理緒「私ですかね?」
ばきっ
理緒「うぐっ」
レミィ「それはないデス…絶対に……」
葵「所詮…隠しキャラってことです…すみません」
保坂「いい気になっとるんやないで、この貧乳っ!!!」
葵「……(むかっ)」
ドゲシッ
保坂「かはっ」
葵「殺った…」
レミィ「これで一対一ネ、松原さんっ!!」
葵「この間合い…弓じゃ勝てませんよ…」
レミィ「ダイジョーブッ、私バーサーカーモードありマスっ!!!!」
葵「では…」
葵&レミィ「勝負っ!!!!」
カッ…!!!!!
…………
………
理緒「同士討ち…です……ということは、やっぱり私が主役ですね!!」
保坂「ま…待てや……」

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紫炎です…うわっなっがい文章・・・第7章が書きあがったのは8月16日AM3:35…第1章をつくってからまだ3日…むちゃ暇人すね俺…もっぱら書いてんのは深夜ですけど…しっかしワイヤードでもリアルワールドでもコミケの話題でもちきりですっ…(えっワイヤードを知らない?、広辞苑で調べてみてください…無論載ってません(笑)…lain…私たちの存在理由…見てない人には生きている意味がないと言われても仕方ないなという作品、それを見れば分かります…うーーん、長いカッコだ…)いってない私は取り残された気分で少し寂しいです…まー気にせず、ゆっくりやりますわ…(何を?)…にしてもよーやくほとんどのキャラが出た…タイトルの『ミコト』もでました…イメージは赤い髪と目をしたきつい感じのマルチ…です…服装はやっぱ巫女さんスタイルですかね…ふふ…人数多すぎて…疲れる……エンディングへの方向性は少し見えてきたんだけど…人数の多さが邪魔をする…もう駄目だ…という訳で感想です…

おばQさま>すいませんシリアル(笑)ものまだ続きます…せめておまけだけでも呼んで下さい

白野佑凪さま>頭から血の吹き出したはるか…想像して笑ってました…なぜか想像上でははるかが3リットルくらい血を吹き出してました

邪 傀儡 さま>なぜかZガンダムだと思ってみてました…あっ初代だったんですね…変だと思ってたんです

vladさま>やっぱいいですね関東藤田組…このままいけば世界が崩壊しそうな俺の話とはえらい違いです……にしても関東藤田組ってやっぱりヤクザっすね

アクシズ様>おそらく一人だけさまが漢字なのも勘違いではないでしょう…なんにしても一番、様をつけて似合う人ですな…うーーん、遙か彼方で真っ二つに割れている巨大な初音ちゃんの顔ですか…あれっ初音ちゃんの目からえEVAがっEVAがああああ…

ガイア・ギア>文化放送??周年記念に放送されたガンダムシリーズラジオドラマ第1弾…小説も全5巻もでてる…えっそれがどうしたかって?…だって誰も知らないんだもん…俺好きなのに…マン・マシーン(MSじゃないんだよ)カッコいいのに…