ホワイト短編1 ゲームセンターとうや 投稿者: しもPN
<えーと注意>
 ネタばれはないと思います。
後、いつものやつじゃなくてお笑い短編ものなので気楽にお楽しみください

ホワイト短編1 ゲームセンターとうや 

「由綺ひさしぶりだな」
「うん、冬弥君」
 俺と彼女は、久しぶりに街に繰り出しデートをしている。
 土曜の東京の繁華街は、たくさん人の群れが行き交っていたが、そんなことは
よりそう俺達には構わないことだ。
「どこに行こうか」
 今日はぶらぶら歩くつもりであったのでまだ目的は定まっていないが、
2人ともおしゃべりをしながら楽しそうに歩いている。
「あっ、そうだ、最近オラタンとかいうロボット対戦ゲームがでたんだって、
「だからゲームセンターにしようよ」と楽しそうに俺が言うと…。
 由綺は最近のゲーム事情には全く詳しくないらしく、少し当惑した表情で…。
「えっ、でもゲームセンターって不良がたまっている場所だよね…」と本気で心配する。
「なに言っているんだよ、由綺は遅れているなあ」
「最近はアミューズメントセンターとも言ってカップルとかもたくさん来ているだぜ…
 由綺プリクラとか知らないのか」
「えっ、何それ…もしかして最近援助交際で有名な…」
「それはテレクラ…ってこら親父ギャグみたいなこと言うなよ」
「えっ…えっ」
 彼女は本当に知らない表情で…。
「あたしって…年よりくさいのかなあ」と本気で心配そうな表情をする。
「何、心配してるんだよ…由綺は世間知らずなだけさ…それなら尚更行こうよ」
と彼女を元気付けて俺は歩き出す…すると…。
「あっ待ってよ」とうれしそうに後からパタパタと由綺が付いて来る。
 そうしてしばらく歩いているとSEBAアミューズメントセンターというところに
着いていた。
「うっわあ…すごい人…あっ私達みたいな2人連れもいる…」
 彼女は最近人ごみの中で遊んだりすることも少なかったのでそれだけでも
楽しそうだ。俺は少し自慢気に…。
「これがプリクラ、これがオラタンだよ」と説明してまわり、彼女はそのたびに
うんうんとにこにこしながらも感心しそれをこう言葉にする。
「なんかイメージと全然違うね…こんなにゲームセンターってすごいんだあ…あっ後で
、あの写真撮影のところで一緒に撮ろうよ」
「プリクラだろ…」
「あっ…そっか」
 こうして俺達は楽しく話しながら、いろんなゲームを行ったり来たりしてると俺達は
1つのゲームのところ近くまで来る。
 それはまさしくあの往年の名作ゼビウスであった。
 俺の頭の中には過去のなつかしい思い出が湧き出していた、そして…。
「なあ、少しこのゲームやってもいいか」と俺はあまり得意じゃない振りをしながら
ちらっと由綺の方を見る…。
「うん、やろう、やろう」と彼女もとんという感じで隣の席に座り、
「あたし見ているね」と嬉しそうな表情でじっと俺を見つめる。
「俺じゃないだろ」
「あっ…ごめん」 
 そういう照れくさいお約束の後、俺は100円をゲーム機に投入。
「ピーッピピロリリッリッ……」
 始まりの音楽が鳴り画面の中のソルバルウは、俺の魂が乗り移り、まるで歴戦の
パイロットのように、目の前のソル、グロブター等をどんどん死地に追いやっていく。
 隣の由綺もその動きに感心している様子で、ただただすごいと言いながら目を輝かせる。
 そんな繰り返しの後、俺はアンドアジェネシスにまで到達する。
 だがその恐るべき巨漢も今の俺には赤子の手を捻るようなものだ。
 数秒も持たず地面の下に落下していくアンドア…。
 それからも俺の快進撃が続き、スペシャルフラッグで自機を増やしどんどん進んで
行く。俺は爽快だった。あー懐かしい…あの次の日までずっとして最高記録を
取った過去が蘇る。そういう思いに耽っているともう自機は70機にまで達していた。
 だが、その懐かしさもいきなり停滞させられる、それは…。
「ねえ、このゲームってどこまで行ったら最終面なの」と由綺が明確に不満を表明した
からだ。
「えっ…」今更ながら俺には自分の不覚を感じていた。最終面が無いなんて、
永久ループだなんて口が裂けても言えないよな。
 震えながらゲームをする俺…横からじーっと片時も離さず俺を睨む由綺…。
 こええ…やらなければ良かったと俺は後悔すら感じる。
「あっ…あのさ…俺手洗いに行って来るから」なんかこのシチュエーションに耐え兼ねた
俺の体は休息を要求してきた。
「えっ…でもそのうちに全滅するかも」由綺はにっこりと笑わない目を俺に向けて、
そんなことを言う。
「あっ…ああ、それならゆ…由綺がやっといてくれないか」
「うん」楽しそうに頷く由綺。
 その後どうやってあの状況を打開しようかばかり俺は考えながら手洗いに向かう、
彼女をこれ以上怒らせるのもなんだし…でもまだやめたくないという気持ちもある。
 そしてすぐに手洗いを済まし、ゼビウスまでもどる俺。
 そこには、にっこり笑いながら俺を見つめているいつもの由綺がいた。
 おっ笑っている…そうかゲームしたかったのかと納得して席に戻る俺、そして…。
「ありがとうな…由綺」と言い彼女と代わりゲームの世界に戻る…いや戻ろうとした。
 だがそこには、はっきりとGAMEOVERの文字が…。
「ごめん」俺は70機を一瞬のうちに全滅させた彼女の怒りを感じふるえながら
思わず謝る。
「何謝っているのよ…私が悪いんだから」
「ごめんね、やっぱり私ゲーム下手なの」とにっこりと天使のように微笑む由綺。
 よかったあ、怒っていたんじゃあなかったんだ…俺はそう感じ…。
「それじゃあ…あんまり時間なくなったったけど他のゲームでもしようか」と
言うと彼女はちょっと待ってとゲームのレバーを動かしだす。
 そして…。
「行こ…冬弥君」とまた俺にほほえみながら席をたって歩き出す。
 一方、俺はなにをやっていたのか気になってゼビウスの方を振り向いてみる、
そうするとそのトップランキングには…BAKAの文字が光り輝いていた。
 ああ…俺今日どうなるんだろう…それを見て俺はこのすぐ先のことを危惧せざるを
得なかった。
(おしまい)

 とうやって19歳だろうというのは、…ですな。
 なんか急にOLDゲームが書きたくなったんです。
 すまんです…。

久々野さん
 感想ありがとうございました。
 優しいですか^^;;;>あんまり優しくないですよ>私生活では。
 でもそう見てくれてありがとうございます。

感想はまた書きます>では・・・。