・・・・・2137年・・・・・・。 ・・・「セ○ンド○ンパ○ト」も起こることが無く、 ・・・人造人型決戦兵器が出てくることもなく、 ・・・特務機関が生まれることもなく、 ・・・人々は、地球(ここ)で生活していた・・・。 ・・・唯一の問題を除いては・・・・。 人口が激減しはじめたのは、今に始まったことではなかった。 二十一世紀に突入した頃から、先進国では高齢化が問題となり、生産力の低下 経済の停滞、医療福祉制度の破綻、それに伴う国家財政の崩壊。 第三世界の国々では、乱開発による環境汚染が深刻化し、まともな子孫が産まれない といった人類の種の保存にまで影響を及ぼした。 ・・・「国が無くなる」・・・「人類が消える」。 そのようなことも、もはや避けられる出来事ではなかった。 そこでそれぞれの国々は、独自に生き残りを賭けた開発に乗り出した。 それは遺伝子操作や人と様々な動物との混血、人間の機械化にまで及んだが どれも決定的な解決策にはならなかった・・・・。 ―――――――――――――日本、○○市。――――――――――――――― 「・・・やはり、やめておくべきだったか・・・・。」 来栖川重工・革新技術研究局局長、長瀬はそう呟いていた。 ここは日本はおろか、世界有数の研究者が集まり、日々新技術が生まれていた。 (・・・この技術(ちから)は、・・・まずい。) 長瀬は悩んでいた。ここの技術は超一流であることを証明してきた者として、 親や祖父ら代々勤め上げてきた歴代の技術者として、そしてここの責任者として。 今回の開発で得られた技術は次元が違っていた。 (しかし・・・これならば、以前のような失敗はないはず。) 『以前のような失敗』・・・。 ・ ・ ・ これは、以前まで来栖川重工が主に開発していたアンドロイドを指す。 長瀬の祖祖父が開発に携わったと聞いているが、そのおり、アンドロイドに『心』 を持たせるかどうかで、議論になったという。しかし、結局はコストの問題で 『心』は省かれた。ただ一人、『マルチ』という者以外は・・・。 『心』を省かれたアンドロイドは、もちろん日常では何ら問題はなかった。 ちょうど若年人口が不足してきたこととも重なり、需要は爆発的なものとなった。 寝たきりの老人は喜び、小さな企業でも一体あればかなりの活躍をするため 熾烈な資本競争にも耐えてゆける優秀なものであった。 しかし、『心』を持たない為、どうしても『機械』というイメージは払拭できなかった。 それが悲劇につながった・・・。 はじめに目を付けたのは、第三世界の発展途上国だった。 これらの国は、核兵器を持つ事のできる世界情勢では無くなっていたこともあり 決定的な武力を持つことができなかった。 そこで採用されたのがこのアンドロイドだった。 輸入は確かに一般に対するものであったが、それだけの為ではなかった。 ・・・『軍事目的』。 これこそが本音であった。 『心』を持たない、痛みを感じない兵器としての採用が行われたのであった。 これに先進国やその他の国家は猛烈に反対し、非難を浴びせた。 しかし、第三世界の国々が武力行使を現実のものとしたとき、他の国々には それを止める術はなかった・・・。 相手が『機械』である上、人が太刀打ちできるような平凡な能力であるはずもなく、 アンドロイド兵器は敵国の兵士を次々となぎ倒していった。 そんなとき、『来栖川の至宝』来栖川芹香・綾香の姉妹は一つの決断を下した。 『すべてのアンドロイドの機能停止』がそれであった。 全てのアンドロイドに内蔵された一つのコードを入力し、この世界のアンドロイド を停止させることにした。これでこの争乱は終結することになる。 しかし、すべてのアンドロイドが停止する事により、社会的には大打撃を被り ライフラインさえも満足に供給できなくなる副作用が付いた。 ・ ・ ・ (そんなことはゴメンだな。・・・しかし、報告しないわけにもいかんか・・・。) 長瀬は思いながら、この新たな技術を採用せざるを得ないと腹をくくった。 「バイオチップか・・・。」 今回得られた技術は、人に直接埋め込むバイオチップだった。これを脳に埋め込み バイオチップが自己増殖し、全身に行き渡るのを待つ。 そうすれば、唯それだけで人は自分で酸素を生産し、栄養を確保し、ウィルスにも 負けない肉体を手に入れることができる。 ・・・全身が深緑色になる事と、雌雄同体になることを除けば。 「しかし・・・。これはもはや『人』・・・いや、『生物』とも言えんな。」 長瀬は培養液の中で漂う実験者を見ながら、社長室に電話をかけた・・・。 ――――――――――――――― 筆者あとがき はじめてSSを書きました。 自分にこれほど才能がないのかと痛感する事になりました。 説明が多いわ、ベタなストーリーやわ、暗いわ、おまけにラストはイマイチやわ、 終わってんのかどうか分からんわで、なんじゃこりゃって感じです。 もし読んで下さった方がいらっしゃれば、率直な意見を下さい。 できればこの話はもうちょっと書いていきたい・・・と。 あと、以前に同じ様な話を書いたぞ!という方、すいません。 一応、知ってる限りは気を付けたつもりなんですが、似てたり、 同じだという方はおっしゃって下さい。お詫びします。 それでは。