清々しい、朝。
チュン、チュンチュン。チチチチチチチチ・・・・。
たったったったったったった・・・・・。

鳥の鳴き声に混じって、ジョギングをする人の声が聞こえる。

「いやー、いい天気だねー」
「そうね」
「やっぱ、気持ちいいよね！」

柏木梓、来栖川綾香、新城沙織の三人だ。
別に、珍しいことではなかった。ある一件以来、知り合いになった三人は、
何故か気の合うことが分かり、よくこうしてジョギングをしたりしていた。
普段住んでいるところは、バラバラだ。だが、それぞれが学校の長期休暇
に入ると、柏木の家に泊まりに来るようになった。

「さて、今日は軽く組み手から入りましょうか」
「はーい」
「オッケー」

実は、最近になって、梓と沙織が綾香に格闘技を教わりたいと言い、ジョギング
と共に始めることになった。柏木家の唯一の男性は、その話を聞いてから、あまり
遊びに来なくなったという・・・。

「ヤアアッ！」
「たっ！」
「ほら、沙織ちゃん！重心がぶれてるわよ！」

綾香は二人を同時に相手をする。一対一だと時間がかかるし、面倒だ。そう思って
いた。しかし・・・二人の上達は、異様に早かった。沙織は元々運動神経が良いよ
うだったし、梓に至っては、パワー、センス共に抜群だった。

(これは・・・二人同時に相手をするのも、無理になる日が近いわね・・。)

綾香は内心、喜びと焦りが交錯していた。

「よし、とりあえず、一休みしましょうか」
「ふぃー」
「あーーーーーー！疲れたぁーーーー！」

いつもの公園の、いつものベンチに腰掛ける。

「でもさぁ、どうして急に格闘技習いたい、なんて思ったの？」
「んー。私は色々あって・・。祐君・・あっ、長瀬祐介君のことね。で、祐君に
　すごく助けられちゃって・・・。それで、もしも次に何かあったときに、足手
　まといにならないようにしたいなー、っと思ってね」
「私も大体、同じ様なことかな」
「ふーん」

二人の言葉に、綾香が相打ちを打った。

「祐君・・・・・」
「耕一・・・・・」
「・・・・」

沙織と梓は、空を見上げながら、思い人の名を呟いていた。

「いいなぁ。二人とも」
「え？どうして？」
「だって、二人とも『いい人』が身近にいるんだもの」
「・・そうかなぁー。綾香さんにも、お姉さんがいるじゃない」
「そうそう。綺麗で優しい、さ。うちの姉貴とは大違いだよ」
「・・・あのねえ。姉さんは確かに好きだけど、姉妹じゃないの。
　それに、何よりも女同士よ！？」
「あはははは」

綾香が苦笑して、梓と沙織が笑った。

「でも、きっと綾香さんにもいい人ができるよ」
「そうだよ。綾香は美人だし、すごく魅力的だしさ」
「そうだといいけど・・・」

そろそろいい時間になってきたので、三人はジョギングをしながら帰っていった。
ある、清々しい朝の一幕・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　終　＞
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筆者あとがき
　はい皆様こんばんわ。健やかで御座い。いやー、僕はこのキャラ三人は使えないと
　思っていたんですよ。ネタが無くて(笑)。それに、どうしてもこの三人で書くと、
　戦闘系の話が入ってくるという強迫観念みたいなもの(笑)があって、書けないとお
　もっていたのです。が、書けました(笑)。あまり面白いとか、人を引きつける作品
　というものとは程遠くなりましたが(爆)。

　ところで、この三人の年齢関係、僕は梓＞綾香＞沙織と認識しているのですが、間
　違ってますか？言葉遣いや、人の名前を呼ばせるときに悩んじゃって。むー。誰か
　教えてくれー。

　この３人、僕の中では武闘派メンバーという認識(笑)。本来なら葵ちゃんも入って
　いるはずですが、入れてません(笑)。一応、そういうキャラは一つの作品に一人と
　いう変なポリシーのせいです。・・・よく分かりません(笑)。

　で、このＳＳのオチ・・・。
　・・・耕一の死(梓にタコ殴り喰らう(笑))なんちゃって。

以下レス＆その他
＞久々野彰さん
  『Ｓｏｌｉｔｕｄｅ』は、とても良いですね。特に、太田さんに脳味噌やられてし
まった自分としては、太田さんの話は注目でした。壊れちゃったその後、なわけです
が、太田さんらしくて良かったと思います。彼女は本当に一途で良い娘だと思うので
きっと周りに迷惑を掛けた事を後悔しても、先輩のことは好きなまま・・。
そんなアンビヴァレンツをこのＳＳから感じました。しっかし、太田さんの話を読む
度に、月島のヤローが・・・(笑)。
　あと、ｄｙｅさんの『天狼星〜シリウス〜』はお読みになっていたと思いますが、
やっぱりこの作品の影響はお受けになったのでしょうか？。僕の中でこの作品は、
不朽の名作(笑・そんなに時間経ってないけど)になっています。

＞ｄｙｅさん
　お元気ですか？まぁ、ＳＳを投稿なさる所を見ると、卒論の方も何とか巧くいって
いらっしゃるようで。で、肝心の感想ですが、未だ読んでません(笑)。いずれメール
だします。それと、確か「天使〜」の新章、一度アップされてましたよね？
出来れば送って下さい。手に入れれなかった・・・。

＞ジン・ジャザムさん
　面白いですねぇ。スパリフ大戦。シリアスからギャグまで、あなたのセンスは凄い
と思います。五十話？じゃあ、僕がまた戻ってくるまで、大丈夫ですね(笑)。

＞西山英志さん
　お久しぶりです。今頃「闘姫と剣巫女」を読み終えました(笑)。正直な話、よかっ
たです。どうして貴方の作品は、とても引きつけられるのでしょう？文章全体が、と
てもすぅっ、と気持ちが入っていきます。

＞アルルさん
　こんばんわ。メール届きました？お仕事が大変な上、スランプ・・・。
　気長に待たせていただきます。僕も長いこと来てませんでしたし(笑)。

＞その他の皆様
　僕をご存じの方、お久しぶりです。お新しい方、初めまして。皆様の作品、読ませ
て頂こう・・と思っていますが、多くはフロッピーのなかです(笑)。また、ゆっっく
りと読んで、感想を書かせていただきます。なにやら皆様のレスでは、「ゆきさん」
が目下注目の的だとか。むぅー。読みたい。時間ない。うがぁぁぁぁぁ・・・・。

今回も病気みたいに突発的に戻ってきました。・・・いかんなぁ、忍耐がたらんぞ。
たぶん、二月にはそぉ〜っと陰のように戻ってこれる・・・はず。自信ないけど(笑)。

　それでは、また。