命(みこと)・・・第3章 投稿者: 紫炎
第3章『魂を持つ機械』

来栖川バイオニクス開発部門
主に生体についての研究をしており、義手、義足,人工臓器などに広く貢献している部門
人体実験などと悪い噂もたつがその実力ゆえに来栖川エレクトロニクス開発と双璧をなしていて来栖川グループの中でもかなり上の地位におかれている……

「つい二、三ヶ月前だったかしら…そこの部門から新しいヒューマノイドタイプのロボットの立案がでたのよ…」
俺達は今、綾香の家…つまり来栖川家の邸宅に、迎えにきた外車で向かっていた…
「ロボット……?」
「ええ、人と同じように生きて、考え、行動する…全身を現在の規格そのものから外し、生体系パーツで維持する…さながら人造人間ね…なによりその新型には生物しか持ち得ない『魂』すらも装備されている……」
なんかだんだんSFじみてきた…普段の俺なら冗談にしか聞こえないがあの雅史の姿をしたものを見たあとでは笑えることなんてできない……だけど…
「なあ、綾香…そのさすがに魂ってのは…なあ……」
「何いってんのよ、あんたも見てるはずよ!ほらっいたでしょ…あんたの学校に1週間だけ来ていたあの…」
!?
「マルチッ…マルチのことかっ!?」
「ええ…あの子は世界初の魂を持ったロボット……結果報告だけなら私も見てるわ…あなたも感じてたでしょ!あの子の心を!!」
確かに…俺はマルチをロボットとして見ていなかった…マルチには確かに心があった…そのことは俺が一番良く知っている…
「試験的にあの学校に通わせたのはむしろ『魂』のデータをとるためだったの…セリオと違って高性能を求められていない標準タイプのHMX−12型には学校での試験なんて本来は不要なんだから!」
そっか…やっぱりあいつにも俺たちと同じ…
「ん…なぁに笑ってんのよ!?気味が悪いわよ……大丈夫、浩之?」
「気にするな、ただ嬉しいだけだから…」
「ふーん、まっいいわ、話…戻すわよ!」
「ああ…」
綾香は一息つくと、またしゃべりだした……
「それでそのロボットの案ね…却下されたわ……」
「えっ」
却下ってことは…
「人道的な問題よ…ほとんど人と変わらないものを売り出した場合の世間の考えが来栖川に多大な損失を生むと思われたの…」
「?」
「ふふっよく分からないって顔ね、まあ仕方ないか…うんとね来栖川バイオニクスの製品は人体の部分クローン化によるところが大きいのよ…人の1部をまんま作り出して機械制御に改造してるの…それだけでも本来なら十分非難ものなんだけど必要とする人多いから…まあ、そんなものを繋ぎあわせればほぼ人間と変わらないものができるのは当然のこと、だからこの新型を出すってことはクローンの人間を奴隷として売ってるようなもんってことになるのよ!」
「………」
「と…世間は思うってのが却下の理由ね」
うーーん、まあ人身売買はいかんってことか…
「そんなわけでこの案は消えたの…クローン製造なんて外にもれたら大変なことになるから…すべてのデータを消したの…ううん無くなったはずだった…」
急に綾香の表情に憂いが見え始めた…
「綾香…?」
「でも…まだ生きてたみたいね…」
「……あの雅史は…その新型ってことか?」
綾香は確信を持った様にうなずいた…
「おそらくは…そのニセ雅史の言葉通りなら二ヶ月前死んだあかりって娘も……」
「そっか……」
「あの時、落ちて来た腕…もぎ取られたもんじゃないわ…接合部分があったもの…間違いなく…」
キィィ!!
「お嬢様、御到着いたしました…」
どーやら着いたみてーだな…ばかでけー屋敷が今、目の前にある…
「うん…ほら浩之降りるよ」
「ああ…」
ガチャッ
「んっ…あれっ!?…先輩……?」
「……(こくん)」
「出迎えありがとー!ねーさん!!」
「……(こくん)」
俺達の目の前には先輩と無論…
「カアアアアアアアアアア」
いやがったかジジイ
「ジジイではないわ小僧、わしにはお嬢様より承ったセバスチャンという名前がある!!!」
「てってんめーっ勝手に人の心の声を読むんじゃねーーーよ!!」
「ちょっとぉ、二人とも止めなさいっ!!」
「……(こくん)」
「でもよー」
「しかしっ」
「……(ジーーー)」
「うっ!?」
「お嬢様…!?」
「はいはいっ、ほら浩之いくわよっ!」
「えっああ…」
「ねーさん、浩之ちょっと借りてるからねっ!あとで返すからちょっち待ってて!!」
「……(こくん)」
先輩…うう、やっぱかわいいなーーー
「小僧…この屋敷の中で不埒な真似をしたら生きては帰れぬと思えよ」
くっジジイ…一言多いんだよ!!

