命(みこと)・・・序章&第一章 投稿者: 紫炎
序章 『狂えし者の妄想 または死者の祈り』

あかりはいったよ…
死ぬことは恐くない…生きて地獄を見るよりはずっといいって…
でも死ねないね…
あかりは臆病だから…弱いから…
だからここにいる…ビルから落ち…頭が割れ…脳漿がまき散らかされようと…
あかりはここにいる…生きていない…死んだ魚の目をしたあの子はここにいる
ただ待っているんだ…誰にも気づかれずにただ一人ここにいる
「私を助けて…」
そう祈りながら一人で待っている…来るはずもない自分の救い主を……
僕にできることといえばそんなあの子を見て馬鹿だねって笑うことぐらいかな…
だってあかり…とっても嫌な目をしているもの…生きていないあかりを見たときから変わらずいやな目をしている……そう思うとまた笑えてきた…
あんなんじゃ救い主だっていやがって近づきゃしない…汚れた魂…あの子はそういう存在だ……
でも最近あかりを見ない…どこへいったと思ったら自分で探しに行ったみたい…救い主を?…いいやおなかが減ったんだと…なにを食べているのと聞いたらその途端世界は真っ暗になった……
今、僕はあかりといっしょにいる…そして今日もあかりを笑ってる…
ねえ浩之もいっしょに笑わない?

第1章 『歪む日常』

「奇妙なヤツ…」
まったく最悪だな…あんな気味の悪い集団そうそういねーぜ!…たく…
今日、駅前を歩いていたら変なヤツラに声をかけられた…『電波推進委員会』…ここらで大々的に布教活動しているいわゆる新興宗教の1つだが、あいつらの目…なんかやばかった…あんな目…普通じゃ…
「よっどうしたの浩之!?」
んっ…なんだよ人が考えごとしてるってのに…って
「あれ綾香じゃん、どーしたの?」
「どーしたのはあんたでしょーが…浩之、こんなホームのはじっこで暗い顔してうろうろしてたら自殺でもすんのかと思っちゃうじゃない?」
へっ?
「そんな暗かった…俺?」
「もー今にも死にそーな顔してたわよ、ほらあそこの駅員さんなんか心配そーにちろちろあんたをみてたんだから…」
うーん、ちょっと大袈裟のよーな…まぁ綾香はいつもオーバーなんだよな…って
「あれっ綾香なんでここにいんの?今日学校じゃあ…」
「あたしんとこは今日創立記念日…にしてもあんたんとこ大変のわりにのんびりしてるわね…学校今やばいんでしょ」
「はっ、なにが大変なんだ?」
「えっ知らないの?ニュース見てないの…っていうかあんたなんで自分の高校のこと知らないのよ?」
「へっ?」
大変…学校が…
「ふーーサボりすぎね…その様子じゃ家にも帰ってないでしょう?駄目じゃない、浩之のお母さん心配してるわよ!」
「今、両親家にいねーよ!…それよりどういうこと?」
「立てこもられちゃったのよ!あんたの高校!!」
「はあ?」
綾香…そりゃ夏だからなー暑さでぼけるのも無理はないか…最近妙に気温高いしな
「ちょっと…浩之あんた信じてないでしょ……?」
「えっ…はははははははは………うん…」
当たり前だ…綾香も何もそんなうそ、言わんでいいのに…
「本当なの、ほらこれ見てよ!!」
ちょっと怒った顔して綾香はバックの中から新聞の切れ端を出してきた…えっと、なになに……
「現代の鬼伝説…今回某市で確認された…」
「そこじゃないでしょっ!?その下よ!!!」
「あっやっぱり…変だと思った!」
えーとどれどれって…あった……間違いない…うちの高校だ……
「本当でしょ…なんか生徒の一人が数人、人質にとってこもってるらしいわよ…死人も出てるらしいし……」
「マジかよ!?それってかなりヤバいんじゃ……」
「でしょーね、なーんか今朝のニュースじゃ御家族の方が説得に来てたみたいだけど無駄だったみたい…」
「なんか…すごいことになってるみたいだけど…綾香…なんか平然としてるな…」
「そりゃーね、もう3日もたってるし、ねーさんも無事だったし…って、そーいや浩之あんたいったいどこでなにしてたのよ?」
「えーーと……ずっと、あの麻雀を…3日くらいかな…昨日は一日中寝てたし…」
「……………」
うっ綾香の目が冷たい…
「ふーーーん、そう……」
呆れてやがる…ちくしょー……んっそういえば…!?
「なあ、綾香…」
「なによ不健康少年…」
…………
「あの…さっ…そーいや立てこもってるヤツって誰?おれたちの知ってる人間…?」
「…えーと…私は知らない名前だったけど…たしかサトウとかって…」
……それって…!?
「ォ…佐藤…佐藤 雅史……?」
「う…ん?…そう、確かそんな名前……あれっ、もしかして浩之の知り合い?」

