(突発)堕説・雫 投稿者:司堂 馨


「瑠璃子は僕のものだ!瑠璃子は僕だけのものなんだ!」
月島さんは狂ったように電波を集め始めた。
恐ろしい勢いで電波が集まる。
毒電波が来る。
「月島さん・・・あんたはなにも分かっちゃいない・・・」
瑠璃子さんは・・・本当にあなたの事を心配して・・・。
傷ついていったんだ・・・なのに・・・。
「瑠璃子!瑠璃子!瑠璃子!瑠璃子!瑠璃子!瑠璃子!
 瑠璃子!瑠璃子!るりこ!ルリコ!ルリコ!ルリコ!
 ルリコルリコルリコルリコルリコルリコ!!!!!!」
毒電波が、僕に向かって放たれた。
チリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリ
チリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリチリ・・・・・
「ルリコハボクダケノモノダァァァアア!!!」

「この・・・バカヤロオォ!!!!!!!!!」
特大の電波が、僕の手を離れた。
電波同士がぶつかり合い、拮抗する。
目の前が、真っ白に染まった。

──月島さん・・・?
僕は真っ白な世界の中で、月島さんと瑠璃子さんと思しき人を
見た。
そして流れるように、彼らの運命を見た。
歪んでしまった心は、瑠璃子さんを閉じ込めていった。
その中で、月島さんは瑠璃子さんに支えられながら、
泣いていた。

やがて、世界は元の色に戻っていく。
月島さんがドサッと壁に背をつけて、崩れ落ちた。
僕は、肩で息をしながら月島さんを見下ろした。

月島さんはぐったりとしたまま、
動かなかった。
月島さんの頬を、一滴の雫が流れた。
それは、止まる事なく流れ、哀しみの中にまどろんでいった。

僕は、がっくりと膝をついてその場に崩れ落ちた。
遠く、瑠璃子さんの声が聞こえたような気がした。

──長瀬ちゃん・・・ありがとう・・・・・・

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あらすじも前書きもない、突発的な【堕説・雫】です。
読んで下さった方ありがとうございました。
これはもう一つの【雫】です。
どうか、妥協して読んで下さい。
恐らく、数日後にはまた改訂版が書かれている事だと思います。
感想、意見など下さると嬉しいです。
(それにしてもこの物語の始めが唐突すぎますね・・・書き直します。)