カツカツ
来栖川家の屋敷は広い…無論廊下もマラソンができるほど長かった……
「浩之……」
「んっ?」
「ねーさんね、あんたのこと随分心配してたんだからね…本当久しぶりなんだから……ねーさんのあんな明るい顔……」
「ああ…すまねー綾香」
「あやまるんなら私じゃなくてねーさんにでしょ…」
綾香はちょっと怒ったような顔をして言った…
「…お前も心配してくれたんだろ?」
「ふん、ばーーか…ほらっ着いたわよ」
ガチャッ
「へーーここが綾香の部屋か…片付いてんじゃん!」
なんとなくあかりの部屋に似てる感じがした…綾香も女の子ってことか……
「ほらじろじろ見ないでよっ、こっち来て!」
「おうっ」
そこには机の上に無造作にモニターとキーボードが置かれていた…
「綾香…これ……?」
「ああ、本体は別に繋いであんのよ…来栖川グループの中枢にも繋がってるから来栖川関係ならほとんどフリーパスで通れるわっ!!」
なんかすごそうだ…
「んじゃちょっと調べてるからそこらでくつろいでて…」
「分かったよ…なるべく早く頼むぜ」
「OK!!」


「えっナイツ…」
ぽりぽり(菓子食っとる)
「ナビおはよう」
ぺらぺら(本読んでる)
「ねえ、教えて!」
ふああああ(あくび)
「物事には最初に予言があるの…」
ぐーーぐーー(寝とる)
「神様だよ」
うーーーん…あかりぃ……(寝言)
「役に立たないチェシャ猫…」
ごとっ(ベッドから落ちた音)
「ナビおやすみ…」
「おやすみなさいレイン」


「見つけたっ、ねえ浩之っ寝てないでこれみてよ!!!」
「うっうーん…綾香…お前さっきのセリフって全部レイ…」
ガコッ
「うぐっ!!!?」
綾香のみぞおちが見事に決まった…ってなんでや?
「なーーに、浩之…なにか言った?」
「……(ふるふる)」
「世の中には知らなくていいこともあんのよ…」
だからってこれはねーだろ……第一知らん人にはなんのことやら…だれも知らんかったらどうすんねん?
「ほら、これよっ!」
綾香がキーボードをたたくとモニターの中のウィンドーが開いた……
「こっこれは?」
「なるほど…そういうことか…」
そこに映し出されたのは……

続く………

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ども紫炎です!
喫茶べのむ さん>感想ありがとーございます・・でもこっからは
ダーク系よりもSFに走りたいなーなんて考えてます
そーいえば雅史はあかりのこと、あかりちゃんっていうんでしたっけ…いやいいんです!あれは偽雅史ですから(ただ忘れてただけです、すんません)…感想書こーと思ったんですが…ここ数日のを連続して見てたら量が多すぎてどーしよーかと悩んでおります…(そーいやここ一週間の伝言板のログも見てたんだけどもう大変でした、2時間くらいかかった、そーいや、ここ数日少し荒れてますね…伝言板が)
個人的にROSSOさんのエルクゥナイト(CLAMP好きなもんで…イッイーグル役を英二さんに…緒方ですし…いや、なんでもないです…失礼しました)やvladさんの関東藤田組などが好きです!!俺の属性は本来ギャグなんでこういう話を見てると本当に幸せになれます…心に染みます…はあ(歓喜)…んで次の4章はパロディ色かなり濃くなってきてます…もうあがてるんですけど疲れたんでもーしばらくしたら出します…それではみなさん、さよーならーーー!!!!!!!!