「こころの枝 〜ぶどうの実〜」ver.2 投稿者: 美咲萌え紫陽
「こころの枝 〜ぶどうの実〜」

2.神岸あかり 編

 私、神岸あかり19歳!
ピチピチの大学生で〜す!!
  ヨ・ロ・ピ・ク☆

 「…」
 私は今、浩之ちゃんの出した要求の為に、新しい自分を作ろうとしている…。
あの日、浩之ちゃんは私に…
 『なんだかよー、あかり…いつもお前さー、月並みでいやんなるぜ』
 げーん
 それは私にとって、死刑宣告と等であった。
今まで10年以上付き合ってきたけど、まさか浩之ちゃんがそんなこと思ってる
なんて、私…夢にも…。

 「…だめね、私」
 さっきから一生懸命“逸般人”になろうと努力しているのに…
駄目、恥ずかしい…私って所詮しがないバンビーなのね!!

 ふふふ、馬鹿みたい。私ってなにやってんだろう…。
 浩之ちゃんの事…好きだからかな…。
好きだったのに…ずっと好きだったのに…浩之ちゃんは私の事なんて…。
 寂しい、寂しいよ。こころが壊れそうだよ。こころ、こころが。
うふふ、ははは。なんか可笑しい、自分が可笑しい、おかしい、オカシイ。
やめて、私を一人にしないで!ずっと浩之ちゃんの事しか考えて来なかったんだよ。
なのに、なのに…
 『なんだかよー、あかり…いつもお前さー、月並みでいやんなるぜ』
 なに、それ?私って浩之ちゃんの何?
オプション?ビット?ファンネル?イデオンガン?魔法のバトン?ルーくん?
 『なんだかよー、あかり…いつもお前さー、月並みでいやんなるぜ』
 そんなセリフ、ないじゃない!!
 『なんだかよー、あかり…いつもお前さー、月並みでいやんなるぜ』
 いや、そんなセリフ聞きたくない。
 …食べちゃえ
 『なんだかよー、あかり…いつもお前さー、月並み
            り…いつもお前さー、月並みでいやんなるぜ』
                   ー、い
                    、
 食べちゃった…無くなれ、私のお腹の中で溶けちゃえ。
いっその事…みんな死んじゃえ。私のお腹の中で、みんな無くなっちゃえ!!
 浩之ちゃんも、マルチちゃんも、姫川さんも、志保も、保科さんも、
クラスメートも、お父さんも、お母さんも、通りすがりの人も、
嫌な思い出も、悲しかった思い出も、楽しかった思い出も、こころも、私も、
恋も、恋も、恋も、恋も、恋も…
 無くなれ、無くなっちゃえ−−−

 でも、いやだ。みんなと居たい!
この想い、忘れたくない!!
浩之ちゃんの事、想っていたい!!!
浩之ちゃんと一緒に居たい!!!!
浩之ちゃんの事、好きだもん!!!!!

 居た…
 浩之ちゃん…みつけた。
 どうして、マルチちゃんを抱いてるの?
 マルチちゃんが好きだから?
 私と浩之ちゃんの、二人の思い出が詰まったこの場所で
 一体何やってるの?
 ナニ考えてるの…?
 ナニする気なの……?

 私にあんな事言っといて…

 ぷちん

 私の中で何かが、勢いよく弾け飛んだ…

「こころの枝 〜ぶどうの実〜」2.神岸あかり 編(完)


3.姫川琴音 編

 RRRRRRR…RRRRRRR…
ガチャリ

 「あ、はい、姫川ですけれども」
 「…」
 「えぇ、わたしです…藤田さん?」
 「…」
 「え…嘘!…マルチちゃんが?…そんな…」
 「…」
 「今、研究室ですか…何処の?…来須川でんこー…あ、わたしも行きます!」
 「…」
 「え、普通の人は入れないんですか?」
 「…」
 「一段落したら、連絡して頂けるんですね?」
 「…」
 「はい、わかりました」
 「…」
 「え?そんな!!マルチちゃん…私の大切なお友達ですから、当然です」
 「…」
 「そんなお礼なんて…駄目です。わたし、マルチちゃんと浩之さんには…」
 「…」
 「いえ、そんな事ありません」
 「…」
 「とっても嬉しいんです。だから、いつもの感謝のキモチを伝えたいんです」
 「…」
 「え!?」
 「…」
 「そうですか…そんな事を…」
 「…」
 「マルチちゃん…意識が戻ったら伝えてあげてください」
 「…?」
 「あなたは、立派な人間だって」
 「…」
 「ありがとうございます…えぇ」
 「…」
 「じゃぁ…」

