次の日。俺は時間を見計らって派出所の前に立った。 ここからなら見逃す事も無いだろう。 キーンコーンカーンコーン・・・ チャイムが鳴る。 このチャイムは確か下校時のチャイムだったはずだ。 昨日は、このチャイムが鳴ってから生徒の数が増えたからな。 やがて、ぞろぞろと生徒たちが出てくる。 あの中に祐介がいるはずだ。 俺はじっと校門のところを見つめていた。 その近くにいる生徒の中。 「・・・見つけた」 いた。 長瀬祐介だ。 俺は、ゆっくりと祐介に近寄った。 祐介は俺が声をかける前にこちらを向いた。 「・・・柳川さん・・・!」 びっくりしたような顔をしている。 当然だろう。 「長瀬・・・祐介だったな・・・」 確認するように呟く。 「どうして・・・?」 祐介はまだ俺がここにいる訳が分からないような 顔をしている。 「・・・『電波』とやらのことを聞いておきたくてな・・・」 祐介は周りを見まわす。 「・・・ちょっと、公園にでも行きましょう」 ・ ・ ・ ・ 「・・・・」 「・・・・なるほど。その力で生き物を支配する事も出来る、という訳か」 「あまりそういう風には使いたくありませんけれど」 と、祐介の表情が暗くなる。 「どうした?」 「・・・いえ」 首を振るだけで「いえ」としか言わなかった。 何かあったのだろう。 「じゃあ、こちらからの質問です」 祐介は突然そんな事を言い出した。 「なんだ?」 「あの、おおきな生き物は一体何者なんですか?」 「何故、俺にそんなことを訊く?」 「だって、全然取り乱しもしないで、化け物を見据えていたじゃないですか。 何か知ってらっしゃるんでしょう?」 鋭い奴だ。 「ふ・・・まあ、いろいろと、な」 鬼。 真の鬼の力は、狩猟の本能を爆発させる。 あの鬼からは本能の匂いはしたが、爆発的な、露にしたような あの殺戮、破壊衝動的なものはあまり感じなかった。 俺よりも軽い程度だ。 恐らく何らかの束縛が鬼の本能を完全には目覚めさせていないのだろう。 「・・・・じゃあ、またこの話は後日聞かせて下さいね」 「・・・・ああ」 祐介を見送った後、自分の手を見た。 ドクン・・・ この街にいる。 あの、鬼だ。 俺は冷酷な狩猟の目を、一人光らせた。 やがて、闇に吸い込まれる赤い結晶は哀しげな蒼の空に消えていった・・・。 <第6話へつづく> ************************** なんだか話がまとまらないです。 多分だらだらと長く続くだろう・・・なんてことがないようにしたいです。 久々野彰様へ デンパマン第2章完結ですか? はっぱ愛好会の方に上げて頂けると嬉しいです。 ジン・ジャザム様へ メールアドレス獲得おめでとうございます。 週刊フロム司堂 会員募集!! 意見感想は司堂まで