千鶴さん。 あいつは、変わっていなかった。 あなたのつけた痕も、あの笑顔も・・・ 僕たちに会ったことで、何も変わらなかった。 あいつにとって僕たちは、ただの通りすがりだったのかもしれない。 ハンティングをするレミィと同じ・・・ ただの動く目標・・・ 自分の「血」を満たすためだけに、「狩り」をする「鬼」・・・ わかっている。 それは、あの時、ちゃんと分かったから・・・ 悲しいわけじゃない。 悲しいなんて感情は、僕にはもう、ないのだから・・・ 僕を助けるために、あいつに殺された千鶴さん。 僕を殺そうとした人。 僕が、世界で一番・・・大切に想っていた人・・・ 千鶴さん。 今日、太田さんにも会った(なぜ?)。 愛するものに壊され、心を閉ざし、悲しみの底に沈む太田さん。 愛するものに心を壊された太田さんは、もう誰も見えない、何も聞こえない。 太田さんの心を壊したのは、太田さんが愛していた生徒会長だと、太田さんの親友が教えてくれた・・・ 太田さん・・・ 「雫」で、シナリオの要になっている人・・・ だが、今の僕は、太田さんに何の興味も湧かない(嘘です。私は、太田さんのファンです)。 僕は、ただ一つの望みを叶えるためだけに、今を生きている。 千鶴さん。 僕が執着するたった一つの望みは、あなたを悲しませるのだろうか? ・・・もしそうだとしても、僕はこの望みを叶えずには、いられない。 千鶴さん。 ・・・いや、千鶴。 完了 追伸 いいんかなぁ?