 ガチャリ

 「マルチちゃん…」
 わたし、心配だよ。
 手持ちぶさたになったわたしは、冷蔵庫に手を掛け麦茶をを取り出した。
 「わたし…行かなきゃ」
 いつも人間関係から逃げ出してきた…そんな私を支えてくれたのは、あの二人。
特にマルチちゃんのあの笑顔は…こころが安らいで…そのお陰で“不幸の予知”は
わたしの中から忘れ去られようとしていた…。
 そんなマルチちゃんが、今苦しんでいる…放っとけない…そう、放っとけない!
放っとけるわけが無い…行かなきゃ。
 トン
 コップに麦茶にを注ぎ終えた所で、わたしは駆け出していた。

 何処へ行こう…困った。
 わたしったら何も考えずに飛び出してきてしまって…

 なんとなく、ふらふらと歩き回った…
 駄目…こんなんじゃ日が暮れちゃう…

 そういえば、藤田さん…電話くださるって言ってたなぁ…
 「藤田さぁん…」
 「マルチちゃん…」
 なんとなく不安になってくる…あっ不安は駄目…予知になっちゃうから…。
 藤田さんが言ってた。不安に思う気持ちが、予知に繋がるって…
 何とか気をおちつかせなくちゃ…
 そうだ…
 あの場所に行ってみたい。
 あの場所に行けば、今の気持ちも少しは落ち着くかも。

 すっかり、紅葉…落ちちゃったな。
 もうすぐ11月だもんね…寒くなるなぁ…
 マルチちゃん“えりまき”飾っとくだけっていうのは、もったいないなぁ…
 今度、着て行こうかな?
 きっとマルチちゃん、びっくりするだろうな…
 『あぁ、琴音さん…駄目ですぅ!!』
 なんて…
 それを今度は藤田さんがはやし立てながら
 『おっ、マルチの最高傑作じゃねぇか』
 とか、ひょっとしたら
 『琴音ちゃん、似合ってるぜ』
 なんて冗談を言われるかも。

 でも、マルチちゃんは、本当に飲み込みが良くてすごいなぁ…。
 ほんのちょっと教えただけで、編みかたをマスターしちゃって。
 うらやまし…あれ?
 わたしは向こうのベンチに座っている藤田さんと、その手に抱きかかえられる
ようにして身を寄せているマルチちゃんを見つけた。

 こころに光が差す。

 「藤田さ…」
 と言いかけたその時

 「浩之ちゃん…」
 神岸さん…!?
二人の前に現れた彼女は、ひどくやつれた様子…髪なんてぼさぼさ。
たしか、藤田さんの幼なじみとかで…。

 とにかく、マルチちゃんの事を確認しないと…
わたしは三人の方へ駆け寄っていった。

「こころの枝 〜ぶどうの実〜」 3.姫川琴音 編(完)
---------------------------------------------------------------
ども、美咲萌え萌え紫陽ですぅ。

まず、感想。

> ふたつのなみだ

 文句無しにウマイっす。(^^;
感動…は出来なかったけど、ハラハラ・ドキドキしちゃいました。

> 『嗚呼、懐かしき哉、我が宿敵ダリエリとの再会』

 レッドホットなスパイスが効いてます。(笑)

> 『殺戮、欲望、憤怒、悲哀、・・・安堵』

 う〜ん、柳川の気持ち…ようわかるで。
ハードボイルドで、ロマンスに満ちたお話…かな。

> 『合い言葉はしあわせ』

 ゔ〜、幸せじゃない人間から見れば、許せぬ。(笑)

以下レス。

>あかりの感想ステーション〜最終回〜

 はじまめして!<ごめんなさい、WA哀しすぎてハイです。(^^;
はっきり言って“うよよよよよ”な展開なのですが、何とか挽回していく
ツモリです。元々別の文章をつなぎ合わせるのって結構苦労が…
(それ以上に現在、美咲さん病の方が深刻だけど。(笑))

>水野さん

・ちっちっち、“こころ”を”心”に…“ぶどう”を“葡萄”
  にしちゃいけないな、水野さん。
 あたしって一文字一文字にこだわってるから。(笑)
・いのちですか、いらんな…私には。(^^;

>久々野 彰 さん

 あかりについては…私はアンチあかりです。(ごめんなさい)
っていうか、幼なじみとか妹とか、死んでも解らないような表現を
突きつけられたので、全く愛情湧きませんでした。(^^;
 だからWAのはるかもちょっちアウト。
でも、ちょっち壊れているという点では
同じような人種かもな…とも思ってる。

お知らせ

 ところで、アソート同人誌(+CD-r(?))出す予定なんですけど、
作品が集まらなくて死亡中です…(笑)。
 儲け無し(ってゆーか部数でなきゃ赤字)なんで、 ・・・・・
二次創作でも桶桶っす。(^^;勿論、未発表、既発表は問いません。

 ただし、掲載にふさわしくないもの、著作権上危険なものは省きます。

 あと、挿し絵…つくかも。

詳細は			↓ココ

http://www.try-net.or.jp/~shiyou/masu.htm