今日もあいつはこない…少し周りがうるさくなってきた…3日もたてば腹も減る…
後ろの奴等にも分かっているようで、もうなにもしゃべらない…少し笑える…
あかりがおなかが減ったといってきた…僕はどうしようか…?
頭がね…すーすーするんだ…さっき穴があいた…ひどいよね…銃で撃つなんて…
デモ…タマシイハココニアル……
そう…だから僕はここで待つ…あいつはきっとここに来る……僕は笑うだけだ……
あかりがおなかが減ったといってきた…エサ…食べようか…外にいるのにも分けてあげよう……3日もいるんだ…おなか…すいてるはずだから……
キットヨロコンデクレル……
彼らが笑ったら僕も笑おう…きっと楽しいよ…大合唱だ…ふふふふふは…ふはは…
ははははははははははははははははははははははははは……はははは……はは…

「なんなんだよいったいこりゃ?」
俺は高校の前に来ていた…凄まじい数の警官と雑誌記者やカメラマン…
「ねっほら…言ったでしょ……とても入れる感じじゃないって…」
「ちっ……!?」
佐藤雅史…あいつは……
「えっちょっとぉ、浩之?」
あいつは………
「おいっ君っここに入っちゃ…」
あいつは…………
「君、駄目だったらっ」
あいつはっ!!
「あいつはっ、雅史は俺の友達だっっっ!!!!!!」



「本来…ここには一般人は入らしちゃいかんのだが…」
「すいませんっ本当にすいませんっ!ほらっ浩之もあやまって!?」
俺が雅史の友達なんて言ったおかげで、綾香と俺はレポーターや記者なんかに押し潰されそうになった…そんなわけでやむなくこの警部さんが大学前にはったテントに連れてきてくれた…でも俺は…
「あの…警部さん……雅史は………?」
「君は…佐藤君の友達かい?」
「……はい」
佐藤雅史…俺の幼なじみ…今はいない…俺の大切だったあいつといつも3人でいた……なんでどうして雅史が…どうしてだよ…
「彼は…なんなんだ?」
はっ?
「彼って雅史のことですか?」
なにを言っているんだ…この人は……?
「人間……なのか…?」
「はいっ?ちょっと警部さん大丈夫?」
綾香もいぶかしげな表情をしている…無理もないけど…それにしてもさっきから周りの雰囲気もおかしい…どういうことだ?
「あの…それってどういう…」
ドサッ…
んっ…テントの上になにか乗った…なんだ?
「なにかしら?」
ヒュウ…ポタッ
「!?」
「なっ…」
「い…いやあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
う…で…?人の腕が……上から…落ちてきた?

「なんだっどうしたんですかっ!?」
「なんでもありませんっ、マスコミ関係の方はこの線より前にでないで下さい!!」
「でも今、人の悲鳴がっ!?」
「なんでもありませんっともかくなにかあったら次の公式発表のおりに報告いたしますからっ!」

どーも、綾香の悲鳴で外も騒ぎ出したみたいだ…それにしても…
「これ…雅史が…?」
「立てこもってる教室からここはかなり遠いが多分…」
警部さんの顔も青かった…
「どういうことです?」
「分からない…こんなの今まで…こんな事件なんてなかった……いや…そもそも…あれは人間なのか?」
警部さんは同じ疑問をまた聞いてきた…ただそれは俺に聞いたというより自分自身に問い掛けるような感じだった…雅史はいったい
「雅史…どうしたんです?」

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あかり死す…雅史狂う…浩之夜遊び…くっTHファンに喧嘩売ってんのかいおれは!?
ほんますんません…あかり好きです!雅史はもっと好きです!!いやいや…別に悪意はないんです…ただToHeartじゃないなこれ…うーーーーん取りあえず……長い目で見たって下さい…だんだん話明るくなってくると思います!
次の話で今回の大部分のフォローが入りますんでこれ見て怒ったあかりファン&雅史ファンのかた…少しは怒りもそげるかと思われます……お前なんか知るかって思わず見てくださいね…
みなさまへ>ここに初めてきた紫炎です!よろしく!!ここの感想はまたのちほどということで
それでわ!!